神代人・故人・その他

 ・ストリ・リッゲンバッハ

 種族:神代人(古代人間)

 年齢:18歳(新共通歴準拠)

 性別:女性

 出身:共和国

 誕生日:3月4日(新共通歴準拠)

 身長:146cm

 【容姿】

 太もも近くまで伸びる長い金髪と、美しい碧眼を持つ。顔立ちは目が大きく鼻の小さい美形で、体格に対し輪郭も小さい。体格は14歳から18歳までの間に1cmほど身長が伸びたものの、小柄さにほとんど変化はなく、恭一には薄っぺらいと称されるほど女性的な凹凸は非常に小さい。ただ手足は比較的長く、腰の位置もそれなりに高い。

 あらゆるシーンで使いやすいからという理由から、学生服であるセーラー服を着用し、足元にはハイソックスとローファーを履く。成長後は研究所職員用の白衣も纏う様になった。部屋着としては大きめのスウェットやジャージを着用する。

 武器の類は一切携帯しない。


 【人物】

 マキナのOS開発を行っていた天才少女。カール・ローマン・リッゲンバッハの孫娘。

 生まれから12歳頃までを共和国で過ごしたが、父親が冤罪によって処断されたことを理由に、祖父と母親であるメヌリス・リッゲンバッハに連れられて亡命。以後、祖父と共に玉泉重工技術研究所内を中心に学生として生活していた。

 14歳までの時点で黒鋼の基本システム完成させ、軍から非常に高い評価を得ていたことから、次世代型マキナ開発プロジェクトにおいても新規OSを手掛ける中心となっている。この時期に恭一と出会っており、試作機のテストパイロットを務めた彼と、1年間に渡って研究所内で共に生活する中で、淡い恋心を抱いていた。なお、試作機に名称は与えられなかったが、ストリのお気に入りとされていた恭一の専用機であったため、影ではチャイルドオブストリと呼ばれていたとされる。

 それらのデータを元に3年の月日をかけ、18歳の時点で第三世代型の基本システムはほぼ完成させている。時期を同じくして研究所を訪れた恭一と再会し、長く会えなかったことに文句を言いつつ、自身の心中を打ち明けて初恋を成就させた。しかし、直後に技術研究所の襲撃が発生し、恭一の助けによってシェルターへの退避には成功したものの、内部に仕掛けられていた爆弾の炸裂に巻き込まれて命を落とした。

 その後は、恭一の夢や無意識の中に登場する他、彼女の遺伝子データを元に生み出されたポラリスがその記憶や感情を断片的に引き継いでいる様子が伺える。

 性格は天真爛漫で少々自分勝手。恭一には年齢よりも子どもっぽいと思われていた。学生でありながらシステム開発には強いプロ意識を持っており、データの取得にも一切の妥協を許さない様子を見せている。一方、私生活においてはリッゲンバッハの飲酒を咎めるような場面もあるものの、恭一の部屋へ入り込んで居座って断りもなく菓子を食い荒らしたり、自室が汚いことを指摘されて恭一に掃除を手伝わせたり基本的にはズボラで我儘だった。なお、再会時には部屋が綺麗だったことを恭一に感心されているが、直後にこの世を去っているため、18歳時点でズボラな生活スタイルが本当に改善していたのかどうかは謎に包まれている。

 食事の面においては、菓子や肉を好む一方、極度の野菜嫌いであり、栄養バランスの偏りを心配した食堂員から、ストリ・スペシャルとあだ名された野菜を増しの定食を毎日提供され悪戦苦闘していた。ただ、恭一から大きくなれないと言われて以来、苦手を克服する努力は重ねていた模様。

 趣味はゲームであり、電子品からボードゲームまで種類を問わず何でも得意としていた。それに付き合わされていたことで、恭一は趣味としていないながらゲームの実力を持つに至っている。また、休日の外出や買い物も好むものの、立場上自由な外出が難しいことは理解して控えていた。



 ・カール・ローマン・リッゲンバッハ

 種族:神代人(古代人間)

 年齢:75歳(新共通歴準拠)

 性別:男性

 出身:共和国

 誕生日:6月13日(新共通歴準拠)

