奴隷の紋章って一瞬で消せるよな?
サウナから出るとサーラはワンピースに着替える。
部屋に戻るとすぐに切り出す。
「サーラ、奴隷の紋章を見せてくれ」
「はい」
サーラは火照った顔をさらに赤くする。
ワンピースをたくし上げた。
こ!これはアウトだ!
黒いパンツ。
白い肌に黒いパンツがくっきりと浮かぶ。
「すまない。ズボンを履いてくれ」
「だ、大丈夫です。奴隷の紋章の書き換えをお願いします」
俺は魔法を使う。
一瞬で奴隷の紋章が消えた。
「消したぞ」
「え?」
サーラは何故か嫌そうな顔をした。
「そんな!」
サーラが泣きそうな顔になる。
あれ?俺良いことしたよな?
なんか俺が悪いことしたみたいになってない?
「私がやったら完全に消すまで一か月はかかるのに」
「魔力が強くなったからな」
俺は治癒院時代に何度も倒れるまで魔力を使い、更に大量の魔物と戦闘し、魔人まで倒した。
魔力は大幅に上昇しているのだ。
「それだけじゃありません。無詠唱でした。無詠唱は高速詠唱よりさらに高等技術です!」
「それも出来るようになった」
大洞窟でヒールを唱え続けている内に何で『ヒール』って言ってるか分からなくなってきた。
試しに何も言わずにヒールを使ったら出来たのだ。
「凄いです。私を奴隷にしてください!」
「・・・ん?」
意味が分からないぞ。
話の流れが分からなすぎる。
「本気なんです!」
俺はしばらく固まった。
「怖い目にあいすぎたんだ。今日は休もう」
ベッドはいくつもあったがなぜかサーラは俺のベッドに入ってくる。
「ん?」
「怖いんです」
「そ、そうか、でも俺も怖いぞ。男は狼っていうよな?」
「バッチこいです!」
急に大きい声を出す。
「ん、ん?」
「セイさんになら抱かれたいです」
「怖い目にあいすぎたんだ。今日は休もう」
サーラが抱き着いてくるが、今度は足も絡ませてくる。
密着度が上がって破壊力抜群だ。
俺は次の日の朝まで眠れなかったが、サーラは丸一日寝ていなかったせ為かすやすやと眠る。
まあ眠らなくても俺は大丈夫だが、それよりサーラが可愛い。
興奮してしまう。
そっちの方が問題だった。
サーラが目覚めると朝食を作ってくれた。
ただ、エプロンを着用するサーラの尻に目が行ってしまう。
後ろ姿もとても女性的だ。
後ろ姿にも惹かれてしまう。
ごはん・味噌汁・焼き魚とよく見る朝食だが、旨いな。
特別な材料を使っているわけではない。
ご飯の炊き方や水分量、みそ汁の具のバランス、焼き魚の焼き加減すべて丁度良いのだ。
「旨いぞ」
「良かったです」
さっきからご飯を食べる俺をぐっと見ているが、正直食べにくい。
「見られていると食べづらいぞ」
「気にしないでください」
サーラが微笑む。
サーラは俺から離れても大丈夫になったし、表情も和らいだ。
大分回復したな。
「サーラ、ギルドに行こう。射撃の練習の話をして来たい」
「分かりました」
サーラが俺の腕に絡みつく。
サーラは俺から離れることなくギルドに向かった。
◇
ギルドに着くとエリスが迎える。
「サーラ、射撃訓練の話を進めたい。そろそろ離れようか」
「私怖くて」
サーラがさらに密着する。
エリスがじっとサーラを見る
「多分もう治ってますわよ」
「治ってません!」
エリスがジト目でサーラを見る。
サーラは目を逸らしたまま離れようとしない。
「話が進まない。進めるぞ」
◇
「・・・・・なるほど、分かりましたわ。治癒をして空いた時間に射撃訓練、出来ますわよ。それにギルドに居たら安全ですわ」
「セイさんと一緒に居たいです」
「強くならないと厳しいな。正直自衛出来ない人間とパーティーを組んで死なせたら嫌だぞ。俺も完全に守り切る自信は無い」
サーラはしばらくギルドの宿屋に居てもらおう。
俺の理性が持たない。
「頑張って戦えるようになります!」
サーラはすぐに射撃場へと向かった。
怖いのは完全に治ってるな。
それからサーラは毎日熱心に射撃訓練を続けた。
その表情には鬼気迫るものがあったという。
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