【 3つ目の選択 】


 中学を卒業後、私は3つ目の大きな選択をした。

 それは、調理師の専門学校へ通い、通常の高校へは行かないという選択だ。


 調理師免許と同時に高校卒業資格を取れる学校へ通った方が、効率が良かったことが大きい。

 これは、大好きな彼のためでもある。


 調理師の免許を取って、美味しいものを沢山作り、美味しいものを彼に沢山食べてもらいたい思いが強かったためだ。


 この選択は、親の稼ぎが悪かったからではない。

 むしろ、公立の高校へ通うよりも、調理師専門学校の方が学費が高かったと思う。


 この専門学校のカリキュラムは非常に面白く、有名なホテルやレストラン、会員制リゾート施設などの厨房でも学ばせてもらえる。

 日本料理、中国料理、フランス料理に、イタリア料理。様々なジャンルの料理を学べるのも私にとってメリットだった。


 素材や器、調理方法、盛り付け方、マナーまで、全て学ぶことができる。

 そして、同時に高校の授業も受けることができ、高校卒業資格も一緒に取れる。


 私は、この専門学校に3年間学び、料理の腕を磨いた。

 その磨いた技術を使い、大好きな彼に料理を作ってあげたんだ。



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