第21話 GWの幕開け♪

 GWは幸いにも、晴天に恵まれていた。


 そして、俺の目の前には、親友3人がいる訳だけど……


「……お前ら、相変わらず、濃いな」


「「「えっ?」」」


 まず、ツンツン頭の明彦あきひこ


 オタクのやつは、オタクらしくアニメキャラのTシャツを着ている。


 常人なら、間違いなく耐えかねるプレッシャーも、へっちゃらな顔をしている。


 次に、老け顔の隆志たかし


 エロマニアで熟女好きのこいつは、高校生のくせにおっさんみたいなトレンディファッションをしている。


 こいつ、ワンチャン街の熟女を狙ってやがるな。


 最後に、ロンゲメガネの三郎さぶろう


 メタラーなこいつは、服もエキセントリックだ。


 ていうか、たぶんこれ普通に売っていた服を、自分でビリビリに破いている。


 ロックというか、メタルなのは結構だけど、物は大事にした方が良い。


「はぁ~、お前らを見ていると、安心するよ。やっぱり、俺が一番マトモなんだなって」


「「「黙れ、サイコパス」」」


 ハモりでツッコまれる。


「むしろ、本当にヤバい奴って、1番フツーな見た目をしているからな」


「女優も、普通そうな顔をしている女が、1番エロいからな」


「クソ、その天性のイカれ具合が羨ましいぜ、ファッ◯!」


 こいつら、ひどいこと言うなぁ。


 まあ、良いか……


「おーい、みんな~!」


 明るく元気なその声を響かせてやって来たのは、


「おっ、あかりじゃん」


「お待たせ~!」


 笑顔のまま、彼女は俺たちの前に立つ。


「ゆうたん、今日は天気が良くて嬉しいね♪」


「おう、体調もバッチリだしな。お前らも……あれ?」


 振り向くと、親友3人は、ボケっとした顔になっていた。


「……ヤバ萌え」


「……ロリも悪くない」


「……このメスガキが……可愛い」


 つまりは、


「3人とも、あかりの可愛さにノックアウトされているよ」


「え~、本当に~? ちなみに、ゆうたんは?」


「んっ? 俺は千冬ひとすじだから」


 そう答えると、あかりはぷくっと頬を膨らませる。


「やばっ、この元気系な小悪魔ちゃんの正妻への嫉妬っぷり、かわよ」


「明るいNTRモノに出て来るタイプのビッチだな、たまらん」


「あ~、ファッ◯!……しないで、愛でたい」


 また勝手に、あかりに対して発情する3人。


「てか、腹減ったし、早速ラーメン行かね?」


「うん、行く行く~!」


 あかりが言うと、


「あの、須藤さん」


 隆志が声をかける。


「んっ? あかりで良いよ、隆志くん。ていうか、今日の服装、何か渋くてカッコいいね♪」


「ごふっ……あ、あかりちゃん。もう1度、元気よく言ってくれないか?」


「えっ? 何を?」


「その、『行く行く~!』……ってのを」


「行く行く~!!」


「あたし、もうお腹が減って我慢できないから……ってのを、追加してもらえる?」


「あたし、もうお腹が減って我慢できないから、行く行くぅ~♪」


「……ありがとうございます」


「おい、おっさん。俺のラブコメヒロインを汚すなや」


「ああ? 黙れ、クソオタクが」


「あの天使をファッ◯してメスビッチに堕とすことが、果たして俺に出来るだろうか……くっ、無理だ……ファッ◯ミー!」


「おーい、お前ら~。キモウ想してないで、さっさと行くぞ~」


「うふふ~♪ 何だかすっごく、楽しいイベントになりそうだね♪」


 こうして、俺たちの楽しい(?)GWが幕を開けた。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る