クリスト
あまりにあっさりと辿り着いてしまった。継承者と思われる人物
「ただ、ここ2年ほどほとんど学園には来ていません。もともと魔術への適応もそれほどなかったので家業を継いだものと思っていましたが…」バーネットが教えてくれた。
歴史ある学園に卒業生であれば、何かと優位になることはどこの世界でもある。
特に魔術は対抗する錬金術に押されて権威主義が目立ってきている。上流階級ともなればお金の力で最終学年までいなくてもなんとでもなるらしい。
「私が言うのも変だけど、貴族階級の世界は狭いの、誰が誰と何をしたとか…どうしたかとか…ほんと息が詰まるわ」バーネットの表情は本当に飽き飽きといった感じで少し笑える。
「ごめんんさい。少し愚痴っぽくなりましたわね。彼のことなんだけどもう少し詳しく聞いてい良いかしら」
「身長はどのくらい?」
「正確ににはわからないのです。なんていうか感覚的なもので…例えると目の前に大きな人が来た時の威圧感だけが感覚でわかるだけで何かと比較するのは難しいです。」
この探査魔術は感覚的なことしかわからない。
自分が、どう感じるかで見える映像も変わる。通常は目の前の物体を目が捉えて脳で感覚を生まれるが、この魔術では脳が感じた感覚が映像として現れる。通常と逆の現象であり、このことを理解して使わないと間違いを生む事になる。
「ふ〜ん、随分と難しいのね。」
「でもかなりの長身だと言うのは確かなのね?あとなぜ上流階級なの?」
「それもなんとなく育ちが良い人に受ける感覚にしかいえないですけど…私に叔母に似た印象でした」
母の家は、もともと貴族家系であり、躾も厳しいものであったらしい。
特に長女の叔母は身のこなしや仕草が洗練されたいた。かといって固く苦しいというものとはなく自然であった。まさに、生まれながらの貴族と言う感じであった。
「なるほど、あなたの感覚と私の情報を合わせていくしかなないわけね。」
「ごめんなさい。」
「謝らないで、手がかり無しから、ここまでわかるだけでもすごいわ。」
「あなたの条件に合う上流階級で学生となると…あぁ私の知っている限りでとなると…クリストかしらね。」
「確かにクリストが継承者なら適任な気がする...貴族で学園生活には接点が少なく、それにロマンチスト」バーネットは少し笑いながら言った。
「答えが分かると、それ以外は無いと腑に落ちるものね」
「あの〜まだ決まったわけでは...」
あっさりと継承者と思われる人物にたどり着いてしまっとことにエアノアは少し不安を感じた。
そして数日後
エアノアは、なぜかそのクリストの館の前に立つ事になった。
バーネットが伺うとなるとそれなりに手順やらあるらしいとのことで、様子を伺って欲しいとお願いされてしまった。
「それに、ちょっと彼とは色々あるのよ。お願い!」とのことだった。
面会の口実は、借りたハンカチを返しにきたととでも言えば良いとのあった。
「ちょっと適当すぎない〜〜!」
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