第10話 アビドス

 聖地アビドスはテーベから北へ約一五〇キロ先のナイル西岸にあり、エジプト第一王朝時代からオシリス信仰の聖地として、エルサレムやメッカのように神聖な場所だった。

 オシリス信仰とは、人間は死後オシリス神として復活するという信仰で、王様も一般の人も生涯に一度はアビドス巡礼をして死後の復活を祈ることが夢だった。

 オシリス神話によれば、オシリスは弟セトの陰謀にはまり殺害されたが、妻のイシスは夫の遺体を見つけて隠した。ところがセトはオシリスの遺体を捜し出して、十四個に切り刻みエジプト全土に埋めた。アビドスにはオシリスの頭部が埋められたという伝説が残り、この地にオシリスの墓、オシレイオンが造られ聖地となった。

 オシレイオンは、現在建設中であるセティ一世神殿の西側に存在する花崗岩で造られた巨大な建造物で、セティ一世神殿が建設される遙か大昔からその場所にあった。オシレイオンの中には地下水がわき上がる部屋があり、その部屋はセティ一世神殿の真裏の地下に位置していて石棺の間といわれていた。その石棺の間には地下水がわき上がり運河のようになっていて、わき上がる地下水は〝聖なる水〟あるいは〝奇跡の水〟と言われていた。なぜならその水を飲むとあらゆる病気が治り、その水に触れるとあらゆる怪我が治ったからだ。アルウの黄金のオシリス像はセティ一世の命によって、その〝聖なる水〟をたたえる石棺の間に大切に祭られていた。

 アルウは九年前のセティ一世との約束を果たす為ついにアビドス入りをすると、まず真っ先に建設中のセティ一世神殿を訪れた。オシレイオンの石棺の間に祭られている黄金のオシリス像を見せてもらうためにはセティ一世神殿の大神官の許可を得なければならなかったからだ。


 セティ一世神殿は、セティ一世が死後の自分の魂を安置するために建設をはじめた神殿で、神殿の大部分が白い石灰岩で造られた美しい神殿である。

 エジプトの他の神殿には見られない珍しいL字型構造をしているのがセティ一世神殿の特徴で、その理由は、本来、工事が東から西に向けて建設されるべきところを、そのまま建設を続ければ神殿の西側がオシレイオンに覆い被さってしまうので、その事態を避けるため、わざと南側に折り曲げて建設が進められたという配慮からだった。

 神殿内部の壁や列柱や天井にはオシリスをはじめとする神々の色鮮やかで繊細なレリーフが施されていた。さらに聖域である神殿の最も奥の部屋には七つのアーチ型天井の礼拝堂があり、向かって右の礼拝堂から、ホルス、イシス、オシリス、アメン、ラー、プタハ、セティといった、エジプト各地の神々と神格化されたセティの像が祭られていた。この礼拝堂の七柱の神々は、アビドスを巡礼するエジプト各地の人々が、セティ一世神殿で自分の出身地の神様に祈りを捧げることができるというもので、セティ一世の粋な計らいで祭られていたのだ。

 アルウがセティ一世神殿の第一中庭に入ると壁や列柱はまだ装飾されていなかったが、神殿は開かれていて既に使われていた。アルウがさらに奥へと進んで第一中庭から第二中庭に行こうとすると、大きなレバノン杉の扉で遮られていて、その扉の前で立ち往生してしまった。アルウがその扉を叩いたり声を上げたりしていると、突然扉が開かれ、背が高く目つきの鋭い神官が姿を現した。

