哲学魔王の【辞書】

１０．軋轢 ～より

１０．前節゠１／２

━─━─ № 10-1 (1,564) ─━─━

　　〖すてき〗（名容詞）

【素（す）的（てき）】⚠⛏　 #1,816

　〈非常にすぐれていて印（いん）相（しょう）がいい〉〈とてもすばらしい〉の意。

　江（え）戸（ど）時代に「素（す）」が〈超〉〈優〉〈秀〉の意の誇張として遣われ始め、それに伴って〈超的〉〈優秀的〉のような意味合いで「素（す）的（てき）」と云（い）われたのが起源とされる。

【素（す）敵（てき）】✗　 #1,817

　語義不相応のため遣うことを推（すい）奨（しょう）しない。

　この表記では〈ものすごく敵（‼）〉のような意となる。

　そもそも［素（す）的（てき）］でなんの問題も無いように思うんだけど、これ最初に｛敵｝って書きやがった奴は結局誰（だれ）よ。

━─━─ № 10-3 (1,566) ─━─━

　　〖ます〗（サ五段動詞）

【参（ま）す】⚠⛏　 #1,818

　〈下の者が上の者にものを言う〉の意。

　転じて〈意見を述べるときの掛け声〉の意。

　へりくだった云（い）い回し。

　原語は〔参（まい）らす〕。

━─━─ № 10-5 (1,568) ─━─━

　　〖おや〗（感嘆詞）

【噫（お）耶（や）】⚠⛏　 #1,819

　〈これは意外〉の意。

　不思議の意の場合に言う掛け声。

　なお〔噫〕は〈強い情動〉、〔耶〕は〈疑問〉を表す感嘆語。

━─━─ № 10-7 (1,570) ─━─━

　　〖ほう〗（感嘆詞）

【唔（ほう）】⚠⛏　 #1,820

　〈なるほどそうか〉の意。

　感（かん）銘（めい）の場合に言う掛け声。

　なお〔唔〕は〈放心〉〈口ごもり〉を表す感嘆語。

━─━─ № 10-9 (1,572) ─━─━

　　〖きりりと〗（副詞）

【鑚（きり）りと】⚠　 #1,821

　〈強くひきしまっていてゆるみのないさま〉の意。

　なお〔鑚〕は〈切ったり削ったり穴を開けたりする工具の総称〉、転じて〈とぎすます〉の意。

━─━─ № 10-11 (1,574) ─━─━

　　〖でしょう〗（副助詞）

【で然様（しょう）】⚠⛏　 #1,822

　〈そのような様子だ〉〈そのような傾向だ〉の意。

　転じて〈推量を述べるときの掛け声〉の意。

　〔です様（よう）〕の音便。

　なお「です」は「如（で）然（す）」と書けるが、実際の文章にこれを適用するとさすがに煩（うるさ）くなりすぎるので避ける事とした。

━─━─ № 10-13 (1,576) ─━─━

　　〖きっと〗（副詞）

【屹（きっ）と】⚠　 #1,823

　〈厳しい面（おも）持（も）ちになるさま〉〈ゆるがない態度であるさま〉の意。

　転じて〈必ずや〉の意。

　なお〔屹〕は〈そびえたつ〉転じて〈周囲に影響されることなく孤高を保っているさま〉の意。

━─━─ № 10-15 (1,578) ─━─━

　　〖ぼやく〗（カ五段動詞）

【謐（ぼや）く】⚠　 #1,824

　〈ぐずぐず言う〉〈小言を言う〉の意。

　なお〔謐〕は字義として〈静か〉〈安らか〉の意であり、それが転じて〈聴こえないような小声で言う〉〈こっそり言う〉と解されてこの語に当てられたものと考えられる。

━─━─ № 10-17 (1,580) ─━─━

　　〖から〗（名詞）

【柄（から）】⚠　 #1,825

　〈目的〉〈目標〉〈わけ〉の意。

　転じて〈であるので〉の意。

【類（から）】⚠　 #1,826

　〈種類〉〈くくり〉の意。

【輩（から）】⚠　 #1,827

　〈種族〉〈仲間〉の意。

【自（か）ら】⚠　 #1,828

　〈作用の起点〉の意。

【乃（か）ら】⚠　 #1,829

　〈範囲の起点〉の意。なお「乃（の）」が格助詞「之（の）」の代用とされる例がよくみられるが、これは〔乃〕の字にカタカナの｛ノ｝が含まれる事から連想された当て字かつ当て読みで、この字自体はそんな読みも字義も持たない。

