１９．慕心　～より

━─━─ № 19-1 (2,304) ─━─━

　　〖しかと〗（副詞）

【聢（しか）と】【確（しか）と】⚠　 #2,410

　〈間違いが無く確かであるさま〉の意。

　原語は〔強（し）来（か）〕と思われる。

━─━─ № 19-3 (2,306) ─━─━

　　〖あてずっぽう〗（名詞）

【当（あ）て推（ずっ）法（ぽう）】⚠⛏　 #2,411

　〈行為に根拠が何も無いさま〉の意。

━─━─ № 19-5 (2,308) ─━─━

　　〖おんなのかん〗（名詞）

【女（おんな）の勘（かん）】⚠⛏　 #2,412

　〈｟特にパートナーについての｠男性に対する鋭い洞（どう）察（さつ）〉の意。

　すげえ当たるこわい（

━─━─ № 19-7 (2,310) ─━─━

　　〖きり〗（名詞）

【限（き）り】⚠　 #2,413

　〈物事の終了や中断をする目安となるもの〉〈限度〉の意。

━─━─ № 19-9 (2,312) ─━─━

　　〖つぼ〗（名詞）

【経穴（つぼ）】⚠　 #2,414

　〈気（き）血（けつ）の開口部〉の意。

　転じて〈刺激されると過（か）剰（じょう）な反応を示してしまう部分〉の意。

　語源は〔窄（つぼ）〕。

　「気（き）血（けつ）」とは〈精神エネルギー〉の意であり、また〈気（き）血（けつ）の通り道〉を「経（けい）絡（らく）」、〈気（き）血（けつ）の体外への連絡口〉を「経（けい）穴（けつ）」と呼ぶもの。

　この経（けい）穴（けつ）を刺激することで体調を良くも悪くも操作できるとするのが東洋医学であり、これがまた機序も解明されていないのに本当に操作できるのヤヴァイ。

　なお熟練した鍼（しん）灸（きゅう）師は、問（もん）診（しん）をせずとも触（しょく）診（しん）のみで経（けい）穴（けつ）の状態が読み取れ、〝ここ刺激してやりゃとりあえず健康になるだろ〟とか判（わか）るらしいのもっとヤヴァイ。

　『高度に発達した医学は魔法と区別がつかない』とは云（い）うけど、どちらかと言えばこっちでしょ魔法、、

　なお「土（ど）壷（つぼ）に嵌（は）まる」の「土（ど）壷（つぼ）」は〈肥（こえ）溜（だ）め〉の意であって［経穴（つぼ）］とは関係なく、｛ど経穴（つぼ）に嵌（は）まる｝との表記は誤り。

━─━─ № 19-11 (2,314) ─━─━

　　〖におう〗（ワア五段動詞）

【臭（にお）う】⚠　 #2,415

　｟他動｠〈臭（しゅう）気（き）が感じられる〉の意。

　転じて〈悪（あく）臭（しゅう）が感じられる〉の意。

【匂（にお）う】⚠　 #2,416

　｟他動｠〈芳香が感じられる〉の意。

【嗅（にお）う】⚠　 #2,417

　｟自動｠〈臭（しゅう）気（き）を嗅（か）ぐ〉の意。

　転じて〈臭（しゅう）気（き）の識別や評価をする〉の意。

　関西方面での方言とされるが、字義からすれば標準的な語であり、逆に〈臭（しゅう）気（き）が感じられる〉の意で「臭（にお）わう」と云（い）う形でないと不自然なのではないかと疑われる。

━─━─ № 19-13 (2,316) ─━─━

　　〖くぬえそう〗〖くんいそう〗（名詞）

【薫（くぬ）衣（え）草（そう）】【薫（くん）衣（い）草（そう）】⚠　 #2,418

　〈シソ科lavandula（ラヴァンドラ）属の半（はん）木（もく）本（ほん）性植物〉〈lavender（ラヴェンダー）〉の意。

　鎮静効果があり、「aromatherapy（アロマセラピー）（芳香療法）」用の薬草として積極的に活用される。

　入浴剤にも用いられたことから、「lavender（ラヴェンダー）」は〈洗う〉の意のラテン語〔lavare（ラヴァーレ）〕を語源とする。

　なお〈茎（くき）の部分が半永久的に成長するため年輪として形成層が現れる植物〉を「木（もく）本（ほん）」、〈茎（くき）が一定の成長を遂げるとそれ以上成長しなくなり形成層が現れない植物〉を「草（そう）本（ほん）」と呼び、「半（はん）木（もく）本（ほん）」はそのどっちつかずの事だが、生物学的には絶対的な区別が無く、結局は人が〝草〟と呼んだ物が「草」で〝木〟と呼んだ物が「木」であるとのこと。