「なんの用だ?」

「大神官のブテハメンさんに会わせて下さい」

 アルウがそう言うと、神官はアルウを睨みつけ、

「ここから先は民人は入れないのだ」

 と言って扉を閉じようとした。

「オシレイオンの黄金のオシリス像を見たいのです」

 アルウが扉に手をかけ申し出ると、

「おまえどうしてそれを知っている?」

 神官は怪訝な顔でアルウをみた。

「わたしは王様にオシレイオンの黄金のオシリス像を渡した者です」

 そう言ってアルウは自分の左の中指のセティ一世からもらった王家の紋章が刻まれた金の指輪を神官に見せた。

「……」

 神官は王家の紋章が刻まれた金の指輪を信じられないといった目つきでしばらく眺めると扉を閉め、その場にアルウを残して姿を消した。

「なんてやつだ……」

 しかたなくそこで待っていると再び扉が開かれ、今度は美しい巫女が姿を現した。

 巫女はあきらかにエジプト人ではなかった。髪の毛は金色で肌は透き通るほど白く、瞳は深いブルーですぐにギリシアから来たアカイア人だとわかった。

「お待ちしていました」

 巫女は優しく微笑みアルウを神殿の中に通した。

「オシレイオンの黄金のオシリスを見せてください」

「畏まりました。これより先の聖域には今は一般の人は足を踏み入れることはできないのですが、王様からあなた様はオシリスに愛されし人ゆえ、お通しするようにと仰せつかっていました」

「王様から……」

「はい」

「わたしは王様から、アビドスに着いたら大神官ブテハメンさんを頼るようにと言われていたので先ほどお呼びしたのです」

「申し訳ありません。ブテハメンは急な問題が起こり神官会議に出ていて今は席をはずせないのです」

「それであなたが」

「アルウ様がお見えになったらオシレイオンに案内するようにと指示されていました」

 巫女はアルウを澄んだ青い瞳で見つめた。

「あなたの名前は?」

「セバヌフェルと申します」

「セバヌフェルさんか」

 そう言ってアルウが笑顔を見せると、セバヌフェルも微笑みながら彼を見た。

 まるで心の鏡のように優しく澄み切ったセバヌフェルの青い瞳に、アルウは不思議なあたたかさと柔らかさを感じた。

「さ、こちらです」

 セバヌフェルが先に歩き出す。あわててアルウも後を追う。

 二人はまだ建設途中の第二中庭から、すでに完成した第一列柱室、第二列柱室を通り過ぎ、七柱の神々を祭ったアーチ型礼拝堂の前を北から南に向かって歩いた。

 神々が祭られた礼拝堂は北側から南に向かって横一列に並び、その中に神々がホルス、イシス……と順に祭られていた。ところが二人が三番目のオシリスの礼拝堂にさしかかると、アルウはその中を見て落胆した。本来あるべきオシリスのレリーフがなくて礼拝堂はただの石室だったのだ。

「どうしてオシリスのレリーフがないのですか?」

 聖域はすでに完成、すべての礼拝堂に神々のレリーフが刻まれているはずだった。

 アルウの質問にセバヌフェルはその場に立ち止まり、振り返った。

「王様の命で、ここにあなた様のオシリスのレリーフが刻まれることになっています」

「わたしの……」

「『この礼拝堂に刻むオシリスのレリーフは、エジプトで最も美しいオシリスでなければならない。そのオシリスを刻めるのはあの少年だけだ』そう仰せになり、神官たちの反対を押し切られたのです」

「そこまで王様はわたしの腕を」

 アルウはまだなにも刻まれていない礼拝堂を改めて見上げた。すると彼の目に神々しいオシリスのイメージがリアルに浮かび上がった。

 セバヌフェルの案内でアルウはさらに奥のオシリスの間に通された。この部屋もほとんど完成していたが、オシリスのレリーフはまだだった。

「この部屋もアルウ様がオシリスのレリーフを刻まれるのをまっています」

「……」

「こちらもでございます」

 そう言って通されたのは、オシリスの間からさらに奥にある、未完成のオシリス復活の部屋だった。

「すべての部屋のオシリスがわたしが来るのを待っているのか」

「さようでございます」

「……」

 アルウは感激のあまり言葉がなかった。責任の大きさから来る重圧は感じず、むしろこれから描く様々なイメージが無限に溢れ、心と魂は幸せに踊り続けた。

「では、オシレイオンへ」

 そう言ってセバヌフェルはいま来た道を引き返しはじめた。


 オシリスの礼拝堂から通路に出た二人は、右に曲がって王名表の通路に向かって歩いた。神殿の通路は奥に行くほど暗くなり、静まりかえった神殿の中で二人の靴音だけが響いた。

