哲学魔王の【辞書】

２．中節

━─━─ № 2-105 (424) ─━─━

　　〖もとめる〗（マ下一段動詞）

【求（もと）める】　 #661

　｟自動｠〈要求する〉の意。

【須（もと）める】⚠　 #662

　｟他動｠〈必要とする〉の意。

【要（もと）める】⚠　 #663

　｟自動｠〈会計する〉の意。

【索（もと）める】⚠　 #664

　｟自動｠〈捜（そう）索（さく）する〉の意。

━─━─ № 2-107 (426) ─━─━

　　〖しばしば〗〖たびたび〗（副詞）

【屢（しばしば）】【屢（しば）〻（しば）】【屢（しばし）ば】【屢（し）ばしば】⚠　 #665

　〈何度も〉〈繰り返して〉〈高頻（ひん）度（ど）で〉の意。

　〔時（し）分（ば）時（し）分（ば）〕との原語を一字集約したものであるため｛々（同の字点）｝は付かない。

【頻（たびたび）】【頻（たび）〻（たび）】【頻（たびた）び】【頻（た）びたび】⛏⚠　 #666

　〈何度も〉〈繰り返して〉〈高頻（ひん）度（ど）で〉の意。

　〔度（たび）々（たび）〕との原語を一字集約したものであるため｛々（同の字点）｝は付かない。

━─━─ № 2-109 (428) ─━─━

　　〖いただく〗（カ五段動詞）

【戴（いただ）く】⚠　 #667

　〈高台に載せる〉〈頭にのせる〉の意。

　転じて〈敬（うやま）う〉〈君主に仕える〉の意。

　さらに転じて〈恭（うやうや）しく貰（もら）う〉の意。

　語源は〝山の頂（いただき）のようにして崇（あが）める〟ことから〔頂（いただき）〕。

　なお「頂（いただき）」の組成は〔最（い）高（た）甚（た）き〕。

　使用頻（ひん）度（ど）のわりに常用の読みではないので注意。

【頂（いただ）く】✗　 #668

　字義不相応のため［戴（いただ）く］を遣うことを推（すい）奨（しょう）する。

　語源が「いただき」ではあるとはいえ、〔頂〕は飽くまで〈物のいちばん高いところ〉〈突出したところ〉の意であり、［戴（いただ）く］の意は無い。

━─━─ № 2-111 (430) ─━─━

　　〖ちょうだい〗✗（サ変名詞）

【頂（ちょう）戴（だい）】✗　 #669

　語義不相応のため［戴（いただ）く］を遣うことを推（すい）奨（しょう）する。

　この表記では〈載せられた頂上（⁉）〉のような意となる。

　おそらくは誤用語「頂（いただ）く」に起因する日本語独自の造語であり、漢語であれば「収（しゅう）到（とう）〈受け取る〉」「収（しゅう）致（ち）〈受け取った〉」のようになる。

━─━─ № 2-113 (432) ─━─━

　　〖あつまる〗（ラ五段動詞）

【集（あつ）まる】　 #670

　｟他動｠〈多数のものが寄ってくる〉の意。

　なお〔集〕は〈隹（とり）が木にあつまる〉の意。

【輯（あつ）まる】⚠　 #671

　｟自動｠〈複数の目的物が入手される〉の意。

　なお〔輯〕は〈車であつめる〉の意。

━─━─ № 2-115 (434) ─━─━

　　〖ごっこ〗（名詞）

【互（ご）乎（っこ）】⚠⛏　 #672

　〈交互に交代すること〉〈遣り合い〉の意。

　転じて〈複数人で何らかの真似をすること〉の意。

━─━─ № 2-117 (436) ─━─━

　　〖ひたすら〗（副詞）

【直（ひた）尽（す）ら】【直（ひ）たすら】⚠⛏　 #673

　〈もっぱら集中して〉〈その状態に終始して〉の意。

　「ひたすがら」との云（い）い回しがみられることもあり、〈何かに始終すること〉の意の「尽（すが）ら」を当てた「直（ひた）尽（すが）ら」が約（つづ）まった表現、との解釈を提案するもの。

