それぞれの貴方への想い

第15話 貴方が選んだヘアピン(編集)

告白合戦.....というか。

それはどういう意味かといえば、凛花と朝日に告白された、と言える。

同時にであるが。

いきなりで勘弁してほしいが.....うん。

俺は苦笑して考えながら見つめる。


(譲る気はありませんから。朝日先輩)


「私だって譲らないよ。私だって東が好きなんだからね」


2人はそんな会話をバチバチと火花を散らしながらする。

そんな言葉の言い争いを聞きつつファミレスを後にしてから俺は朝日もそうだが2人と杉山と七色さんに聞いてみる。

この後はどうするんだ、と。

すると杉山と七色さんは、用事があるから、と言い出した。


「もっと見ていたいのは確かなんだけどねぇ。それにバレちゃったしね。もう良いかなって思ってね。安心したし」


「私は単純に買い物があるので」


「うーんそうか。じゃあ朝日は?」


俺は朝日に向く。

朝日は、私は邪魔者って事かな?、とジト目で俺を見る。

俺はビクッとしたが朝日は溜息を吐いてからそのまま警戒している凛花を見る。

凛花は?を浮かべる。

そして真剣な顔になる凛花。


「私は帰るよ。今回は。でも負けない。絶対に負けないからね。凛花ちゃん」


(朝日先輩)


「うん。諦めない」


(私とライバルですね)


言いながら苦笑する2人。

それから握手をした。

俺はビックリしながらその姿を見る。


握手をし終わった2人は俺を見てきた。

そして朝日が、凛花ちゃんに惑わされない様にね、と忠告してくる。

握手をするとは思わなかった。

考えながら言う。


「俺はそんな事はしないよ」


「何だか心配だからだけど。まあでも東に限ってそれは無いと思うけどね」


言いながら朝日は今度は杉山を見る。

杉山はニコッとしていたが朝日の視線に、何?、と尋ねた。

朝日は無言で見つめていたが視線を外す。

どうしたのだろうか、と思いながら朝日を見ていたが。

朝日はこう話した。


「じゃあ明日」


「そうだね。私も行くね」


「私も行きます。後は頑張って下さい」


そのまま.....みんな解散する。

そして俺は任せられる形で手を振る3人に見送られた。

俺達は顔を見合わせて笑みを浮かべる。

そして赤くなる凛花の手を見る。

それから握る。


「じゃあまあ手でも繋ぐか?」


(そうですね)


「あ、ああ」


そして俺達はデートをする様にまた恋人繋ぎをした。

指と指を絡める、アレ、だ。

そうしていると凛花が笑顔になる。


それから、エヘ。ヘ、と言ってくる。

本当に心から嬉しそうに。

その姿に赤面する。

本当に可愛い顔だな、と思う。


(先輩。私ですね。髪の毛を留めるヘアピンが欲しいんです。それを見に行ってから漫画ミュージアムに行きませんか)


「え?いや。それは構わないけど.....何処に?」


(先輩が分かる場所です)


「そ、そうか」


私は先輩が好きですから、と文章を見せてきてニコニコする凛花。

それから柔和な顔をした。

俺はその姿を幸せに見ていると。


誰かからメッセージが送られてきた。

見ると送信主は杉山である。

俺は?を浮かべて見る。


「何だ?」


俺はその様に考えながらメッセージを開ける。

そこにはエロゲ写真と一緒に鼻血を出している七色さんが写っている.....。

いけないものを見てしまった気がした。

杉山は嬉しそうな感じで写真を撮っている。

いや。おま、と思っていると凛花がメッセージを見せてきた。


(先輩?どうしたんですか?)


「ああいや。その。.....何でもない」


何ちゅうものを送ってくるんだ。

俺は考えながらその画像を見るのを止めつつ、でもまあ、と考える。

楽しそうで何よりです、と思いながら。

それから盛大に溜息を吐いた。


そういや杉山はまだやってんのかな?

裏垢というヤツを、であるが。

だとするなら止めさせたい気がするが.....うん。


(先輩)


「え?ああ。すまない」


凛花に言われるがままにそのままアクセサリーショップに入るとそこには沢山の安価な感じのヘアピンが無数に並んでいたりした。

それを見ながらニコニコする凛花。

そして、この場所はお気に入りなんです、と文章を書いてきた。

俺は見開きながら、そうなのか、と笑みを浮かべる。


(はい。この場所は.....先輩と一緒だからこそ来たかったんです)


「そ、そうなのか」


(先輩に選んでほしかったですからね。こういうのを)


「おう.....うん」


しかしどれも同じに見える。

だけどそれに対して凛花は分かり易い様な感じで文章を書いた。

こっちとこっちはどっちが良いですか?、と笑みを浮かべながら。


それは緑色と赤色。

非常に分かり易いな.....。

でもだからこそ顎に手を添えて悩んでしまうな。

身近な可愛い人だからこそ。


「でも考えたけどお前なら緑かもな」


(そうですよね。私もそう思いました。緑色のヘアピンにします。有難う御座います)


「全然大丈夫だ」


(じゃあ買ってきます)


「.....俺も行くよ。凛花」


それから目を丸くしている凛花を見ながら。

そうですか、と柔和に言ってくる。

俺はその姿を見ながら笑みを浮かべた。

そして手を握る。


(私。とても幸せです。先輩)


「俺も幸せだよ。お前の容姿を変えるのに関われるのに、な」


(有難う御座います。アハハ)


「じゃあ行こうか」


そして俺はヘアピンを持ってから。

俺がお金を半分出した。

それからヘアピンを身に付ける凛花。

そうしてからニコニコと笑みを浮かべた。


「せんぱ、い。かわ.....いいですか」


「とても可愛い。似合ってる」


「えへ、えへへ」


「とても可愛らしい。君は本当にね」


あり。がとう御座います、と言う凛花に対して俺はニコッと笑顔を浮かべた。

それから頭を撫でながら。

じゃあ行くか?、と切り出した。


凛花はニコニコしながら、はい、と答える。

それからアクセサリーショップを後にしてから.....歩き出した。

手を繋ぎながら、だ。

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