第16話 地球が滅るまであと1日…

「主任!ロケットが傾いている理由がわかりました!実は、そもそも図面が曲がってました。あは☆」

「あは、じゃないよ!なんで図面が曲がってるんだよ!!」

「すいません、なにせ急いで書いたものでして…。」

「言い訳にならんわい!急いで図面の修正をしてくれ!」

「はい!わかりました!」


 ほんとにもう、時間がないのになんてことをしているんだ…。

 それもそうと、私の考えた作戦は順調に進んでいる。

 

 今気づいたが、みんなのテンションがおかしくなっているではないか…。心配とプレッシャーと疲れのせいなのだろうか。


 では、私も仕事に戻ろう。


        〜日本〜


「わーたし〜は総理〜!日本をおさめる総理〜🎵」

「総理!何をのんきに自作の歌を歌っているのですか!!もう地球が滅びるまで時間がないんですよ!!」

「だって、今になってできることとは何がある?」

「それは…、そう!国民に対して安心するように呼びかけるとかあるでしょう?」

「……今思いついたみたいなことを言うのやめてもろて。」

「す、すいません…。」

「それはそうと、なんで、地球が滅びかけてる時に仕事放棄してるんですか!!」

「だって、地球が滅ぶまで仕事したくないじゃん!!」

「じゃあ、なんで今、総理はここの仕事場にいるですか?」

「そ、それは……仕事を…するため?」

「矛盾してますよ!!」


 秘書は、日本国民は全員生きて脱出できるのか心配になった。


      〜星海の状況〜


「星海!いつまでゲームやってるの!」

「お兄ちゃん!もうゆっくりしてられないよ?明日にはもう地球は滅ぶんだそ!!」

「そうだよ星海!避難の準備ぐらいしっかりしなさい。」

「快斗もお姉ちゃんも、もうちょいゆっくりしなよ〜。」

「バカか、星海は。」

「命が助かるって確信できてからゆっくりしない。」

『お母さん!』


 はい、来ましたー。お母さんです。なにげに、ちょっと面倒なお母さん…。

 ん?てか、何か今日のみんなの雰囲気がちょっと…違う…?ような?

 

「お母さん…。コーヒーをブラックで入れてくれんか…。」

「ええ、わかったわ。」


 あぁー!やっぱり!普段お父さん、コーヒーのブラックなんか飲まないのに!

 やっぱ、あれのせいか!?隕石が地球に近づいて太陽の光がほとんど遮られているせいなのか!?何が原因だ!?


「みんな大丈夫?何か変じゃない?」

『ぷっ……ぷはははは。』

「?????」

『テッテレードッキリ大成功ー!』

「はぁー!」

「星海はみんなの雰囲気が急に変わるとどうなるのかドッキリでしたー!」

「おいおい!みんなめちゃくちゃゆっくりしてるやん!楽しんでるやん!何が“もうゆっくりしてられない。”だ!」

「星海は面白いな〜。それはえ·ん·ぎ。」

「マジか~!」

「………。」


「う〜ん……、は!え?あれ…?…なんだ〜、夢か。」


 星海、夢で家族にドッキリを仕掛けられていた…。


     〜いつメンの状況〜


「ねー、咲希ちゃん?食堂で女子会でもしない?」

「いいよ〜。今のうちのにたくさん楽しもー。」

「……それでねー、奏希くんね?ゲーセンでお小遣い全部はたいちゃって、だけどその取れた景品を私にくれてー。」

「えー、いいな〜。優しいなー神星。」

「そういえば、この前星海と卓球したんだけど、星海強くてさー、全敗したw。それで“何でそんなに強いの?”って聞いたらさー、“お母さんに、特訓させられた…。”って言ってってさ〜ー。」


 女子組、楽しくお茶会をしていた。


「あー、もしもし俺だ、神星だ。」

「どした?何か用事か?」

「用事があるからかけてるんだろうがw」

「で、用事ってなんだよ?」

「あ、それは、一緒に遊ばね?ってこと。」

「あー、そゆことね。いいよ!」

「じゃあーさ、ロビー横の広場でカードゲームしないか?」

「おっけ〜。」

「よし、じゃあ30分後にロビーな。」

「了解!」


 男子組は遊ぶ約束をしていた。今日が友達と遊べる最後の日かもしれないからな。


 そしてー、タイムリミットまであと、32時間。

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