第11話 私で争うのはやめて!って違うか!
「あの、勧誘のお話でしたら
「はっ、あんな能力のない黄狐に義理立てする必要などないですよ?」
明らかな
このまま走って逃げよう、そう思った時……聞きなれた声が背後から聞こえた。
「なんや、
心なしか辺りの空気がピリピリしているように感じる。
「
「
「またまた。
「だから、私は
「ほな、横から茶々入れんと<正式に>僕の店通してオファーしてくれへんと。こっちかて商売やってるんやから勝手されたら困るんです」
「私はお前のその気持ち悪い京なまりを聞きたくない。男のくせになよなよと」
「ああっ!!! 今の世の中、そんなジェンダー差別なんかしたら訴えられますよ!?
ね?
「うちの会社は、人間だろうがあやかしだろうが、男だろうが、女だろうが、若かろうが、年寄りだろうが、同じように扱っている。スカウトしたい人材の前で失敬な事を言わないでくれ。それこそ侮辱罪だ」
「なんやて!!?」
「なんだと!!?」
今にも一触即発といった雰囲気だが、さっきの張り詰めた緊張感よりもユルいこの状況は何だろうか。
既に昔から比べられてきた幼馴染同士のけん制のし合いみたいな、ほっこりしたやりとりにしか見えない。
呆然としながら二人のやりとりを見ていた私は、思わず大きなため息がひとつ出てしまう。そのため息で一気に力の抜けてしまい、笑いをこらえきれなくなってしまった。
「あはははは!」
もうやめてくださいと、二人の間に入って制止する。
けん制し合う二人に少し落ち着くように促す。
「すんません。どうしても
「私はオファーをしているだけだ。
「なんやて!? 正式にオファーするんなら、リーフ亭を通して欲しいって言うてるだけやん」
「ああ! もう! お二人とも、私より年上で神様の眷属なのに、何やってるんですか。落ち着いてください。
それから、
またヒートアップしていく二人を引き離し、一旦この場を収める提案をした。
私は言われるままに
「
そう言うと、そのままドロン!と姿を消した。……私も一緒に。
目を開けるとそこはリーフ亭だった。
「!!?」
混乱する私に向かって、
「そ、そんな! 巻き込むだなんて。あの人は栗栖くんのお兄さんって話でしたけど……どういうご関係なんですか?」
「そうやね。ちゃんと話しておかんとね。お茶入れてくるから適当にかけといて」
ほうじ茶のいい香りが気持ちをすうっと落ち着け、不思議な満足感が見も心も包み込んでいく。
「何から話したらええかな。栗栖の家は代々長い事続いてるかわら版屋なんやけど」
「かわら版って、新聞のことですか?」
「うん、そうそう!
「ええ!? 大映光新聞社なんて、超大手じゃないですか!!? 子会社も沢山あって、マスコミ関係者なら一度は大映光グループ系列のどこかに入ってみたいと憧れる、あの大映光新聞ですか?」
「ええ~? あそこって、そんな憧れの会社なんや」
昔馴染みだからか、それとも業界が違うからか、
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