【只管（ひたすら）】⚯✗　 #674

　語義不相応のため［直（ひ）たすら］を遣うことを推（すい）奨（しょう）する。

　この表記では〈単なる管（くだ）〉の意となる。

　相当する漢語〔只（ヂー）管（グァン）〕がそのまま熟字訓とされたが、｛管（グァン）｝は〔貫（グァン）〕の当て字であって〈竹のくだ〉の意の〔管〕は不適切。

　かつ、［直（ひた）尽（す）ら］で通用するのに漢語由来のほうをわざわざ｛只貫（ひたすら）｝と訂正する必要性も薄い。

　なお｛只管｝一体での熟字訓であり｛只（ひた）｝｛管（すら）｝という読みをする理由は無い。

【一向（ひたすら）】⚯✗　 #675

　「一（いっ）向（こう）」と紛らわしいため［直（ひ）たすら］を遣うことを推（すい）奨（しょう）する。

　〈直（ひた）向（む）き〉の意。

　なお｛一向｝一体での熟字訓であり｛一（ひた）｝｛向（すら）｝という読みをする理由は無い。

━─━─ № 2-119 (438) ─━─━

　　〖こく〗（カ五段動詞）

【扱（こ）く】⚠　 #676

　〈脱穀する〉の意。

　転じて〈痩（や）せ衰えさせる〉の意。

　さらに転じて〈苛（か）酷（こく）な扱いをする〉の意。

【放（こ）く】⚠　 #677

　〈放出する〉〈放言する〉の意。

【倒（こ）く】【転（こ）く】⚠　 #678

　〈転倒する〉の意。

　おそらくは〝体を放り出す〟ことから。

━─━─ № 2-121 (440) ─━─━

　　〖せき〗（名詞）

【席（せき）】　 #679

　〈すわるところ〉〈あらかじめ用意されている椅（い）子（す）〉の意。

　転じて〈役職〉〈地位〉の意。

　「post（ポスト）」とほぼ同義であるが、これは厳密には〈後に来るもの〉〈跡（あと）に出来たもの〉転じて〈後（あと）釜（がま）〉の意であって、「郵便（ポスト）」も〈運送経路に後からできた施設やサービス〉を指し、また〈後置詞〉も「postfix（ポストフィクス）」と呼ばれる。

　似た言葉に「座（ざ）」があるが、こちらは〈あらかじめ存在する〉との意味合いを持たず、そのため例えば、〈成り上がって市民権を獲得した集団〉を「一（いち）座（ざ）」とは云（い）うが「一（いっ）席（せき）」とは云（い）わない一方、「部長の席」は「部長の座」とも云（い）い換えれる。

━─━─ № 2-123 (442) ─━─━

　　〖だ〗（副助詞）

【如（だ）】⚠⛏　 #680

　〈それの如（ごと）し〉〈それそのもの〉の意。

　転じて〈それっぽっち〉〈それですべて〉の意。

　何かを述べた文末に付く「〜だ。」が｛〜如（だ）。｝に相当するもの。

━─━─ № 2-125 (444) ─━─━

　　〖だに〗（副助詞）

【如（だ）に】⚠⛏　 #681

　〈そうであるのに〉〈それすら〉の意。

　｛だに｝でひとつの副助詞とされ、その考え方自体は妥（だ）当（とう）にしても飽くまで便（べん）宜（ぎ）上のルールにすぎず、それをもって〝｛だ｝と｛に｝に分解することはできない〟とする説がみられるが、これは〝「睫（まつげ）」を｛目（ま）の（つ）毛（げ）｝に分解することはできない〟と言うも同然で、しかし現にこうして分解できるので根拠に欠けるどころか、その禁則は日本語の理解をおおきく妨げるものと思われる。