 礼拝堂の前の通路を通り過ぎると、壁に王名表が刻まれた通路にでた。ここには歴代の王様の名がカルトゥーシュ名で刻まれている。どの名前もアルウが知っている王様の名ばかりだ。輝かしい歴代王様の名前を見ながら歩く二人だったが、王名表のある部分にさしかかるとアルウはびっくりして立ち止まった。

「セバヌフェルさん。ここ、王様の名がとんでいますよ」

 セバヌフェルは一瞬アルウが指し示した箇所を見たが、さほど驚く様子もなく無言で歩き続けた。

「アクナテン、スメンクカラー、ツタンカーメン、アイの名がありません」

 アルウは子供の頃、ティアに導かれアマルナに行ったときのことを思い出し、その時、彼女が発した四人の王の名を、セバヌフェルの背中にむかって読み上げた。

「ここでその名を読み上げてはいけません」

 堅く口を結んでいたセバヌフェルが振り返り、そう言ってアルウを睨んだ。

「なぜですか? 彼らはあきらかに存在した王様です」

 あまりの剣幕にアルウはムキになって訊きかえした。

「アクナテンは太陽神アテンを崇め、エジプトの神々を廃絶しようとしました。しかも彼はアテン信仰と国政のバランスをうまく取り切れなく、国を崩壊させかけたのです」

「だから王様は、アクナテンの一族を王名表から削除したのか。そしてアマルナの芸術も封印したのですね」

「そうです」

「……」

「アクナテンはアテンこそが唯一神だと宣言し、アメン信仰を激しく弾圧しました」

「唯一神……なぜそんな考えに取り付かれたのでしょう?」

「わかりません。ただ、あなたはご存じないかもしれませんが、王家や我々神職の間では、古くからエジプトの神は一柱だと認識されてきました」

「え、どういう意味ですか?」

「つまりアクナテンの説く一神教という信仰は、彼のオリジナルではないということです」

「わたしには理解できません。現にエジプトにはオシリス、イシス、ホルス、ハトホルと数え切れないほどの神々が存在しているではありませんか」

「オシリス、イシス、ネフティス、セト神は、天空の女神ヌトと大地の神ゲブとの間に生まれた神々」

「そうですね」

「ならばヌトとゲブを生んだ神は……」

「……」

「ヘリオポリス神話をご存じですか?」

「昔、学校の古典の授業で学んだことがありますが、古典は苦手でした」

 アルウが恥ずかしそうな顔をしていると、

「そうでしたか」

 セバヌフェルは少し微笑み、

「とても素敵な物語なのですよ」

 そう言ってゆっくりと語り始めた。

「昔々、まだこの世に宇宙さえも存在しなかったころ、暗黒の闇に水が果てしなく広がっていて、この原初の水はヌーと呼ばれていました。やがてこのヌーから自力で宇宙神アトゥム(後の太陽神ラー)という、男性でありながら女性の手を持つ両性具の神がお生まれになりました。

 アトゥム神は、まず、自分が住む原初の丘をお造りになりました。それからその丘に上がるとアトゥム神は神々を生んだのです。こうして生まれたのが男性の神様のシュー(空虚なもの)で緑色をした大気の神様でした。その次に生んだのが女性の神様で赤色をした大気の女神テフネト(湿気)。

 二柱の神シューとテフネトは結婚すると、地の神ゲブと天の女神ヌトを生みました。ゲブとヌトもやがて結婚しました。ところがゲブとヌトがあまりにも仲がよくていつも抱き合ってばかりいたので、天と地がなかなか離れません。これでは大気が流れる隙間が無いと父親のシューが怒り、抱き合うゲブとヌトの間に割り込んで二人を引き離そうとしたのです。

