彼は対峙する。自らの運命、そして世界の理(ことわり)と。

完全架空の異世界を舞台に、あらゆる種族から恐れられる「魔族」の主人公が種族の垣根を越えて人々を救うために立ち上がる物語。これだけ聞くと極々王道ファンタジー。
しかし私から言わせてもらうと、この作品の本当に面白いところは実はそこではなく。

この作品の特筆すべき点は、敵の長である「魔王」のキャラクターがこれまでの既存の作品と完全に異なる点です。
破壊の限りを尽くす純粋悪、暴虐の君。
あるいは
悪に堕ちるだけの悲劇を経た不運の君。
これまでのラスボスといえば概ねこの二択でした。

しかしこの作品は、そのどちらとも違う第三のラスボス像を描いています。詳しくは途中から…なのですが、それを経て読む主人公との対立は非常に興味深い。
それまでもよく練られた世界観、個性的なキャラクター、子細な生活描写、序盤から飛ばす本格的なアクション&軍略展開など、見どころはたくさんあったのですが。先で述べたターニングポイントからの面白さは別格です。

現在ミッション2。
今後主人公サイドと魔王サイド、それら陣営に属する各キャラクター達の争いがどうなるのか、どう結末を迎えるのか、非常に楽しみです。




最後に作者様へ。

もしもこれらレビューが悪質なネタバレであると思われましたら、躊躇なく削除お願いします。
そして、極々個人的には……架空世界の文化、技術、生活、食事風景などの描写が大好きなので、そこを入れてくださって心からありがとうございますと!お伝えしたいです!!ありがとうございます!!!
あと推しはヴェルクです。本文読んでる時点で好きでしたが、設定画で撃ち抜かれました。ず、ずるい…!!!あの見た目はずるすぎです!!

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