第29話 茉穂の復讐?



泰真と茉穂の結婚は盛大に執り行われた。海外からのCEOや取引先関係

国内の関係者、真智田家の付き合い、友人会社関係


桜子も高見一也と晴音、美亜と山村蒼太夫婦、そしてイギリスから帰った淳弥も来ていた。


淳弥は後1年、転勤が残っている、相当なショックを受けると心配した美亜だったが、淳弥は茉穂と専務の関係を前から知っていたようで、しっかりお祝いを茉穂に言っていた。


泰真の事だ、ぬかりない!

本社から可愛い子を選び出しイギリス支店へ連れて行った。真面目で料理上手で家庭的な女子を仲人をたてて四、五人引き連れて出向いていた。


冒頭で茉穂と結婚する事を伝え諦めさせ、ショック!(꒪╻꒪|||)を受けさせた後可愛い子を紹介した。

約半年前の出来事


そんな淳弥を慰めイギリス支店へと

転勤希望をだした彼女と上手くいっているようだ。


相変わらず湯の屁の様にノホホンとしている茉穂は何もしらない。

しかし


ケチ臭い茉穂がお嬢様だったと知り

友人達は引っ繰り返る程の驚きを見せた。


佐江元拓司もまさか自分が預かった二人が結婚するとは思いもよらなかったと頭をかいた。

勿論アランもエルも雛壇に座りムシャムシャムシャムシャ


茉穂も負けずにムシャムシャムシャムシャ花嫁さんにしては相当な食いっぷり無事誕生日前に籍を入れてお腹は悪阻の始まる3ヶ月に晴れの日を迎えた。


しかし食いしん坊の母親から産まれる赤ちゃんはやはり食いしん坊なのだろう。

茉穂の食欲を見ていたら誰もがそう思う。

ただ食い意地だけ似るのは勘弁してほしいと 泰真は願わずにはいられない。


そして茉穂の願った通り玉のような赤ちゃんが生まれて来るのだろう。

ゲストも妊娠中という事を聞いて納得、微笑ましい式になった。





そう、それはその夜中の事だった。


泰真が目を覚ますと茉穂がベッドに座っていた。


「茉穂」

目を擦り擦り茉穂を呼んだ。


すると茉穂は低いくぐもった声で言った。


「泰さんあなたに合わないように

目印をつけて生まれて来たのに

又私達結婚したんだ・・・」



「泰さん」

その呼び方に覚えがあった。


「茉穂、記憶があるのか?

思いだしたのか?」



茉穂は静かに頷いた。


「思いだした。

あの日も、あの祝言の日も

賑やかに長屋の人が祝ってくれた。


決して豪華では無かったけど皆いい人だった。


泰さんが子育て大変だから私が来て

良かったって私も泰さんが好きだったから親の反対を押し切って・・

なのに・・・

あなたは・・又私を捨てるの?」



泰真は茉穂に寄って行って抱きしめて涙ながらに謝った。


「本当ににすまなかった

俺が馬鹿だった。

前世の事はもう大昔の話だ

決して許してもらえるはずも無いことは、重々承知している。」


泰真は頭をつけて又謝った、どんなに謝っても許されないのは分かっている。


「又あなたに私は捨てられて

子供を取られてしまったら

どうすればいいの?

今度は私の子供なのよ。」



「そんな事はしない!

一生一緒にいる。

俺には茉穂しか居ないんだよ

何回生まれ変わっても茉穂だけだ。

茉穂。愛している

前世でも茉穂が一番だった

他の女は遊びだった。」



「又女遊びするの?

又私は我慢しなきゃダメなの

私は私で、私じゃない!」



「誓うよ

茉穂だけを大事にする」




「え?私じゃない?

どう言うことだよ。」

茉穂の言った意味ありげな言葉の

中に深い疑問がはしる。


「あなたの言うことは

信用しない・・・

一生信用しない

覚えておいてね、

もし、私を泣かせたら

私が目覚めて仕返しする

あなたを奈落の底に落とす。

それくらいの屈辱と後悔を

わたしに与えてくれた

だから会いたく無かった。

今度生まれてくるときは貧乏

な所に嫁がず余裕のある家に

嫁ぐと決めて生まれてきた。」




「俺もそうだ、今度生まれて来る時には茉穂に金銭の心配かけないような男になって茉穂を幸せにすると決めて生まれてきたんだ!」



茉穂はキッと泰真を睨みながら言った。

「ホントならやって見てよ

私が納得するように

幸せにしてみせてよ。」



「勿論だ、あの時代のオレじゃない約束する。

愛してる茉穂!」



「・・・私は

私、…

19の私と今の私、皆違う」



「それでも茉穂は茉穂だ!

