末摘花(すえつむはな)
源氏は既に亡くなった常陸宮の姫、末摘花のうわさを聞きます。落ちぶれた悲劇の姫君に興味を持った源氏は、同じく興味を持つ頭中将と競い合うように求愛し、逢瀬を果たします。しかしある朝、姫の顔を見た源氏は驚きの余り言葉を失います。彼女の顔が、とても醜かったため、です。
その後、訪ねることも少なくなりますが、一方で源氏は困窮する末摘花に同情し、援助するようになりました。
さて、源氏の屋敷には若紫がいます。源氏は鼻の赤い女人の絵を描き、自らの鼻にも朱の絵の具をつけて、兄妹のように戯れるのでした。
登場人物
末摘花・・・故常陸宮の姫。出家した兄と国守に嫁いだ叔母がいるが、困窮している。容貌は醜いが、心根は正直。「末摘花」は、鼻の赤い容貌から源氏がつけたあだ名で、ベニバナの意味。
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