第3話 小学五年生


 宝くじが当たった次の日、俺は学校を休み母と宝くじの換金をするためM銀行に出向くことにした。


 高額当選はM銀行本支店に行く必要があるのだが、俺が住んでいるのは北海道の中でも端っこの方の田舎なので銀行の支店すらなかった為、わざわざ車で三時間かかる都会都市に行く必要があったのは面倒であった。

 もっとも運転するのは母親なので俺は車に乗ってるだけで何もしていないし、母の方も五十万もらえるからノリノリで運転していたからお互い文句はない。

 唯一の不満点をあげるとすれば、せっかくきたからと地元にはない大型商業施設での買い物に三時間たっぷり付き合わされたのだけ。それだけは想定外であった。


 百万円以上の当選金には色々と手間がかかるらしく、振り込まれるのは一週間後とのこと。


 ちなみに俺が貰う予定の金額は全部で、百五十五万。

 内訳は、まず自分の分であるナンバーズヨン一口の当選金百五万円。

 残りの五十万はもう一口分で、母が俺の当てた宝くじを全額もらうのは悪いと言ってきて、一口分の当選金を半分ずつわける形でもらったものである。


 想定以上の金を手に入れた俺は、更なる金稼ぎの為、最初に考えていた通り株式投資をするための準備にとりかかった。

 準備といっても簡単だ。母に許可をもらって口座開設するだけ。

 その口座開設自体に時間がかかる為、当選金が振り込まれる前から準備しておくのだ。

 口座開設が終わるまでは未来知を使用して今後儲かる株を調べておくことにした。



 それから十日ほどが経ち、ついに準備が整った。

 既に口座は開設済みで、銀行口座から証券口座へ百五十万移して準備完了。

 既に買う株は決めている。


 近天堂というゲーム会社だ。

 

 未来知で日本の株で今年二割以上株価が上昇して尚且つ有名で自分が知っている銘柄を調べた結果ここに決めた。

 儲かることが確定しているなら知らない銘柄でも一番利益率の高いところを選べばいいと思うかもしれないが、俺の考えとは合わない。

 俺は利益を得ることが確定しているのだからこそあまり有名ではない会社より有名な会社の株で儲けたい。何故ならなんとなく優越感があるから。

 しょうもない理由に聞こえるだろうと思う。俺も自分のことながらそう思うが、前世含めて初めての株式投資なのだから自分の好きなようにやっても罰は当たらないはずだ。


 そんなことを考えている間に、株価が最初に見た時より下がり16,600円となったので、変えるだけ買う。


 そうして俺は、近天堂の株を90株手に入れた。

 近天堂は今年だけでも倍近く上昇して、尚且つ来年には今の四倍以上上がるらしいので、これから楽しみである。



 さて、取引も無事完了したし、夜の日課に二回シコってから寝よう。

 転生してから二週間が経ち、これまでに合計41回自慰行為を行っているので俺の基礎スペックは0.82%上昇したことになる。

 ほぼ1%近く上昇したわけだが、やはりあまり違いは実感できていない。

 というかそもそも小四の時の自分の身体能力なんてほとんど覚えていないので実感できるはずがないことに最近ながら気づいた。

 毎日三回シコって0.6%基礎スペックが上がったところで、前世とは違いほぼ毎日自主トレに励んでいるので、それがトレーニングの成果なのかシコシコパワーアップのおかげなのかはわからない。

 わからないが俺はシコリ続ける。

 いつかその成果が実感できる日がくることを信じて、今日も明日も明後日も毎日シコシコトレーニングに精を出し精を出す。


 そうして時は流れていき四月となり俺は小学五年生になった。

 クラス替えが行われた結果、俺はその当時一番タイプだった美少女と同じクラスになった。告ったこともなければ、対して仲が良かったわけでもない故に前世では関わりはなかったが、今世では仲良くなっておこうかなと思っている。将来はスタイル抜群の美女になることを知っているから今のうちに唾をつけておきたいところだ。

 クラス替えと共に担任が変わったのだが、これから小学校卒業まで教わることになる担任は前世と同じ若い男性教諭。

 体育の時に女子児童にのみ身体的接触をして指導することから、当時は変態エロ教師として俺の中で評判だった。

 生徒に手を出した噂なんてなかったが、俺は間違いなくロリコンだと思っている。

 そもそも小学校の男性教師なんてほぼ皆等しくロリコンみたいなものだろうから間違っていないはずだ。(偏見)



 人生のやり直しが始まって一ヶ月と少しが経ったが、今のところ交友関係における前世との違いは皆無だ。


 毎日トレーニングを続けているので、これから徐々にその成果が現れると期待している。


 六月にある運動会は良い試しの場だろう。


 となれば、今のうちに目標を定めておく。


 小・中学校では運動のできるやつがモテるから良いアピールの場でもあるからな。


 前世では徒競走は三着で、選抜リレーの選手には選ばれてすらなかったので、今世では徒競走一着とリレーの選手に選ばれることを目標に設定する。


 前世とは比べ物にならないほど努力しているし、それに加えて射精強化という成長チートっぽい力もついているのできっと目標を達成できるはずだ。



 こうして俺は自分の可能性を信じて目標に向かってひた走るやり直し人生を送るのであった。


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