着眼点が鋭い。そしていやらしい。
この作者様は、大変歪んだ良いセンスをお持ちだ。
個人の都合でまだ数話しか読めていないけど、そのどれも良い意味で胸糞悪い話ばかりだった。
毎日、3つのお題と1つのテーマを軸に短編を書き続ける。
硬いがすっと頭に入ってくる文章、そしてあっと言わせるオチ。
「どんでん返し」ではない。
ただ、並の人間には思いつかない深淵な結末が毎回見られる。
素晴らしい。
個人的には、日々の生活の中で空白の時間が出来た時、「退屈だな、何か読みたいな」という瞬間に開きたい作品群だなと思った。
小さな単行本をポケットにしのばせるような。
そしてきっと、本人が豪語されるように、このお話は毎日どんどん面白くなるんだろう。
実に期待が持てるポテンシャルをお持ちの方。
正直、今ここで読むか読まないか悩んでいるあなた。
一読の価値、絶対ある。
最近ハマってるなんでもありの短編集。作者の知識と作風が豊富で面白い。ちょうど100話まで読み終わったところだけど、怒涛の更新頻度と一話一話が濃密なのとで全然最新話に追いつけない。嬉しい悲鳴というやつだと思いますが。
全話制覇目指してるけど、一話~数話だけ拾い読みもアリだと思う。100話まで読んだ時点でのオススメは
【不思議部門】第三十六夜『アビゲイル、アビゲイル-Sister’s Love-』第十一夜『生存者の記録-dead on Commedia-』
【男同士のエモ感情部門】「第八夜『自称天才鳥使いの俺、勇者一行から役立たずと追放されるも、今は宮廷鳥匠となって第二の人生を歩む。今さら遅いが、頼むから戻って来てくれと俺に言ってくれ-Nike-』
【切ない部門】第十八夜『うちの学校の池に人魚が居た-Immortals-』第六十九夜『鬼の目にも涙-Blood Sweat and Tears-』
【お笑い部門】第六十六夜『君の一番怖いもの-her-』
【SF系部門】第十六夜『現代物理学並びに量子論から見た時間の連続性に関する仮定と命題-Clap Your Hands-』第五十三夜『ある愛の形-AI-』
難解で上手く理解出来たかわからない話や、話によって自分の好みかどうかの差が結構あったりするのも逆に面白いです。色んなタイプのお話を読みながら自分の好みと向き合える面もあると思います。私はやっぱり暗いでも重いでもなく切ない、寂しい話が好きなんだろうな。(オススメに挙げた作品も、分類分けしてみたけどもお笑い部門以外はそんな感じかも)