━─━─ № 10-19 (1,582) ─━─━

　　〖め〗（副助詞的名詞）

【奴（め）】⚠　 #1,830

　〈捕らえた女〉〈しもべの女〉の意。

　転じて〈召遣い〉〈こきつかい〉〈いやしい者〉〈いけすかない者〉の意。

　へりくだった云（い）い回し。

　憎たらしい人について「あいつめ」としばしば呼ばわるが、これは漢字にすると｛彼（あ）奴（いつ）奴（め）｝になるから気を付けろ（気を付けようが無い）。

━─━─ № 10-21 (1,584) ─━─━

　　〖あいさつ〗（サ変名詞）

【挨（あい）拶（さつ）】⚠　 #1,831

　〈節目で交わす合図〉の意。

　相手の様子を察したり自分の状態を伝えたりする目的のもので、かつ合図であるから「鳴き声」と同じ物と言える。

　つまり遣われている語自体に意味は無いため、例えばどんな時間帯に〝おはよう〟と言っても不適切にはならないが、お互いの状態を把（は）握（あく）し合うことで円滑に社会運営をするためのコミュニケーションであるので、〝この場合はこう言うこと〟との規定を無視すれば社会性が無いとみなされ、疎（そ）外（がい）を受けて不利益をこうむる可能性が高いから、みんな挨（あい）拶（さつ）はきちんとしようね。

　〔挨〕は〈押して開く〉、〔拶〕は〈すり寄って迫る〉の意であるから、そのままでは〈押し開いて迫る〉などと意味が通らないが、元々は〈問答によって相手の程度を察すること〉の意の〔一（いち）挨（あい）一（いっ）拶（さつ）〕であり、つまり当該語は〈一挙一動〉を「挙動」とするのと同様の略語だという事になる。

　よく考えたら「挙動」も、読んで字のごとく解釈したら〈動作を挙げる〉とか意味不明な感じになるんよな、、、

━─━─ № 10-23 (1,586) ─━─━

　　〖てきぱき〗（副詞）

【適（てき）白（ぱき）】⚠　 #1,832

　〈物事を手ぎわよく次から次へと処置するさま〉の意。

━─━─ № 10-25 (1,588) ─━─━

　　〖かしらざかん〗〖とうもく〗（名詞）

【頭（かしら）目（ざかん）】【頭（とう）目（もく）】⚠⛏　 #1,833

　〈主君に仕える者らの首領〉の意。

　「目（さかん）」の組成は〈主（あるじ）の佐（たす）けとなる者〉の意の〔佐（さ）官（かん）〕。

　なお〝右から左へ〟との序列則のため「佑（ゆう）官（かん）」との言葉は成立せず、「佑（たす）け」は〈天や神仏などの超越的な存在による救済〉の意となる。

　この序列則は〝利き腕が右利き主流〟であることに由来し、また右利き主流である理由は〝論理的思考を左脳が担当するため、左脳の管（かん）轄（かつ）である右半身のほうが利きやすいから〟と考えられ、そのため言語野のあまり発達していない〝動物に利き腕という概念は存在しない〟とも謂（い）われる。

　左利きの人の割合は人口に対して約一割とほぼ一定しており、また左利きであることは右脳左脳で役割が分担できていない一種の障（しょう）碍（がい）とも謂（い）われるが、しかし成功者には左利きの人が比較的多く、これは感情を担当する右脳がダイレクトに論理的思考もできるためと想像される。

　ぼくは右利きです（だから何だ

━─━─ № 10-27 (1,590) ─━─━

　　〖かゆ〗（名詞）

【炊（か）湯（ゆ）】⚠　 #1,834

　〈水を多くして穀物を柔らかく炊（た）き込んだ汁（しる）物（もの）〉の意。

　なお〈炊き込むこと〉を「炊（かし）ぐ」と云（い）う。

【粥（かゆ）】⚠　 #1,835

　〈米（こめ）炊（が）湯（ゆ）〉の意。

　〝粥（かゆ）に対し〈通常の白飯〉の事を「強（こわ）粥（がゆ）」と云（い）う〟との説があるが、しかしおそらくは〈普通の儘（まま）の白飯〉を「飯（まま）」、〈糯（もち）米（ごめ）を用いた飯（まま）〉を「強（こわ）飯（まま）」、〈糯（もち）米（ごめ）を用いた粥（かゆ）〉を「強（こわ）粥（がゆ）」と云（い）ったのではないかと疑われる。