 こうしてヌトは天になりゲブは地になったのですが、その時ゲブが天に昇るヌトの手足を掴んで離さなかったので空が丸くなりました。ところでヌトとゲブが天と地に引きはがされたとき、ヌトは妊娠していたのでやがて子を産みました。

 一日目はオシリス、二日目はハロエリス、三日目にセト、四日目にイシス、五日目にネフティスが生まれました」

 そこまで話すとセバヌフェルは語るのをやめ、熱心に聞き入るアルウに微笑んだ。

「すみません。つい長々と話してしまって」

「ありがとうございます。とても興味深く聞かせていただきました」

「おわかりのように」

「全ての神は一柱の神アトゥムにいきつく」

「そうなのです。神官達もこのことは十分認識しきしているのです。すなわち、神は神々であり、神々は神でもあることを」

「ではなぜアクナテンはアトゥム神ではなくて、アテンを唯一神としたのでしょうか」

「実のところそれはわかりません。おそらく本人にしか答えられないでしょう」

「……」

「アテン神は太陽神ラーから派生した地方神で、太陽光線を神格化した神なのです」

「たしかにアテン神は姿形のない太陽光の神様ですね」

「ですから崇拝する偶像は造りようがないのです」

「なるほど、光だから形にできない」

「そうです。ただ光っているだけの神様なので偶像にできない。いや、無理にしようと思えばできたかもしれませんが、敢えてそうしなかった。もちろんレリーフには便宜上沢山の手を持つ太陽の姿で表現されていました。しかしアマルナのアテン神殿にはアテン神の像はまったく存在せず、神殿の天井から差し込む太陽の光が御神体と語り継がれています」

「太陽の光が御神体!」

「ええ、ですからアテン神を信仰した民衆や臣下はみな御神体を拝むことが出来たと言うことです」

「たしかにそれは画期的です。普通、神々の御神体の像は民衆から隠されていて、直接目にすることが出来ない。見ることが出来るのは王様や神官やあなたのような巫女に限られていますからね」

「ですからアテン教を信仰した民衆はいつでも神様を拝むことが出来たのです」

「たしかに太陽の光は何処にいても降り注いでいますから……でも信者たちは光に向かって何を拝んだのでしょうか? いや、そもそもアテン神の何を理解したのでしょうか?」

「おそらく極一部の人間にしか理解されなかったんじゃないかと思われます」

「王様と王妃様ですか」

「アクナテンとネフェルティティだけではありません。王女アンケセナーメンと王子ツタンカーメンの二人も……」

「若くして暗殺された王、そしてそのお妃も……」

 悲劇の王と王妃の話もティアから聞いていたのを思い出した。

「そうです」

 二人はオイルランプに揺れる王名表で、若き王ツタンカーメンの名が刻まれるべき場所を見つめた。

「アクナテンは太陽の光を崇めよと民に説いたのですか?」

「そうらしいのです」

「民衆は見えるものなら理解できるし安心もし、依り代とすることが出来ると思いますが、見えないものを崇め信仰しろと言われても、人々のほとんどが理解に苦しみ不安に陥ったのではないでしょうか?」

「あなたのおっしゃる通り、多くの人々は見えないアテンの何を信じたらいいのかわからず混乱しました」

「アクナテンの宗教改革は失敗すべくして失敗したのですね」

「結果的に失敗でしたが、民衆や兵士にとって幸せな時代だったのかもしれません」

「え、それはどういう意味ですか?」

「あの時代、アクナテンが平和を愛するあまり、国力は削がれましたが、争いや戦争がなかったので、文化が成熟して、優しい曲線美と写実性を織り交ぜたアマルナ美術が退廃の中から誕生しました」

