第49話 ほんとうの本音

 日向君のほんとうの本音を初めて聞けた気がした。

 日向君の気持ちは、こっちが恥ずかしくなるくらいまっすぐで、真っ白で、とても優しくて、すごくあたたかかった。

「日向君……。日向君…………」

声にならない声が、僅かに空気を揺らす。行ってほしくない背中を、雪がホワイトノイズのように掻き消していく。涙で視界がぼやけて、彼のコートと夜の闇の境界線がまるで分からなくなる。最後の最後まで、彼の背中を見ていたくて、慌てて涙を拭ったけど、その時にはもう彼の背中を見えなくなっていた。

「大好きだったよ……。日向先生…………」

私は、色鮮やかなイルミネーションの前でひとり優しく微笑んだ。

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