━─━─ № 2-127 (446) ─━─━

　　〖すいすい〗〖すらすら〗〖やすやす〗（名容詞）

【綏（すい）々（すい）】【綏（す）いすい】【綏（すら）々（すら）】【綏（す）らすら】【綏（やす）々（やす）】【綏（や）すやす】⚠⛏　 #682

　〈気持よく軽そうに〉〈引っ掛かるところなく〉の意。

━─━─ № 2-129 (448) ─━─━

　　〖そなえる〗（ワア下一段動詞）

【備（そな）える】　 #683

　〈備蓄する〉〈準備する〉の意。

【具（そな）える】⚠　 #684

　〈具有する〉〈身体に機能として持つ〉の意。

　こちらの意味で［備（そな）える］と表記するのは字義不相応。

【供（そな）える】⚠　 #685

　〈貴前に対して物品をつつしんで差し上げる〉の意。

━─━─ № 2-131 (450) ─━─━

　　〖いらだつ〗（タ五段動詞）

【悁（いら）立（だ）つ】⚠⛏　 #686

　〈｟不快感などによって｠落ち着かなくなる〉の意。

【苛（いら）立（だ）つ】⚠✗　 #687

　語義不相応のため［悁（いら）立（だ）つ］を遣うことを推（すい）奨（しょう）する。

　この表記では〈煩（わずら）わしい刺激の感覚が発生する〉の意となる。

━─━─ № 2-133 (452) ─━─━

　　〖しごく〗（カ五段動詞）

【強（し）扱（ご）く】⚠　 #688

　〈苛（か）烈（れつ）な扱いをする〉の意。

【扱（しご）く】⚠✗　 #689

　字義不相応のため［強（し）扱（ご）く］を遣うことを推（すい）奨（しょう）する。

　〔扱〕に〈強く〉の意は無い。

━─━─ № 2-135 (454) ─━─━

　　〖しょう〗（副助詞的名詞）

【相（しょう）】【相（ぞう）】　 #690

　〈目に見えるもの〉の意。

転じて〈現れた姿や状態〉〈事実〉〈向き合った人〉〈人を助ける人〉の意。

【象（しょう）】【象（ぞう）】✗　 #691

　字義不相応のため［相（しょう）］［相（ぞう）］を遣うことを推（すい）奨（しょう）する。

　〔象〕は単純に〈｟動物の｠ゾウ〉の意。

　〝気（き）相（しょう）（✗気象）〟とか〝現（げん）相（しょう）（✗現象）〟とか、〔相〕なんてべつに難しい字じゃないのにどうして当て字した。

━─━─ № 2-137 (456) ─━─━

　　〖きちり〗〖きっちり〗（サ変名容詞）

【詰（きち）り】【詰（きっち）り】⚠　 #692

　〈きちんと〉の意。

━─━─ № 2-139 (458) ─━─━

　　〖えらぶる〗（ラ五段動詞）

【偉（えら）勢（ぶ）る】⚠⛏　 #693

　〈根拠関係なく偉そうにふるまう〉の意。

　とんでもない奴である。

━─━─ № 2-141 (460) ─━─━

　　〖みづから〗〖みずから〗〖おのづから〗〖おのずから〗（副詞的名詞）

【自（みづか）ら】【自（みずか）ら】　 #694

　〈自分〉〈自分から〉の意。

　組成は〔身（み）つ柄（から）〕であり、［つ］は「の」同等の格助詞〈つ〉の音（おん）韻（いん）変化、［柄（から）］は〈訳（わけ）柄（がら）〉〈由（ゆ）来（らい）〉の意。

【自（おのづか）ら】【自（おのずか）ら】⚠✗　 #695

　語義不相応となる場合が想定されるため［自（みづか）ら］を遣うことを推（すい）奨（しょう）する。

　組成は〔己（おの）つ柄（から）〕だが、理由は不明であるものの〈自然と〉との意味合いを特に含ませて遣われる語であり、その場合に語義が字義に含まれない意を持つ事になる。

　妥（だ）協（きょう）案としては｛己（おの）然（ず）から｝との表記に改めるか、あるいはそのまま「自（し）然（ぜん）と」と表記するなどが考えられる。

☞ 国が〝全ての｛ぢ｝｛づ｝は｛じ｝｛ず｝と書いてよい〟との御触れを出しており、そのお蔭（かげ）で｛みずから｝のような表記が通用できているだけであって、本来は｛みづから｝である。

　訓読みにおける｛じ｝｛ず｝は、一部をのぞく大半で｛ぢ｝｛づ｝のほうが本来的であり、たとえば｛ず｝から格助詞「つ」へたどり着くのがやや難しいように、この違いは語の組成を追うとき非常に重要になる。

　逆に、そんな細かく区別するつもりは無いという場合、何も考えずにすべての｛ぢ｝｛づ｝を｛じ｝｛ず｝と書いてよく、それに対してツッコミを入れてくる無知ムチ誤用警察は生温かく見守ってあげればよい（

━─━─ № 2-143 (462) ─━─━

　　〖はがん〗（サ変名詞）

【破（は）顔（がん）】　 #696

〈作っていた表情がゆるむこと〉の意。

　転じて〈相好を崩すこと〉の意。

　ここでの［顔］は本来〈作った顔〉を言うもののため、〝後者の意で云（い）うのは誤りで〈微笑〉を指すものだ〟とする説が大半だが、字（じ）面（づら）だけ眺（なが）めればむしろ〝〈作った〉〈微笑〉のほうが一体どこから出てきたのだ〟という話であり、どちらかと言えば転じての意のほうがより妥（だ）当（とう）な解釈かと思われる。