　なお「飯（めし）」の語源は〈貴人に献（けん）上（じょう）される飯（まま）〉の意の〔召（めし）〕。

　また〈粥（かゆ）の上澄み汁（じる）〉を「御（お）飯（も）湯（ゆ）」と云（い）い、一方で「重（おも）湯（ゆ）」は当て字であって〈グラグラに沸（わ）かした重水（⁉）〉のような意となる。

　ほか〈粥（かゆ）を献（けん）じること〉を「粥（ひさ）ぐ」と云（い）う。

【食（か）湯（ゆ）】【濃（か）湯（ゆ）】⚠✗　 #1,836

　語義不相応となる場合が想定されるため遣うことを推（すい）奨（しょう）しない。

　この表記ではそれぞれ〈食べる湯〉〈濃（こゆ）い湯〉の意となるが、これには「葛（くず）湯（ゆ）」などの［炊（か）湯（ゆ）］に相当しない物も該当すると考えられる。

【加（か）湯（ゆ）】✗　 #1,837

　語義不相応のため遣うことを推（すい）奨（しょう）しない。

　この表記では〈汁（しる）物（もの）を加える〉の意となる。

━─━─ № 10-29 (1,592) ─━─━

　　〖くえん〗（名詞）

【枸（く）櫞（えん）】⚠　 #1,838

　〈丸（まる）仏（ぶ）手（しゅ）柑（かん）〉〈citron（シトロン）〉の意。

　転じて〈酸味のあるレモン類の総称〉の意。

　正直｛クエン｝って英語かなにかだと思ってた。

━─━─ № 10-31 (1,594) ─━─━

　　〖まろうど〗（名詞）

【客（まろうど）】⚠　 #1,839

　〈めったにいないような人〉の意。

　転じて〈来訪者〉の意。

　語源は〔稀（まれ）人（びと）〕であり、｛まろうど｝はその音便。

━─━─ № 10-33 (1,596) ─━─━

　　〖あぐら〗（サ変名詞）

【悪（あ）坐（ぐら）】⚠　 #1,840

　〈よろしくない座り方〉の意。

　転じて〈無作法〉の意。

　なお「坐（くら）」は〈座るさま〉、ほか「座（くら）」は〈座る場所〉の意で、〔魂（たま）座（くら）〕が「枕（まくら）」の組成。

【胡坐（あぐら）】【胡座（あぐら）】⚯✗　 #1,841

　同義のため［悪（あ）坐（ぐら）］を遣うことを推（すい）奨（しょう）する。

━─━─ № 10-35 (1,598) ─━─━

　　〖しっそ〗（名容詞）

【質（しっ）素（そ）】⚠　 #1,842

　〈手がほとんど加えられておらず元のままの状態をとどめているさま〉〈飾らないさま〉の意。

　転じて〈控え目なさま〉〈贅沢でないさま〉〈安上がりなさま〉の意。

　ネットで以前、икра（イクラ）の茶（ちゃ）漬（づ）けを質素と呼んだ人が、〝それはとても贅沢なことだ〟とか〝傲（ごう）慢（まん）な思い上がりだ〟とかでさんざん叩かれた事があったが、お前らもうちょっと辞書で意味確認してくれと。

━─━─ № 10-37 (1,600) ─━─━

　　〖おっしゃる〗（ラ五段動詞）

【仰（おっしゃ）る】⚠　 #1,843

　〈言う〉の意。

　組成は〔仰（おお）せ存（あ）る〕。

　へりくだった云（い）い回し。

━─━─ № 10-39 (1,602) ─━─━

　　〖たぐう〗（ワア五段動詞）

【類（たぐ）う】⚠⛏　 #1,844

　｟他動｠〈種類が他のものに沿（そ）支（ぐ）わう〉の意。

【比（たぐ）う】⚠⛏　 #1,845

　｟他動｠〈程度が他のものに沿（そ）支（ぐ）わう〉の意。

【例（たぐ）う】⚠⛏　 #1,846

　｟自動｠〈出された条件に該当するものを挙げる〉〈同じ特徴のものを挙げる〉の意。

☞ 組成は〈釣（つ）り合う〉の意の古語〔足（た）支（ぐ）う〕。

━─━─ № 10-41 (1,604) ─━─━

　　〖ういばた〗⛏（名詞）

【初（うい）畑（ばた）】⚠⛏　 #1,847

　〈開（かい）墾（こん）したての畑〉の意。