 身長:172cm

 【容姿】

 口を覆い隠す程の白髭と、側頭部の白髪を残して禿げ上がった頭が特徴。顔立ちは輪郭が丸型で目鼻口共に大きく、碧眼を持つ。体格は恰幅がよく、大酒飲みであることから大きく腹が出ていて腕脚は太い。

 衣服は日常生活も含めて白衣スーツを身に纏っていることが多い一方、研究所外では背広も着る。その他、オーバル型の眼鏡をかけている。

 武器の類は一切携帯しない。


 【人物】

 マキナ開発の天才と称された技術研究者。既存歩兵を完全装甲化、重武装化しつつ歩兵特有の柔軟性を維持することを主眼においた、汎用機甲歩兵論を提唱していた。

 元々はカラーフラ・インダストリの主任技術研究員として、同じく技術研究者だった息子と共に第一世代型マキナであるフクシヤと、第二世代型マキナであるヴァミリオンを開発。その高性能から共和国軍の優位を生み出している。ただ、その先見性と圧倒的な活躍から周囲の妬みを買い、息子が無実の罪で投獄、処刑されたことから共和国に反感を抱いて、残された息子の妻であるメヌリス・リッゲンバッハと孫娘であるストリ・リッゲンバッハを連れて企業連合へ亡命した。

 その後、マキナ開発に立ち遅れていた企業連合から依頼されて玉泉重工の主任技術研究員となり、ストリと共にヴァミリオンを超える第二世代型マキナとして黒鋼を設計。性能による共和国の優位を喪失させ、以来長年に渡って企業連合側が戦争で優位に立つ要因を作った。

 更に共和国に対して決定打を与えるべく、第三世代型マキナの開発にも中心者として参加。操縦技術優秀者である恭一に興味を持って接触し、以来公私共に深い付き合いを続けていくことになる。

 共和国のテロ行為によりストリが落命した後は、彼女の作り出した基幹システムを元にOSも構築し、尖晶と翡翠、更には完全無人化の成されたシンク・マキナの開発も行い、共和国への攻勢を影から強めていった。この時期に、共和国軍との戦いで意識不明の重体を負った恭一を、友人であるコルニッシュ・ボイントンやメヌリスの協力を得て、生命保管システム内で蘇生させた上で800年の月日を保存させている。

 しかし、文明崩壊が起こった後、企業連合と共和国が合同でテクニカを作り出したことによって企業連合に失望。見かけ上はテクニカに合流したものの、内部から各地のマキナへシステム更新を促す形で暴走ウイルスを送り込み、僅かに点在していたあらゆる神代文明が消滅させた。なお、これらの計画時点から遥か未来に目覚める恭一のために技術を残すため、放棄されていたガーデンへと各所から物資を集めており、マキナの暴走が始まる寸前に、自身もキメラリアやデミを連れてガーデンへと退避。司書の谷の原型を竪坑に生み出し、自らの人格をガーデンの基幹システムへコピーした後、重度のエーテル汚染によりこの世を去った。

 性格は大らかかつ理知的。基本的に好々爺たる人物であり、肩書や階級を気にせず誰とでも気さくに話すお人好し。また、マキナ開発の先駆者で天才と謳われるだけあって、非常に理知的な面も持ち合わせる。また、私生活では孫娘の前に注意されて自虐する卑屈な一面もあった。だが、共和国に対する強い恨みも本物であり、それに与したあらゆる相手を滅ぼすことに執念を注いでいたとされる。しかし、メヌリスによって生み出されたポラリスを見た時には、流石に困惑していた模様。

 大の酒好きであり、仕事中以外は酒瓶片手に過ごすこと多く、恭一からは常に赤ら顔と称されている。そのため、肝臓の数値などは常に悪く、メヌリスからは禁酒を言い渡され、日常ではストリにも監視されていた。




 ・メヌリス・リッゲンバッハ

 種族:神代人(古代人間)

 年齢:44歳(新共通歴準拠)

