第13話 地球最後の告白を②

 やぁ、みんな久しぶり!神星しんせいだよ!今日で地球が滅ぶまであと3日しかない。だから好きな人に告白をしようと思う。


 ん?“誰に告白するの?”って?それは……九条くじょうに告白しようと思うんだー。

 俺と九条は幼馴染みで、よく遊んだりもしてたんだー。そんなことをしてる間に、俺は九条のことが好きになってたんだ…。

 だから、地球が滅んじゃう前に告白をして、返事をもらいたい!ってことさ。


 そういえば、星海と中月も付き合ったらしいじゃないか。おめでとー。


「問題はどうやって九条と会うかだなー。」

「まぁ、今日から自衛隊の人たちが避難の誘導をしてくれるし、九条はまだ避難してないらしいしホテルさえわかれば大丈夫か。」


「奏希ー。私達もそろそろ避難の支度するよー。」

「わかったー。」


       〜1時間後〜


「じゃあ、東京に行くよ。」

「うん。」


       〜移動中〜


 今は新幹線の中だ。暇だし、九条にどこのホテルなのか聞いておこう。ついでにもう避難してるかも。


「“九条はもう避難してる?”」


 “ピンポン”


〈“私たちは、今から東京に向かうとこだよー。”〉


「“俺らはもう移動してるわ〜。ちなみに九条ってどこのホテルに泊まるの?”」


〈“星海くん達と同じ、丸の内ホテルだよ〜。”〉


 お?これはこれは、何という偶然。俺たちもそこのホテルなんだよなー。めちゃくちゃチャンス!!


「“九条もか、俺らもそこのホテルだわ。久しぶりにいつメン揃うな!”」


〈“本当だね〜。久しぶりに遊べるねー”〉


「“じゃあ、またホテルで会おうな〜。”」


〈“うん、またホテルで〜。”〉


 よし、もう今日に呼び出して告っちゃおう。せめてデートぐらい行きたいけど、時間ないかなー?


       〜東京到着〜


「ホテルはここかー。」

「ん?あ、神星じゃないか〜。」

「ん?お!星海〜。おひさ〜。」

「おう!久しぶり〜。」

「神星もここのホテルなのか?」

「そーだよー。九条もここのホテルらしいよー。」

「お!マジか!久しぶりにいつメン揃うじゃん!!」

「そうだなー!」

「あ、そうだ星海。中月と付き合ったんだろ?おめでとー。」

「ありがとーね〜。」

「あ、いたいた星海〜。」

「あ、中月。」

「あれ?神星じゃん?どしたの?」

「どしたのって…俺もここのホテルなんだよ。」

「そうなんだ~、いつメン揃うじゃんー…」


 みんな絶対にこれを言うのか…?


「じゃなくて、星海!お母さんが呼んでたよ!」

「え?マジ?わかった。ちょ、行ってくるわ。じゃね〜神星。」

「じゃね〜。」

「う、うん…じゃね…。」

 

 何だったんだ…


「はぁ〜、着いたね〜。」


「あ、九条。」

「ん?神星君。そういえば君もここのホテルっていってたね〜。」

「うん、そうなんだ…。唐突で悪いんだけど、荷物置いたら、ここのロビーに来てくれない?」

「ん?別にいいけど?」

「ありがとう。じゃあ、また後で。」

「うん…?」


 よし、九条を誘い出すことはできた!あとはどうやって告るかを考えよう。


       〜10分後〜


「神星君〜、おまたせ~。」

「九条…。」

「で、用事って何?」

「ん…まぁな、ちょっと、屋上行かないか?」

「うん、いいけど?」


       〜屋上到着〜


「わー、景色綺麗〜。」


 よし、まずは場所OKだ。雰囲気は今の間まで大丈夫だ。


「そうだな。」

「神星君?ここに来て何するの?」

「ちょっと聞いてほしいことがある。」

「ん?……。」


「九条、俺らが最初に出会った場所ってどこだったか覚えてるか?」

「う〜んと、確か…茶臼山高原ちゃうすやまこうげんだったよね?」

「うん、そうだ。そこで星を一緒に見たのを覚えてる?」

「うん…」

「そして、その日から数日後。九条が俺の近所に引っ越して来た。俺と九条が本格的に仲良くなったのはここからだ。」

「そうだったね。」

「俺は、九条と遊んだり、一緒に天体観測をしているうちに…九条が好きになっていったんだ。ここまで言えばわかるかな?」

「っ……」

「地球が滅ぶ前に言わせてくれ、九条!俺と…付き合ってくれ!」


「………、神星君…その気持ち……すごく嬉しい!はい!喜んで!!」

「本当に?やったー!」

「地球が滅ぶまであと少ししかないけどよろしくね、神せっ……奏希君!」

「こちらこそ、よろしく!奈々香!」


 こうして、俺と奈々香は付き合う事になった。

 実を言うと、めちゃくちゃ緊張した。でも結果往来かな?残りの時間、目一杯楽しむぞー! 

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