白き魔女と黄金の林檎

第二部第９０話まで拝読した時点でのレビューです。

魔女を駆逐する使命を帯びた審問官になった少年アルヴィン。
首切りなどと渾名されるやり手の上級審問官ベラナに師事するものの、ベラナはある条件を課して彼を試す。
だが、これは全ての苦難の始まりに過ぎなかった。
教会内部の派閥争いに巻き込まれたかと思えば、その時々に出会った仲間たちと多くの困難をはねのける。
そんな彼がやがて待ち受けていた試練は、実に残酷で想像を遥かに超えるものだった。

テンポよく、しかし浮薄ではない絶妙な文章で、次々と主人公或いはその仲間たちに襲い来る試練を描いた本作。
それは読者を飽きさせることなく、審問官、処刑人、枢機卿、…続きを読む

最初は魔女は主人公に対してもただの対敵すべき相手でしかない。
しかしながら､､､物語は作者の手腕によって書き換えられる。魔女を討伐するはずか、恩を受けることもあってしまう。そもそも魔女退治とは？
ここは聖都。
魔女たちが夜に潜む都。
彼女たちに翻弄されながら描かれる主人公たちと頼れる仲間たち。
時には魔女たちと手を合わせ､､､難関を切り裂いていく様は､､､。
その死闘を刮目あれ！

魔女と異端審問のある中世〜近世風ファンタジー世界で繰り広げられる陰謀。
父の死の真相を追う異端審問官の少年と、白き魔女の娘という女性の運命が交錯し、大きな歯車が動き出します。
特筆すべきは敵味方双方のクセ強さ。
敵は悪辣だったり俗物だったり、それでもしぶとく手強い。味方は味方で、したたかだったりあざとかったりと、こちらも一筋縄ではいきません。
さて、彼らの紡ぎ出す１大叙事詩の終着点は……？
今後も目が離せませんね！

追う者に追われる者、払う者に救う者。
立場も生まれも違う者が手を取りあい正義を貫く展開は王道中の王道で痺れる。
互いに背中を預けるけど油断ならない空気がとても好みです。

魔女と厄災が同じ意味を持つ世界で、それを狩り出し駆逐する目的を持つ教会。
審問官見習いの主人公と、魔女候補が出会う所から物語は始まります。
しかし、本来は敵同士でしかない二人が、ある事件を切っ掛けに手を組む。
これが非常に、この物語を興味深く、そして好奇心を駆り立てるものになっています。
二人の間には取引が結ばれ、目的とするゴールは同じ。
しかし、決定的に相容れない結果を求めている。
待ち受けるゴールには何があるのか。
そして、ゴールを迎えた時に知る真実とは――。

私も序盤を読んだばかりですので、この先どういった物語が展開されるか分かりません。
しかし、これだけ期待感が持てる作品も中々ない…続きを読む

機械的に数えるのではなく、本をめくる回数を300数える。かなりの集中力がいる作業。そして本で部屋を埋め尽くす相手を尊重する姿勢を感じます（妄想）。知的な、惹きつけられる書き出し。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（143文字）

企画参加ありがとうございました！
何より1話の掴みが素晴らしかったです。
謎多き老人と主人公の出会い。
これからどのように話が展開されていくか楽しみです。
これからも応援しています！
ありがとうございました！

どこが？
と具体的な個所を尋ねられると答えに窮してしまうが、とにかく読みやすい。
ミステリーにありがちな複雑さが全く無いとは言わないものの、物語に、その世界観にスッと没入出来てしまう。ちょっと不思議な感覚を味わえる小説ですね。

悪だ！と決めつけられている存在が実は善？
それとも親の仇？
そんな不確定な相手とのパートナーシップ・・・
先の展開が色々予想できるだけに、楽しめる要素が多そうな序盤でした。

この後の展開も楽しみに読み進めていきます。

数話読んだだけで、世界観が伝わってくるのは脱帽物です。
筆力があるため、文章から情景が伝わってきますし、没入感が半端ないので非常に楽しめる作品です。