最終話 君との日々

それから5年が経過した。

俺は目の前を見る。

そこには花嫁姿の美穂が歩いて来ていた。

その姿を見ながら俺は2年前を思い出してみる。

2年前それは激戦だった。


何故かといえば裏垢で脅されたから、だ。

今だが裏垢は閉鎖されている。

それはラストバトルといえる状態だった。

ラストバトルってのは.....つまり。

本当にラストバトルだったから、だ。


「.....」


2年前。

俺は坂本芽美(さかもとめぐみ)という俺を虐めていた女と対峙した。

そしてみんなに裏垢の事がバラされてしまったのだ。

その事で.....仲を取り持つ事に苦労するかと思ったが比較的に穏やかに済み。

それから俺は坂本と改めて仲違いしてから。

そのまま別れた。


そうしてから今に至る。

今、この場所に色々な人が集まっている。

この状態になるまで相当に苦労したが、だ。


俺はゆっくり歩いてくる美穂を見ながら全てを思い出す。

あの日停電した事も全部。

懐かしい記憶だ。


「.....懐かしいもんだな」


そんな事を呟きながら俺は目の前の美穂を見る。

美穂は俺に笑みを浮かべながらゆっくりやって来ていた。

それから.....笑顔を浮かべる。

俺はその姿を見ながら手を伸ばした。

そうしてから手を握ってくる美穂。


「とーちゃん。今日幸せだよ。私」


「そうだな。俺も幸せだ。本当に今日は祝おうな」


「そうだね。.....こんなに幸せになって良いのかな。私」


「.....みんな拍手しているから。ほら。凛花も朝日もみんな拍手してくれている」


「だね。.....うん」


俺は笑顔を浮かべながら手を握る。

そして一気に抱き寄せた。

それからキスを交わす。

そうしてからそのままお姫様抱っこをした。

それは予想外だった様だ。


「ちょ。恥ずかしいよ!とーちゃん!」


「良いの良いの。今日は全てお祝いだからな」


みんな立ち上がった。

それから俺達を見てから祝福してくる。

その姿を見ながらみんな、おめでとう!、と言ってくる。

俺はそんな姿を見ながら柔和になる。


「ちょっと!とーちゃん下ろしてぇ!」


「このまま駆け出して行くぞ!」


「何処に行くの!?このまま!」


俺はそのまま駆け出して行く。

それから結婚式場から飛び出した。

そしてそのまま.....飴が沢山の中に飛び込む。


飴のプールに、だ。

みんなも一緒に飛び込む。

俺はそのまま美穂を見てみる。

美穂は飴まみれになって驚いていた。

みんな踊り出す。


そして.....幸せな日々を過ごしていた。



というのは夢でした。

俺は真っ赤に赤面しながら同居している部屋で起き上がる。

それから美穂を見る。


美穂は、どうしたの?、的な感じでクスクス笑っていた。

何というか俺達はまだ結婚してはいない。

美穂の家で大学生になってから同居し始めたのだ。


「ねえ。とーちゃん。何だか変な夢でも見ていたんじゃないの?」


「そうだね。.....変な夢だったよ。本当に」


「アハハ。とーちゃんらしいね」


俺達は将来に結婚する。

そのつもりでの練習の同居だ。

因みに美穂の両親は完全にスルーな状態である。


まあその為.....まだ色々な悩みはある。

だからまだ全てが終わった訳じゃない。

でも夢の中の坂本との仲違いは事実だが。


「.....俺さ」


「.....何?とーちゃん」


「お前と出会えて幸せだよ。本気で」


「そうだね。私も幸せ。だって良い人だから」


「そうだな」


俺達は顔を見合わせながら満面の笑顔を浮かべる。

それからキスをし合った。

俺は本当に幸せを感じる。

それは美穂も同じだろうか、と思いながら美穂を見る。

美穂も恥じらいながらだがはにかんでいた。


「とても幸せだよね。私達。まあ親とのいざこざがまだ、だけど」


「そうだな。.....確かにな。だけどそれも必ず解決に導くよ。俺が」


「うん。期待してる。でも私も.....貴方の為に動くから」


「.....ああ。お前には世話になったな。色々と」


「何が?.....もしかして昔の決着?」


「そうだな」


俺は少しだけ目線を逸らしながら外を見る。

すると美穂は、気にしない事だね、と言ってくる。

それから笑みを浮かべた。

そして俺を見てくる。


「悪いのは相手だし。それにアカウントはいつか凍結するつもりだった。今はもう要らないから」


「.....それは俺に再会したから?」


「そうだね。だから私にはもう必要の無いアカウントだった。君に出会ってそして恋をすればもうフォロワーなんて0でも構わない。君さえ見てくれれば何でも良いの」


「そうか。.....大胆だなお前」


「私は何時もこんな感じだから」


そんな感じかな?、と俺は苦笑する。

だがその言葉に美穂は、うん、と笑顔で頷いた。

俺は笑顔のその顔に何も言えなくなる。

そして笑みを浮かべた。


「私は.....君に再会する為にアカウントを作った。だからそれ以上でもそれ以下でもない。やり過ぎたのは反省だけどね」


「.....そうか」


「だから君さえ居れば何でも良いの」


今はとても楽しいから。

だからもう要らないんだ。

と俺の手を握る。

すると.....クッキーが焼けた様だ。

さっきから美穂が作ってくれていた、だ。


「さあ。一緒に食べよ?とーちゃん」


「そうだな。.....クッキー食うなら紅茶も淹れないとな」


「だねぇ」


そして俺達は椅子に座ってから。

クッキーやら紅茶を用意した。

それから楽しむ様にお喋りをする。

今のこの時間は.....本当にかけがえのないモノだな。

その事を実感しながら。


fin

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

クラスメイトの女子の強烈な裏垢を見つけてしまい.....俺の日常が全て変わってきてしまったのですが..... アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