第15話 地球が滅びる2日前

 今日で、地球が滅びるまで残り2日となった。空を見上げれば、案外はっきりと巨大隕石が確認できる。

 

「この隕石で地球が滅ぶのか……。」


 1人星海は、屋上でそんなことを考えていた。するとー


「あ、星海じゃん!やっほ〜。」

 

 中月がやってきた。


「何してたの?」

「んー、ちょっとね?もうあと2日で地球滅ぶじゃん?」

「そうだね。」

「ほら、昨日ぐらいから、空には隕石が見えるよね〜。」

「この先、どうなるのか、本当に滅んじゃうのか。そんなことを考えるとね…。」

「星海らしくないなー。いつもなら、もっとポジティブなのに。」

「そうなんだよ。僕もそうしたいけど自然とポジティブになれないんだよな。」

「そっか…もう時間がないもね…」

「でも、僕が望むのは地球が滅ばないことだけ。」

「うん、私も同じだよ。」


    〜NASA国際宇宙センター〜


「主任!大変です!量産型のロケットに重大な欠点が発見されました!!」

「なぁーにぃー、やっちまったなー!」

「主任!そんなジャパンのギャグやっている場合ではありません!!」

「す、すまない。それでどんな欠点なんだ?」

「それが…なぜか、このロケットが完成して、全体を検査していくと、若干右に傾いていている、という欠点でして…。」

「なぁーにぃー!やっちゃったなー!」

「主任!!ふざけないで下さい!!」

「す、すまん。それはなんとかできるのか?」

「今やってるんですが…、正直間に合うかわかりません…。なんにせよ、原因がわからないので…。」

「それは困ったな…。とりあえず、原因の突き止めと、修復に急いでくれ。」

「はい!」


(困ったことになってしまったな。もうあと2日もないのに……。このままでは、地球が滅んでしまう…。)


「すいませーん!主任!!」

「ん?これまたどしたの?」

「ロケットの原因はまだ判明していなのですが、たった今、宇宙観察部の方から、新たに地球に隕石が向かってるという情報が入りました。」

「…うんうん、新たに隕石がね〜……。」

「大丈夫ですか!?主任!現実を見てください!」

「おっと、すまない。」

「いえ、その隕石なんですが、今までの隕石よりは小さいそうですが…油断はできません。」

「じゃあ、なおさら早く、ロケットを作らなければならないじゃないか。」

「そうですね。では私はロケットの制作に戻ります。」


『……隕石同士が砕ければいいのに…。』


「隕石同士がぶつかる?……それだ!いい案を思いついた!」



 日本に戻って、世里家の様子を見てみよう。


「ゆっくりできるのも今日までだな。」

「そうだね。」

「名残り惜しいなー。」

「やっぱりお父さんもそう思う?」

「もう、釣りできないのか…。名残り惜しいな。」

「そっちかい。」


 快斗のツッコミを久しぶりに聞いた。快斗のツッコミを、聞くのも今日が最後かもな。


「明日にはもう、地球を脱出する準備をしないとだめだからね。」

「明後日には、この地球はないのかな?」

「わからないな。」

「でもまだ、希望あるんじゃないか?ちょっとでも、軌道がそれたら…。」


 そんなことを話していると、テレビの番組が急にニュースに変わった。


『こんにちは、たこやきニュースです。

 番組の途中ですが、今入ったニュースをお伝えします。

 つい先程、アメリカのNASA国際宇宙センターは第2の隕石接近していると発表しました。NASA国際宇宙センターの情報によると、隕石の大きさは今までのとは少し小さいそうですが、まだ、油断はできないそうです。』


「っ………」

「…マジかよ。」


 一瞬でみんなの顔は希望から絶望に変わった。


「1つ目の隕石がそれても、2つ目が当たる可能性があるのか…。」

「でも、まだわからないな。NASAが対策を打ってないはずないし…。」

「そうだな。絶望かと思ったけどまだ希望はあるな。」

「うんうん!」


 案の定、NASAはまだ何も対策を打っていなかった。対策を考えていたのはー主任ただ一人だけだった…。

 肝心の主任は今何をしていることやら…。 


 まぁ、それは当日にならないとわからないのであった…。

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