　「破顔一笑」「破顔微笑」など、ちゃんと四字熟語で書くならまだ解（わか）るんだけどね？

━─━─ № 2-145 (464) ─━─━

　　〖だつらつ〗⛏（サ変名詞）

【脱（だつ）埒（らつ）】⚠⛏　 #697

　〈枠（わく）組（ぐ）みからはずれていること〉の意。

━─━─ № 2-147 (466) ─━─━

　　〖りょだん〗（名詞）

【旅（りょ）団（だん）】　 #698

　〈戦闘集団〉〈軍隊〉の意。

　なお〔旅（リュ）〕は〈旅（はた）〉〈旗（はた）頭（がしら）〉〈旗（はた）本（もと）〉転じて〈旅（いくさ）〉〈戦（いくさ）〉の意だが、〈遠征軍〉の意から転じて〈旅（たび）〉の意も持つようになったものと想像される。

　「いくさ」の組成は〔射（い）交（く）し矢（や）〕であり、昔の日本では矢という武器に重きが置かれていた事がうかがえるもので、実際にも和弓は機巧のない長弓としては世界最凶で、飛距離だけなら四百㍍くらいは平気で飛ばしていたとされ、また矢羽根も矢がよく回転して飛ぶように取りつけられ殺傷力を高めていたとされる。

　「旅（はた）」は〈戦（せん）旗（き）〉の意であり、軍の先導を務める者がこれを掲げるもので、その役目を果たす「旗（はた）本（もと）」は重役と言える。

　一方「旅（たび）」は「旅（はた）」とは別語であり、その組成は〈その地を離れる〉〈遠方〉の意の〔外（た）辺（べ）〕で、〈旅（りょ）宿（しゅく）〉の意の「旅（はた）籠（ご）」は、〈行軍の際に人を運ぶ籠（かご）〉が〈旅（たび）の宿〉の意に拡大解釈されたもの。

　ちなみに〈旅（たび）〉の意の英語「travel（トラベル）」も、〈三本杭（くい）の拷（ごう）問（もん）具〉の意のラテン語〔trepalium（トリパリウム）〕を語源として〈苦労〉の意のフランス語「travail（トラバーユ）」を経て成った語であり、昔の時代において旅（たび）とはそんなバカンス粧（め）いた気楽なものではなかった事が窺（うかが）える。

━─━─ № 2-149 (468) ─━─━

　　〖いさお〗（名詞）

【績（いさお）】⚠　 #699

　〈実績〉〈実際にやり遂げた事柄〉の意。

　これが一番大事であと二つはどうでもいいやつ（

【功（いさお）】⚠　 #700

　〈手柄〉〈績（いさお）がよいように評価されること〉の意。

　実績に適応しない評価手順では当然ながら正常な評価結果が出ないが、大体の場合において実際に存在するのは実績に適応しない評価手順である。

【勲（いさお）】⚠　 #701

　〈褒（ほう）章（しょう）〉〈功（いさお）により褒（ほう）美（び）が得られること〉の意。

　正味、大抵の場合においては評価手順が適切ではなく、褒（ほう）章（しょう）を用意することによる振興作用よりも、それが不当と受け取られたり妬（ねた）まれることによる弊（へい）害（がい）のほうが大きいと思われるもの。