「アマルナ美術……(あの時ティアは──シンボルとしての平和──を伝えたかったんだ。全ての神々や王の石像やレリーフが勇ましく威厳に満ち威圧感さえ感じるのに比べ、あの時見た、アマルナの神殿跡に横たわる石像や割れたレリーフの絵はどれも異様なほどリアルで、しかし、生き生きと表現されていた。まさしく平和と自由を感じさせる)」

 アルウの中でティアに関する長年の謎がすべて氷解していくようだった。

「アクナテンの思想とアマルナの美術はホルエムヘブ王に完全に破壊され封印されました。それ以降タブーとされたのです」

「アクナテンは何がしたかったのでしょうか?」

「なにがしたかったというよりも、目覚めてしまったのだと思います」

「アテン信仰にですか?」

「魂の覚醒です」

「魂の……」

「アクナテンは、ある日、太陽が黄金色に輝きながら昇るのを見ていて突如トランス状態に陥りました。そしてアテン神の波動を感じたと言われています。それは彼にとって衝撃的な事件でした。伝え聞くところによれば、太陽の黄金の光が突然目も眩むほどの輝きとなって彼の体を包み込み、次の瞬間、雷に打たれたような激しい衝撃が全身を走り抜けたのです。その衝撃は数分間にも及び、やがてその光の中に彼の心も魂も肉体でさえも溶け込んでしまったといいます」

「まさか、光に肉体までも溶けてしまうなんてありえない」

 さすがのアルウも彼女の言葉を疑った。しかしセバヌフェルはかまわず話し続けた。

「その時に彼は気づいた、いや、目覚めたのです。この世のありとあらゆる存在は全て幻であり〝ひかり〟すなわちアテンなのだということに。こうして覚醒したアクナテンは、この世に神はアテンしか存在しない。すなわち真の神はアテン一柱であり、唯一神だという確信を持ったのです」

 そこまで一気に話すとセバヌフェルは沈黙し深く青い瞳でアルウをみつめた。

「……あなたはアクナテンを嫌っているわりには、とてもよく彼を理解していますね」

「わたしはアクナテンを嫌っているのではありません。ここでは彼のことはタブーなのだと言っているのです。ただ……」

 そこでセバヌフェルは口を噤んだ。

「ただなんですか」

 アルウがたまりかねて催促すると、

「あの方は王様としてより民の中の聖者としてお生まれになったほうが幸せだったのかもしれません。同じ神に仕える者としてそう感じることがあるのです」

 セバヌフェルは王名表でアクナテンが本来入るべき場所あたりを、厳しくも優しい眼差しで見詰めた。

「あなたの仰ることなんとなくわかります」

 オシリスのメッセージを聞いた経験から、アルウも彼女が感じていることを直感的に理解した。

「アルウ様は神に愛されし者」

「ありがとうございます。でも巫女であるあなたはより神に愛されている」

「いいえ、そうではありません。神の愛は全ての人間にあまねく降り注がれているのです」

 セバヌフェルは並んで立つアルウを横目でちらと見て微笑むと、王名表の前から離れ西の通路へむかって歩き始めた。

「あなたは不思議なかたですね。今までに出会った巫女さんとは違う」

 アルウは改めてセバヌフェルはエジプト人ではないからそうなのだと思った。

「わたしにはアカイア人の血が流れています」

「ギリシアの島々は美しいところだと聞いていますが」

「幼い頃、孤児になったわたしは、この神殿に拾われイシスの巫女として生涯を捧げる処女の誓いを立てました。ですから神殿の領域から外の世界のことは知らないのです」

「そうでしたか……」

 二人は並んで歩き続け、ようやくセティ一世神殿の最も奥に着いた。

「ここを通り抜けるとオシレイオンです」

 セバヌフェルが振り返ると、

「いよいよか」

 アルウは厳しい眼差しで遠くの光を見つめた。

「さ、行きましょう」

 二人は光に導かれるように歩き続けた。

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