第28話 イチャイチャラブラブ.....?
「お前の部屋.....パソコンとかそんなのばかりだな。でもぬいぐるみもあるんだな。意外だ」
「そうでしょ。私の部屋.....まあそれなりに可愛くしているから」
「やれやれ。それにしても39℃も熱を出して動くか?アホなのかなんなのか」
「.....何だか電話しようと思ったのが一番に君だったからね」
俺を見ながら、エヘヘ、と表情を綻ばす杉山。
その姿を見ながら盛大に溜息を吐く俺。
そして熱冷ましシートを貼り直しながら、杉山。台所借りても良いか、と聞く。
すると杉山は、うん。勝手に使って良いよ、と言ってくる。
俺は頷きながら適当にレトルトを取り出した。
「ねえ」
「何だ。杉山」
「.....私さ。今度から君の呼び方、とーちゃん、にしても良い?」
「ばっ。お前.....恥ずかしいわ!?」
「でも私にとっては君はヒーローで結局はとーちゃんなんだ。だからお願い」
そして私の名前だけど美穂って呼んでほしいな、と俺を見てくる杉山。
高熱でうなされている様にも見えなくもないが.....本心だろうか。
俺は赤面しながら杉山を見つめる。
それからゴクリと喉を鳴らしてから、じゃあ美穂、と呼ぶ。
すると美穂は、うん。嬉しい、と笑顔を浮かべた。
「私って変態だから.....嬉しい」
「それってどういう意味だ?変態って付けられると困るんだが」
「アハハ。そうだね」
そして美穂はそのまま寝てしまった。
俺はその姿を見ながら、薬とかも用意した方が良いのだろうか、と考える。
しかしこんな大きな家に1人で住まわせるなんて親は本当にどういう感情なのだろうか、と考えながら俺は.....顎に手を添える。
それから顎に手を添えた。
「.....取り敢えずは美穂にお粥とか作るか」
その結論に至り。
俺は凛花に、凛花。家に着いたからな、とかメッセージを送り。
そのまま俺はお粥を作る為に台所に向かった。
そして台所を見る。
まあキッチンと呼んでも差し支えないと思うのだが.....広かった。
しかもかなり綺麗であって.....使ってない様に見える。
俺はますます眉を寄せる。
よく見れば外食チェーンの袋ばかり捨ててあった。
「食事も荒っぽいって事か.....」
俺は考えながらそのままお粥を作り始める。
申し訳無いのだが俺は料理は.....作りきらない。
祐子の様に天才では無いのだ。
そう思いながら俺はお粥を必死にお湯を沸かして作る。
そして卵を乗せたりする。
「.....取り敢えず形にはなったか」
思いながら俺はお粥を見る。
取り敢えずは美味そうな形には仕上がった気がする。
因みに食器だが.....これもまた手前の一部分だけしか使った痕跡が無いので仕方が無いと思い俺は奥の食器を洗って使わせてもらった。
土鍋であるが。
「美穂も美穂だよな。下に降りずに.....まあ駄目か。あいつの性格じゃな」
考えながら俺は美穂に対してお粥を持っていく為に。
そのままオボンに乗せてから運び出した。
それから部屋に入る.....と。
そこに上半身裸の美穂が布で体を拭いて.....うわぁ!!!!?
俺は真っ赤に赤面する。
「す、すまん!!!!!」
「あ、良い。大丈夫。私は.....大丈夫だから」
「俺が大丈夫じゃねぇよ!?」
「私は気にしない」
「アホ!」
俺は顔を隠しながらオボンを机に置きながら表に出る。
それから盛大に溜息を吐いた。
全くアイツは、と思いながら.....であるが。
しかし困ったもんだな。
女の子が気にしないってのは。
「.....アイツに.....聞いてみるか。今の現状で良いのか」
そう考えているとピコンとメッセージが来た。
それを開いてみると.....凛花からのメッセージ。
この様に書かれていた。
(心配しています。ああ。恋の心配とかじゃ無いですよ。本当に心底から杉山さんを心配しています)
(そうか。有難うな。凛花)
俺はそれだけ打ってから。
少しだけ考えてみてからそのまま打ってみる。
家族が居ないってのはどういう感情だと思う、と。
美穂の家には家族が居ない、と。
だがそれは途中で消した。
それからこんな文章を打ってみる。
そして送信した。
それはこんな文章である。
(美穂の家、大きいぞ。今度みんなと一緒に伺ってみないか)
(え?大きいんですか?だったらお菓子とか作れそうですね)
(そうだな。それやってくれ。喜ぶと思うから)
(私、今度お菓子の材料を用意しておきます)
俺はその様に笑みを浮かべて打っている姿を想像しながら。
凛花のメッセージを読んでいると。
その凛花から数秒経ってからメッセージが来た。
俺は、?、を浮かべてメッセージを読む。
(ところで名前で呼び合う仲になったんですね?)
(まあそうだな。い、色々事情があって)
(ふーん)
(何だその素っ気ない返事は)
(べっつにー。どうもして無いですけどー)
頬を膨らませた様な感じのメッセージを送ってくる凛花。
俺はその姿を想像しながら苦笑しつつ。
スマホを見ながら居ると。
ドアが開いた。
「ゴメン。大丈夫になったから」
「ああ。じゃあお粥食べるか?」
「.....うん。口に入れて食べさせて」
「ふぁ?」
何を言ってらっしゃるので?
俺は真っ赤になりながら美穂を見る。
美穂は、私は病人だからね。だから1人では食べれないから、とニヤッとする。
そんな言葉に俺は真っ赤になった。
勘弁してくれ、と思うのだが。
「食べるのキツイしね。実際に」
「.....分かったよ.....」
心臓がバクバクと高鳴る。
そうして美穂を見る。
美穂は期待する眼差しで俺を見てから。
じゃあ部屋に入ろう、と言ってきた。
「美穂」
「何?とーちゃん」
「お前はその。恥ずかしくないのか?呼び名を変えたりして」
「だってとーちゃんはとーちゃんでしょ。全然恥ずかしくないよ?」
「いやまあ.....うん。それならそれでも良いけど」
俺は恥ずかしいのだが。
考えながら赤面しながら美穂を見る。
美穂は柔和な笑みを浮かべながらも.....何か恥ずかしがっている様な。
そんな姿を見せてくる。
そしてベッドに腰掛けた。
「.....隣。ね?」
「わ、分かった」
ポンポンと隣を叩く美穂。
それから俺はお粥を持って来るが.....その。
何時までこの状況が続くのか。
俺は赤くならざるを、というか心の底から赤面せざるを得なかった。
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