☞ 組成は〔勇（いさ）雄（お）〕。

━─━─ № 2-151 (470) ─━─━

　　〖むだ〗（名容詞）

【徒（むだ）】⚠　 #702

　〈なんの役に立たないこと〉の意（冗（むだ）とは限らない）。

【冗（むだ）】⚠　 #703

　〈餘（よ）計（けい）の部分が生じること〉の意（徒（むだ）とは限らない）。

【贅（むだ）】⚠　 #704

　〈徒（むだ）な冗（むだ）〉の意（最悪だなおい）。

【無（む）駄（だ）】✗　 #705

　語義不相応のため遣うことを推（すい）奨（しょう）しない。

　この表記では〈愚者を含まない（⁉）〉のような意となる。

☞ 語源は〔虚（むな）〕。

━─━─ № 2-153 (472) ─━─━

　　〖なま〗〖き〗（副詞的名詞）

【生（なま）】【生（き）】　 #706

　〈手が加えられていない〉〈裸〉〈純粋〉〈世間摺（ず）れしていない〉の意。

【鈍（なま）】⚠　 #707

　〈鈍重であるさま〉の意。

【訛（なま）】⚠　 #708

　〈口調が不器用であるさま〉の意。

【奇（なま）】⚠⛏　 #709

　〈半端〉〈半可〉〈普通の尺度で量れない〉〈珍しい〉〈不思議〉〈優れている〉の意。

　以上の意を、〈手が加えられていない〉が字義の〔生〕に当てるのは不相応ではないかと疑われたため、丁度その字義を持つ〔奇〕に新しい読みを提案するもの。

　ちなみに「奇（き）数（すう）」は〈半端な数〉の意、一方で「偶（ぐう）数（すう）」は本来「耦（ぐう）数（すう）」であり〈二つが連れ合う数〉の意、〔耦〕は〈二つが向って並ぶ〉の意。

━─━─ № 2-155 (474) ─━─━

　　〖ていちょう〗（名容詞）

【鄭（てい）重（ちょう）】⚠　 #710

　〈礼儀正しいこと〉〈注意が行き届いていること〉の意。

【丁（てい）重（ちょう）】✗　 #711

　語義不相応のため［鄭（てい）重（ちょう）］を遣うことを推（すい）奨（しょう）する。

　この表記では〈重量が丁度であるさま〉のような意となる。

　〔丁〕は単なる〈数の単位〉転じて〈端数がないこと〉の意。

　｛丁｝の字が登場したなら〔釘（くぎ）〕｛牒（きふだ）〕｛幀（したてる）〕｛挺（ぬきんでる）〕｛叮（ねんごろ）〕｛鄭（れいぎただしい）〕の当て字ではないかとまず疑うべき。

━─━─ № 2-157 (476) ─━─━

　　〖ありさま〗（名詞）

【況（ありさま）】⚠　 #712

　〈外から見ることのできる物事の状態〉〈物事の全体的な様子〉の意。

　原語は〔有（あり）様（さま）〕。

━─━─ № 2-159 (478) ─━─━

　　〖もったい〗（名詞）

【物（もっ）体（たい）】⚠　 #713

　〈物々しい体裁〉〈物の品位〉の意。

【勿（もっ）体（たい）】⚠✗　 #714

　語義不相応のため［物（もっ）体（たい）］を遣うことを推（すい）奨（しょう）する。

　この表記では〈体裁づけることを禁じること〉のような意となる。

　〝「勿（もっ）体（たい）無（な）い」との二重否定により意を強めるもの〟との解釈も存在するが、その場合〝もったいをつける〟との語が説明不能になる。

　いや｛牜｝とは略さねばならないほど、庇（かば）わないでいいものを庇（かば）わずにいれないほど煩（はん）雑（ざつ）なものだろうか……。

━─━─ № 2-161 (480) ─━─━

　　〖ちょこちょこ〗〖ちょくちょく〗（副詞）

【些（ちょ）乎（こ）ちょこ】【些（ちょ）乎（く）ちょく】⚠　 #715

　〈ちょっとの間に何度も繰り返して〉の意。

━─━─ № 2-163 (482) ─━─━

　　〖そば〗〖きょうばく〗（名詞）

【側（そば）】⚠　 #716

　〈側近〉〈ごく近い距離にある密接な関係のもの〉の意。

　使用頻（ひん）度（ど）のわりに常用の読みではないので注意。

【傍（そば）】⚠　 #717

　〈路傍〉〈とくに関係はないが近い距離にあるもの〉の意。

　使用頻（ひん）度（ど）のわりに常用の読みではないので注意。

【稜（そば）】⚠　 #718

　〈物の角（かど）が立っている状態〉の意。

【蕎麦（そば）】⚯　 #719

　〈タデ科ソバ属の一年草〉の意。

　語源は〝稜（そば）立（だ）った実をつける〟ことから〔稜（そば）麦（むぎ）〕。

　工夫せずに食すとあまり食感がよろしくない事から、かつては貧乏人の食材とされていた。　

　なお〝〈蕎麦（そば）を脱穀したあとの殻（かす）〉すなわち「蕎麦（そば）殻（かす）」に似ること〟が「雀斑（そばかす）」の語源。

【蕎（きょう）麦（ばく）】⚠　 #720

　〈蕎麦（そば）〉の意。