　というわけで、〝木（もく）本（ほん）由来を「果物」、草（そう）本（ほん）由来を「野菜」と呼び分ける〟との定義にも実は意義など無く、やはり人が〝果物〟と呼んだ物が「果物」で〝野菜〟と呼んだ物が「野菜」。

　ところで〔果〕は〈木の実〉なので「果物」は間違いなく〈木に実った物〉の意であるものの、一方で〔野〕は〈未開〉〈下（げ）賎（せん）〉、〔菜〕は〈采（と）った草〉転じて〈作物〉〈おかず〉なので、結果として「野菜」は〈下（げ）賎（せん）な作物〉〈粗末な食べ物〉の意となるはずだから、高級野菜を指して云（い）うのはちょっと違うんですよねえセンパイ（

━─━─ № 19-15 (2,318) ─━─━

　　〖かたじけない〗（形容詞）

【忝（かたじけな）い】⚠　 #2,419

　〈大変もったいない〉〈大変ありがたい〉の意。

【辱（かたじけな）い】⚠　 #2,420

　〈大変恥ずかしい〉〈大変申し訳ない〉の意。

☞ 組成は〈畏（おそ）れ多い〉の意の〔難（かた）如（し）気（け）無（な）し〕であり、「難（かた）如（し）気（け）」は〈厳格であるさま〉の意。

━─━─ № 19-17 (2,320) ─━─━

　　〖ことさら〗（副詞）

【故（ことさ）ら】⚠　 #2,421

　〈故（わざわ）ざ〉〈故意に〉〈なかでも〉〈特（とりわ）け〉の意。

　原語は〔殊（こと）更（さら）〕。

━─━─ № 19-19 (2,322) ─━─━

　　〖いれる〗（ラ下一段動詞）

【淹（い）れる】⚠　 #2,422

　〈ものを水に浸（ひた）す〉の意。

　転じて〈茶を水出しする〉の意。

　さらに転じて〈茶を湯出しする〉の意。

　例えば麦茶のような、火に掛けての〈茶を煮出す〉は「煎（せん）じる」であって当該語には相当しないため、安易にきどって誤用するよりは「茶を入れる」「茶を点（た）てる」と表記したほうがいい。

━─━─ № 19-21 (2,324) ─━─━

　　〖ほうが〗⛏（名詞）

【芳（ほう）香（が）】⚠⛏　 #2,423

　〈芳（ほう）香（こう）〉の意。

　なんとなくそう読みたいときもある（

━─━─ № 19-23 (2,326) ─━─━

　　〖あまはぎく〗（名詞）

【甜（あま）葉（は）菊（ぎく）】⚠　 #2,424

　〈キク科stevia（ステヴィア）属の多年草〉〈甜（てん）菊（ぎく）〉〈stevia（ステヴィア）〉の意。

　ステビアから得られた甘味料は、砂糖の二百倍以上の甘覚を得れるとされ、また糖質ではなく消化不能の配糖体であるからゼロカロリー、かつ際立った有害性がなく天然素材でもあるため根強い人気を博しているもの。

　ほか、糖尿病悪化の主原因である「インスリン抵抗性」を直接改善する効果がある、との研究結果が発表されているため、期待したいところ。

　ただ、消化不能ゆえに腹下しを起こす作用も認められるため、甘味料にステビアを使った飲料はカロリー気にならないからと言ってガブ飲みしてはいけない。

　なお一時話題になった「xylitol（キシリトール）」は糖アルコールなので同量の砂糖の四分の三ほどのカロリーが有り、またインスリン過（か）剰（じょう）分泌による低血糖という無視できない有害性が疑われ、糖尿病性神経障害をひき起こすため糖尿病患（かん）者（じゃ）には禁忌とされるほか、期待されがちな虫歯予防効果は唾（だ）液（えき）の多分泌によるものでキシリトール自体は関与しない事が判（わか）っている。