 性別:女性

 出身:共和国

 身長:160cm

 【概要】

 雪石製薬地下研究所の主任研究員。ストリ・リッゲンバッハの母。

 容姿はストリによく似ていたとされるが、詳細については言及されていない。晩年は精神的な不安定さからかなりやつれていた模様。

 エーテル・アストラル遺伝子科学研究のパイオニアであり、元々は共和国国営研究所の職員だった。しかし、共和国内の策謀によって夫が無実の罪で投獄、処刑されたことで激しい恨みを募らせ、義父であるカール・ローマン・リッゲンバッハやストリと共に企業連合に亡命。雪石製薬に共和国側の研究情報をリークしたことで、同社のお抱えとなって先進技術研究を実施。エーテル汚染地域において発生していた超能力の発現と実用性を研究、兵器化を行うための計画、プロジェクト・スターチャイルドも立ち上げている。

 ただしこの計画は、共和国の襲撃に巻き込まれて死亡したストリをホムンクルスという形で復活させることを目論んだもので、その他の目的は全てプロジェクト資金を獲得するための建前でしかなかった。

 計画はストリの遺伝子情報をベースとして様々な遺伝子をかけあわせた結果、偶然にも初手からポラリスを生むという形で結実し、建前としていた超能力の発現と強化にも成功している。ただ、メヌリスは生まれたポラリスを1年ほど娘のように育てたものの、各所でストリの面影を滲ませながらもやはり別人であることを思い知らされ、エゴイズムによって生み出した兵器としての命という側面からの良心の呵責あって、精神的に不安定となった結果、ポラリスの養育を他者に任せて距離をとるようになった。

 一方、その苦しみによって共和国への恨みを一層募らせて研究に没頭し、ホムンクルスの能力拡大と量産化を求めたプロジェクト・フェアリーにおいては、アストラル体の研究から生命保管システムを開発している。

 文明崩壊後が起こると、企業連合側全体に共和国との合同で立ち上げられたテクニカへの合流を求める声が大きくなったことで、企業連合にも失望。完成していた生命保管システムには、恭一とダマル以外は身体の再生成を失敗するよう細工を施し、ポラリスも自身のラボに置かれていた試作機に入れて保護した上で、リッゲンバッハの策を手伝ってマキナを暴走させた後、拳銃を使用して自ら命を絶った。

 


 ・コルニッシュ・ボイントン

 種族:神代人(古代人間)

 年齢:歳(新共通歴準拠)

 性別:男性

 出身:共和国

 身長:180cm

 【容姿】

 スポーツ刈りにした金髪と、四角いと称される顔が特徴。目は小さく瞳は青い。体格は大柄で全体的に角ばった印象を受ける。

 服装は800年前時点では白衣スーツを主に着用していたが、現代文明下においては袖を捲った白いワイシャツとスラックス姿が基本となり、インナーにはパイロットスーツも着込むようになっている。その他、スクエア型でリムレスの眼鏡をかけることがある。

 武器の類は拳銃を腰のホルスターに入れて携帯する。


 【人物】

 共和国に属した名高い生物学研究者。モーガル・シャップロンの夫であり、アラン・シャップロンの父。

 エーテル汚染が生物に及ぼす影響を中心に研究しており、後に起こるであろうことが示唆されていた危機的な空間エーテル濃度の急激な増大に対応するため、人間のエーテル汚染耐性および親和性を強化する方法を模索していた。

 その過程において、動物が持つ強固な耐性の獲得を目指した遺伝子的な合成を実施し、各種キメラリアを生み出した他、友人であったカール・ローマン・リッゲンバッハの頼みを受け、生命保管システムに保存された人体データを修復するという方法で、瀕死状態だった恭一を救うという離れ業を見せている。

 一方、エーテルが遺伝子に及ぼす影響を用いた方法には不明瞭な部分が多く、研究中にミクスチャを発生させる事故を起こし、最終戦争発生の原因となってしまった。そのため、文明崩壊の原因は自らにあると考えており、不完全なハイパースリープによって文明崩壊を生き延びた後は、エーテル汚染に身体を蝕まれていることを知りながら、贖罪として困窮する人々に手を差し伸べ続けた。

 その中でルイス・ウィドマーク・ロヒャーと行動するようになり、モーガル・シャップロンも合流。古代技術をサルベージしながら各地を転々とする中で、ルイスには神代の生物学を、モーガルにはマキナの操縦を教えている。なお、生活を共にする中、長く生きられないことを知ってなお求婚してきたモーガルを受け入れ、彼女との間にアランを設けた。しかし、アランが1歳に届かない内に急速な衰えが起こり、最終的には多臓器不全を起こしてこの世を去った。