償いたい!」




「・・・それは」


茉穂はそう言うと泰真を真っ直ぐ見て、フッと笑うとパタッと倒れて眠ってしまった。



「・・・茉穂、茉穂」




朝になって

「茉穂・・記憶有るんだろ

前世の記憶」

恐る恐る聞いてみた。


茉穂は具だくさんの味噌汁を

ググッーとあおる。

ぷふぁー


「日本人は味噌汁、納豆、鮭、お浸し朝はこうでなくちゃー

日本人で良かった〜」


味噌汁で話が折れたので泰真は又聞いてみる


「茉穂覚えてるのか?前世の

記憶が戻ったんだろ!」


茉穂は呆れながら泰真を見てバッサリ

「は?スピリチュアル

な世界な話、笑笑

ある訳無いじゃん!

記憶?何それキモ

頭大丈夫か?

病院行くかー」


アランもエルも茉穂に食われないようにパクパク食いつく!

アランとエルはアレレ

肉の質がちょっと落ちた気がする

牛肉から鳥胸肉が増えた気もする。

ま、まぁ美味けりゃいいか!


ドックフードは食わない!

健康考えている

アランもエルも今じゃ立派な家族

飯も今は茉穂の手作り、作りながらも茉穂は味見味見又味見

味見は大得意


キュウウーンキュウウーン

茉穂の背中に立ったするアランとエル

ハッハ ハッハ

作るあいだじゅう張り付いている。


そんな様子を泰真は楽しげに見る


昨日の夜の茉穂は暗く冷たい目をしていた。昨日の茉穂と今の茉穂は別人だ、茉穂は俺を嫌い、恨んで死んだのだろう、そんな過去を恨んでいる茉穂にもう一度会ってじっくり話をしたい。


昨日はビビって話が出来なかったから、茉穂がどうやって一生を暮らしたのか知りたかった。


俺はあの日から茉穂を探して探して歩きながら死んだ、最後まで茉穂に謝る為茉穂を探していた。

寒い寒い夜、自棄酒を飲んで凍死した。茉穂の姿を探しながら・・・





「もう遠い、遠い昔の話だ。」



「ね、ね、泰真

街にコーヒー飲みに行こう。」


「そうだな子供産まれたら

外でコーヒーなんて言えなくなるな茉穂はミルクな!!」


茉穂がしたい事はなんでも付き合う

茉穂はコーヒー店の☕️コーヒーの

香りとパンの焼けた匂いが大好き

なのだ、妊娠してから凄く強く

コーヒーの香りをこのんでいる。


勿論飲む気は起きなくて香りを

好んでいる。


あの頃の茉穂は我慢ばかりさせていた茉穂が喜ぶと彼女が喜んでいる気がして・・・そうせずにはいられない。

未だ凍死した日を境にして俺は

あの時代の茉穂を探している。


しかし彼女は茉穂の意識の中で

眠っている。


今度茉穂が目覚める時は

俺が今の茉穂を泣かせた時

言い訳は出来ない茉穂は茉穂の中に

いる、全部見て知っている。


世話好きで明るくて人にしたわれ

ヤキモチ妬きで子供好き。

そんな彼女は茉穂の中に眠っている・・・



「茉穂、大好きだ今もこれからも

そして昔のお前が一番・・・

愛お・・・」



そんな思いを飲み込んだ。

無邪気に笑う茉穂には酷な話・・


「なぁ茉穂、どうして目覚めたんだ

今の茉穂にヤキモチ妬いたのか!

そのまま、目覚め無かったら

俺はお前を追わなかったのに

・・・茉穂の中の昔の茉穂を

追いかけろと言うのか?

これがお前の復讐か・・

なるほど俺を苦しめるには充分だ。


茉穂を泣かせたら奈落の底に落とす

と言ったな…!

俺が奈落の底に落ちるなら

お前にもう一度あえるのか?


あえるのか?

なぁ茉穂こたえてくれよ・・」



茉穂は犬の餌を作りながらフッと

笑った。


茉穂の記憶はどうなのだろう・・・

ゆっくりと振り返る茉穂が笑った

あの笑いは茉穂か?


もうこの話はしない方が身のためだ

全部忘れてやり直せ

と誰か教えてやってくれ・・・


奈落の底は居心地の良い場所じゃ

無い・・

暗くて熱くて寒くて寂しくて

腐くて汚くて寝ようとすると起こされる

その繰り返し

又ウトウト眠たいのに眠れない

受験勉強中のような落ち着かない

終わりの見えない日々


泰真は何年もそこにいたのに又帰るつもりか、懲りない奴

やっと生まれ出たと言うのに

奈落の底の記憶をハッキリと思い出したがよくないか?


お前は何回も同じ事を繰り返して

いるのに、ソコは思い出さないか?

明治、大正、昭和そして

平成からの令和



茉穂の恨みは何時はれるんだろう。

繰り返し繰り返しの終わりは

始まり👻














@happinestryokoさん

ひとしずくの鯨さん、

玥さん

まさぽんたさん


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最後まで読んでくださった皆様感謝致します。

応援ありがとうございました。

Ps

reikoaibikenさん何時も応援

ありがとうございます。

感謝いたします🙇‍♀️

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⛪️🎉俺様の俺様によるオレサマの為の、結婚 ルミン @rumiko35211

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