主人公は、親兄弟に軽んじられ、行き場なく公園へとたどり着く。そして、そこで出会った、いわば他人、人生のうちほんの一瞬しか出会わないような人からの言葉で、少しだけではあるものの、世界の見方が変わることになる。人生を語るほど経験を重ねていないものの、たしかにそういうものだと思うし、この作品もまた、本作の主人公にとっての公園のように、行き場ない誰かが立ち寄り、わずかながら世界の見方を変えるきっかけになるのだと思う。
かつて自分が出来なかったさかあがり。偶然にも教えることになった翔太だけど、お手本にはなれず、適当な嘘で誤魔化す。でも、俊輔のさかあがりをする様子を見ながら、彼の母の理沙の話を聞きながら、何かに挑戦することに意味を見出す。広島弁もとてもストーリーのいいアクセントになってて、読んでいて気持ちいい。なぜ、こんないいお話が埋もれてしまっているのかなって疑問に思いました。(もっと宣伝してください、作者様)
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