第8話 カラオケ対決3
「♪ーーーーー♪」
:ウマスギィ!
:もう少しで立つから待って
:(意味深)
:あ〜心がぴょんぴょんするんじゃあああああ
:耳が孕む
:さすがレジェンド
:一期生の意地見せてやれ
:ボーイッシュって感じが凄い
:体は楓で出来ている。血潮は声で、心は顔面。 幾たびの戦争を越えて不敗。 ただの一度も敗走はなく、 ただの一度も理解されない。 彼の者は常に独り楓の丘で勝利に酔う。 常に、その生涯に意味はなく、 その体は、きっと楓で出来ていた。
先行の楓先輩のかっこいい声が一瞬で見る者を魅了する。
さすがといったところか。今更だけど勝ち目がないように思えてきた……だが、今日は負けるわけにはいかない。推しの貞操の権利を奪わなければならないからだ。
「ふふゆちゃんは何歌うの?」
「まだ悩んでるんだよね」
「うーん……もしかして歌うの苦手だったりする?」
「あはは……バレちゃいましたか」
「そっかぁ、じゃあ私は楓ちゃんのものになるけどいいの?」
「それは良くないです曲今入れました」
「わぁ早い」
そんな話をしているうちに楓先輩の歌が終わった。
「はーい、2人とも目を瞑って〜点数は2人が歌い終わってから発表にしたいから」
そう言うと美羽ちゃんは私たち二人に目隠しをつけた。
:仲ええやんけ
:そっちのカプでもかけよ言い出しっぺのやつ
:勘弁してください¥50,000
:アカスパナイスぅ
:これは脅迫に近い
よし、曲はファミリンレンジャーのop家族の唄で行きます
:意外
:何年前の戦隊だよ
:v関係ない曲してくること自体意外
:あ〜心がファミファミファ○ーマするんじゃあああああああああ
:ファミ○ーマート!?
「♪ーーーーー♪」
:ファ!?
:プロの方ですか
:声量パネェ
もうずっと歌ってなかったのに歌詞が自然と出てくる、体が動く……
そう言えば、この曲って初めて覚えた歌だったっけ、歌詞と振り付け覚えて友達に……みはるに、聴かせた私の持ち歌だったな。
:これは切り抜き
:歌配信やってなかったから下手だと思ってた
:バズるべくバズったのが理解できた
:ミックスしてなくてこれはテレビでれる
コメント欄で騒がれているが、私自身、こんなにも上手いとは思っていなかった。
なんだろう、とても心地が良い。もう何年も、下手したら10年は歌ってなかったけど、歌うってこんなに気持ちがいいんだ。
:100点確実
:これは肉便器になりたい
「びっくりしたよ!こんなにも上手いとは思ってなかった!」
「無念……」
「ていうことで、視聴者アンケートも取れたので発表します!勝者は最上ころんさん!99点と92%ですね。対する楓ちゃんは92点と8%だね。」
よーーーーーーし!これで毎晩忙しくなるうううう!
「ころん、次は負けない。次は未羽の何かをかけて戦おう」
「望むところです!」
:いやぁ、ころんが別格なだけでかえでんもうまいな
:ころんにこんな才能があるとは思ってもいなかった
:神スギィ!
:コロンちゃんに¥50000
:ころんはひらがなやで
そのまま雑談を続けていると、予想終了時間を大幅に超えていたので名残惜しさも含みながら先輩たちとカラオケを後にする。
いつか未羽ちゃんの方から好きって言わせたいな……先輩たちと別れた後もこんなことを考えながら秋葉原のメイドカフェへと足を運ばせた。
「そっか……ころんってやっぱりみやこだったんだ」
楓と別れた美羽がそっとそう呟きながら不敵な笑みを浮かべた。
ような気もするし、気のせいな気もする
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