パーティー【ワールドヒーラー】結成
アイラとサーラが俺に駆け寄る。
「ありがとう!勇者がここまですると思わなかったよ」
「流石セイ、おめでとうございます」
エリスも近づいてくる。
「セイの家に行きますわよ。アイラさんはセイの近くにいた方が安全ですわ。話し合いが必要ですの」
こうしてマジックハウスにエリス・サーラ・アイラが集まる。
アイラの話だったがサーラも便乗してついてきた。
あれ?おかしいぞ。アイラを守る話だったはず。
話し合いはテンポよく進む。
「セイとサーラ、アイラはパーティーを組んでみて、ダメだったら解散する方向で進めるのが良いと思いますの」
「結婚を前提にパーティーを組むんだよ」
「なんか2つの事が混ざってるぞ」
「私は前からセイと一緒にパーティーを組みたかったです」
俺にはマリナを助ける目標がある。
だが、このままパーティーを組んだ方がアイラは安全かもしれない。
アイラはギルドに居ても勇者に連れて行かれそうになった。
ここでパーティーを組まないという事は、アイラを見捨てることになる。
出来ることをやらずにサアイラが酷い目にあったら俺はまた後悔する。
アイラを入れるならサーラもパーティーに入れる流れになる。
エリスに誘導されている感じはあるが・・・・・決めた。
パーティーを作ろう。
「パーティーを作ってみよう。うまくいかなかったら解散するけど大丈夫か?」
「大丈夫だよ!」
「大丈夫です!」
「まずパーティー名を決めるぞ」
「【ワールドヒーラー】でどうでしょう?セイは王都、つまりこの世界を癒す者ですわ。なのでワールドヒーラーにしたいのですわ」
ノアワールドには王都にしか人が居ない。
王都の人間にヒールをかける事は世界を癒す事と同じか。
「良いと思うよ!」
「私も良いと思います」
「俺だけって言うより、サーラも治癒士だからそれにしようか」
「決まりですわね」
「所で、俺とエリスは18才、サーラが15才だけど、アイラって何才なんだ?」
「私は15才だよ」
「後は皆さんのランクですわね。冒険者ランクはセイがCランク、アイラさんとサーラがDランクですわ」
冒険者ランクと兵士のランクは共通化されている。
ランクの目安は、
Sランク フェイズ4の魔人を一人で複数体相手に出来る力を持つ者。
Aランク フェイズ4の魔人1体と同等の力を持つ者。
Bランク フェイズ3の魔物1体と同等の力を持つ者。
Cランク フェイズ2の魔物1体と同等の力を持つ者。
Dランク 標準的な力を持った冒険者。
Eランク 初級冒険者。
Fランク 初心者。
となる。
俺はBランクに上げることが出来るが、ガイがBランクに上がるまで俺もBランクに上げないようお願いしている。
ガイは今Cランクだが、そろそろBランクに上がると思う。
ガイはフェイズ3のプラントトレントと普通に戦っていた。
今ランクが一番高いのは勇者と騎士隊長のBランクが2人だけだったな。
SやAランクは一人もいない。
「みんなの目標はあるのか?」
「私はセイのお嫁さん」
「私はセイの奴隷になりたいです!」
全員がサーラを向く。
皆引いてるぞ。
「う、うん。そうか。じゃそれ以外の目標はあるか?」
「セイの目標は何ですか?」
「俺はノアワールドの魔人をすべて倒す事だ」
そしてマリナを救う!
「私は家が欲しい!」
「セイと結婚すれば解決ですわ。いえ、パーティーを組んだ時点でアイラさんとサーラはここに住めますわね」
エリスがサーラとアイラにウインクする。
「エリス、ありがとうございます」
サーラがエリスの手を取って涙ぐむ。
「そっか、セイと結婚出来たら後は無いよ」
「私はセイと一緒に居たいです」
「ですが、パーティーで居続ける為には強くなる必要がありますわ。セイの力は実質Aランク以上ですわ。Bランクの力を手に入れないと足手まといになりますわね」
「そっか!私Bランクになる!」
「私もなります!」
「明日買い物をして魔物狩りに行ってみようか」
「パーティーのお話はここまでですか?」
「俺からは特に無しだ」
「私も無いよ」
「では、皆で飲みますわよ!」
エリスは飲みたかったんだな。
エリスはストレージから大量の酒を出す。
「私は料理を作りますね」
「私お風呂!」
「わたくしもお風呂に入りますわ」
飲み会して酔いつぶれて寝るパターンか。
エリス、風呂に入って後は飲んで寝るだけにしようとしてるぞ。
明日の魔物狩りと買い物は厳しいな。
その後、俺達は酔っぱらって眠る。
◇
小鳥のさえずりが聞こえる。
目を開けるとエリスの顔、俺の手にはエリスの胸が当たる。
いかんいかん!
俺は寝返りを打って逆を向く。
サーラが寝息を立て眠っている。
足には柔らかい感触、アイラか。
なんでみんな固まって寝てるんだ?
しかもここリビングか。
2階の寝室にすら行かず酔いつぶれたのか。
まったく記憶が無い。
サーラが目を覚ます。
俺は服を着ていない。
俺変なことしてないよな?変なことはしてないはずだ。
「記憶が無い、昨日の記憶が無いぞ。俺変なことしてないよな?」
「大丈夫です。全員避妊魔法は完璧にかかっています」
そういう話じゃねーよ!
エリスも起きだす。
「セイ、あまり細かい事を気にしてはいけませんわ。みんな酔いつぶれてきっと記憶が飛んでますのよ」
「私も覚えてません」
「それより飲み物が欲しいですわ」
「私が用意します」
サーラの体調も悪そうだ。
「サーラ、無理しなくても大丈夫だぞ」
「大丈夫です。苦しくなってからが本番ですから」
サーラ、まだ酔ってるのか?
いや、サーラの考えはたまに読めないよな。
サーラはみんなに水を配り、料理を作り始める。
「サーラ、無理せずストレージの料理で済ますか」
「いえ、作ります」
サーラのご飯を作る音と匂いでアイラも起きだす。
一瞬で起きたな!
覚醒が早すぎるだろ!
「おはよう。朝ごはんは何?」
「おにぎりとアサリのお吸い物です」
二日酔いの事を考えて、おにぎりは小さめで、自分で食べる数を決められるようにしてある。
更にアサリの味噌汁が良い匂いだ。
「これなら二日酔いでも食べられるな。みんな座るぞ」
みんなでテーブルに着く。
サーラとエリスは少食だったが、アイラはおにぎりを食べつくした。
俺は全員に
「今日の魔物狩りは中止な。午後に買い物だけ行こうか」
エリスはギルドに帰り、サーラは家の大掃除を始めた。
アイラは冒険者登録に行った。
俺はポーションでも作るか。
パーティー結成後はみんな酔いつぶれてグダグダで終わる。
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