第14話 告白合戦?(編集)

俺は探している。

それはずっと探している。

何を探しているかといえば。


とある女の子との、大切な日々、と言えるかもしれない感じだ。

だけどまあその記憶はもう2度と手に入らないと思っている。

何故かといえばまあ、うん。


俺としてはその仲良くなった女の子とは2週間しか過ごしてないからもあるが。

だからそういう事で諦めている点もある。

だが最近それが覆りそうな感じになってきている。

何かがとにかくひっくり返っているのだ。

考えながら七色さんと凛花を見る。


「とにかくエロゲは素晴らしいと思います。あれは作家さんの最後の力がマジに出るものだと思っていますから!」


(あのね。七色ちゃん。ファミレスでエロゲの話をするのはどうかと思う)


「まあ確かにな」


パフェを食ってからだが。

苦笑してエロゲの話を一生懸命にする七色さんを俺達は見つめていた。

七色さんは目を輝かせて興奮気味に話している。


しかしよく考えたがこの娘は18歳未満ではないだろうか。

考えていたが取り敢えずは深く考えない事にした。

それから苦笑しながら七色さんを見る。


「エロゲこそ神だからね。本当に」


(七色ちゃん)


「と、取り敢えず話題を変えないか?」


「えー。変えちゃうんですか?」


「変えないと駄目だと思うよ」


そんな感じで俺は苦笑い。

そうしていると、じゃあ話題をそうですね。変えましょう。今日の原画展はどうでした?先ずは長野先輩から、と俺に七色さんが切り出す。


七色さんの言葉に俺は、ふむ、と顎に手を添える。

それから、楽しかったよ、と答える。

すると、だってよ?、と凛花に笑顔で向いた七色さん。


(そうなんですね。先輩)


「うん。楽しかった」


(有難う御座います。そう言ってくれて幸せです)


「じゃあ逆にお前はどうだった?楽しかったか?」


(そうですね。私は楽しかったです。十分に)


だから私は幸せです。

と言いながらチラッと横を見る凛花。

何かに気付いている様だ。


それからクスクスと笑いながら、居るんですよね、とスマホに書いて切り出す。

杉山先輩と朝日先輩、と書く。

俺は額に手を添える。


「気付いてたんだな」


「気付いてたんだね」


(だってあんなにしっかりな感じを見せたら気付きますよ誰だって。でも途中からだったけどね)


言うと2人が変装を解きながらやって来た。

それから苦笑している。

頬を掻きながら。

それから俺達をチラ見する杉山と朝日。

気付いたんだねぇ、と言いつつだが。


(はい。気付いていました。しかしそれにしても本当に変な人ですね。杉山先輩も朝日先輩も。アハハ)


「私はそんなつもりは無いけどねアハハ。でも私は邪魔するつもりは無かったんだよ?これは本当に)


(はい。それが杉山先輩だと思っています。だから大丈夫です)


だがそう言ってから。

でも、と顔を上げてからそのまま杉山と朝日をしっかり見つめる。

杉山は笑みを浮かべながら?を浮かべた。

すると.....何かを決意した様に握り拳を作る凛花。

そして凛花は立ち上がって俺に向いてから杉山と朝日を見て文章を書いた。


(杉山先輩。私は先輩が好きなんです)


「え」


「「!?」」


見せてきたその文章で俺達は固まった。

それから俺を赤くなりながら見てくる凛花。

そして胸に手を添えながら.....顔を上げる。

私は。心から。先輩が好きです。

だから杉山先輩には。朝日先輩には絶対に負けたくないです、とスマホに文字を入れずに喋った。


「え?いやちょっと待って。私は観察対象で見ているだけだよ?」


(でも絶対に杉山先輩は先輩が好きですよね。観察対象とか言いながら)


そんな感じで凛花が杉山にスマホに字を書いて見せていると。

朝日が唇を噛んでいたのだが口を開けた。

それから杉山と凛花を見る朝日。

そしてこう言う。


「ちょっと待って。私も。私も好きなんだけど。東が」


「ファへぇあ!?」


真っ赤になる朝日を俺は真っ赤に赤面しながら変な声を出しながら見つめる。

これには流石の凛花も目を見開いて見る。

七色も杉山も驚愕している。


そりゃそうだ。

だって俺だって愕然だ。

この場でそれを言うとは!


「私だって東が好き。昔から大好きだから取られる訳にはいかない」


「ちょ、ちょっと待てお前ら!こんな場所でそんな事を言い争うな!」


(でも先輩。今全てをはっきりさせたいですしね)


「そうだね。そこだけは同意かも」


いきなり過ぎるだろ!?、と思いながら見つめる。

すると七色さんも立ち上がって鼻血を出した。

それから興奮状態に陥る。


これは何というカオスな状況!、と言いながら。

いや確かに別の意味でカオスだが。

何だよ!?


(ちょ、ちょ。七色ちゃん。落ち着いて。取り敢えず落ち着いて鼻血拭いてね)


「カオスは.....私は大好き」


慣れているな凛花?

俺は目を丸くしながら鼻血を拭く凛花を見る。

こんな状況に何度もなるのか?

と思いながら顔を引き攣らせる。


「カオスだねぇ。確かに」


「納得する様に言うな杉山!?」


俺は汗をかきながら杉山を見てみる。

杉山は俺にニヤニヤしながら、でもでも恋をされるって幸せじゃん、と言ってくる。

その言い方だとその。


コイツは本当に俺を好いてないのか?

考えながら取り敢えず俺は揺さぶりをかけてみる事にした。

気になる。


「杉山。お前は本当に俺が好きじゃないのか?」


「だから言っているでしょ。私は君を研究対象としか見てないからねぇ」


「じゃあ何でお前は手が震えている」


「ま、まあこれは寒いからね」


「ふむ」


暖房が効いているので寒い訳がないが。

揺さぶりは失敗か。

いや別に良いんだけどな。

考えながら杉山を見る。


追及も良いかもだが.....。

無理に色々と捩じ込む訳にはいかないだろう。

考えながら俺はそのまま杉山から目を離して見ると。

目の前の奴らはみんな首を振ったりしていた。


「やれやれだね」


「そうですね」


「いやいや。私は、も、もう!」


杉山は赤面する。

俺はその姿に苦笑した。

それから見ていると鼻血をまた出した。

七色さんが、である。

そして手を交差させて目にハートマークを浮かべた。


「つ、ツンデレ.....!」


「いやいや」


そんな感じで取り敢えず.....収拾がつかなくなったので俺は言い聞かせてから。

迷惑になるのでとみんなで椅子に腰掛ける。

そして改めて全員を見てみる。


うーん。こんないきなり告白合戦になるとはな、と思いながら。

さてどうしたものか。

俺の事を朝日が好いているとは.....。

朝日じゃなくて凛花なら分かるが、だ。

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