 性格は豪放磊落なお人好し。そのあまりに快活な雰囲気は、周囲から研究者に見えないと言われていた程。なお、現代に目覚めてからは、文明崩壊を引き起こした大罪人という意識を強く持っていたことから、現代を生きる全ての人種に対し、一層お人好しさを加速させていた。

 基本的にアウトドア派だったとされ、車やバイクのような機械を所持、改造することを趣味としており、研究者として大成した後はマキナ操縦ライセンスを取得。民間向けのハイエンドモデルであるノルフェンを購入し、様々な改造を施していた他、停戦時期に持ち込まれた八重山自動機製45型オートメックを購入。サラマンカと名付けて相棒としていた。



 ・笹倉ささくら

 種族:神代人(古代人間)

 年齢:43歳(新共通歴準拠)

 出身:企業連合 

 性別:男性

 【概要】

 企業連合第一軍高月師団第三機甲歩兵大隊において、大隊長を務めた男性。恭一の上官であり、徒手格闘技術の師匠に当たる人物。最終階級は大佐。

 浅黒い肌に白い歯、白髪交じりの黒髪と、あちこちに走る古傷が特徴。顔には古傷と共に年齢相応の皺が刻まれていた。

 企業連合軍の徒手格闘技大会優勝者であり、カール・ローマン・リッゲンバッハとも交流があったとされる。恭一からは、マキナの模擬戦でなら格闘に限定しても勝てるのに素手だとまるで敵わない相手。

 文明崩壊によって死亡したと思われるが、最期に関する情報はない。


 ・高月たかつき

 種族:神代人(古代人間)

 年齢:64歳(新共通歴準拠)

 出身:企業連合 

 性別:男性

 【概要】

 企業連合第一軍高月師団において、師団長を務めていた老齢の将校。最終階級は准将。

 笹倉と古い付き合いであったことから、第三機甲歩兵大隊を目にかけており、恭一と接する機会も比較的多かった。なお、格闘技で笹倉の相手をまともにできるのは天海だけ、と考えていた節があり、他の士官が怯える戦技訓練では毎度恭一を指名していたため、恭一からは苦手意識を持たれていた。

 文明崩壊によって死亡したと思われるが、最期に関する情報はない。



 ・井筒いづつタヱ

 種族:神代人(古代人間)

 年齢:26歳(新共通歴準拠)

 出身:企業連合

 性別:女性

 【概要】

 企業連合第一軍高月師団第三機甲歩兵大隊特殊作戦部隊に所属した女性兵。最終階級は少尉。

 外見的特徴は、髪を青く染めていたこと以外語られていない。

 軍学校における成績優秀者であり、特にマキナ操縦適正が高かったことから、元々はアグレッサー部隊に所属していた。その技量を見込んだ笹倉の根回しによって、欠員の出た夜光中隊に異動した経緯を持つ。

 なお、夜光中隊においては、入隊早々規律のたるんだ様子に激昂し、恭一の実力が本物か測ろうと模擬戦を挑んで惨敗。経験のないほど一方的な戦いのショックに泣き出してしまったことで、堅物と敬遠していた夜光中隊の隊員たちが、慰めつつ打ち解けるという奇妙な結果を招いている。

 実力差を理解した後は中隊の雰囲気に順応するよう努力し、恭一の僚機として真面目で優秀な兵士へと成長。共和国から大侵攻時には、殿しんがりを務めた恭一の翡翠を真っ先に回収へ向かい、ギリギリで命を救っている。

 文明崩壊によって死亡したと思われるが、最期に関する情報はない。 



 ・一色巽いっしきたつみ

 種族:神代人(古代人間)

 年齢:68歳(新共通歴準拠)

 出身:企業連合

 性別:男性

 【概要】

 企業連合総長を務めた男性。玉泉重工グループの代表取締役でもあった人物で、その他様々な大企業との強いコネクションを持っていたことから、大国の為政者となっていた。

 文明崩壊の際には生命保管システムに保存され、世界の再生を担う1人とされたものの、メヌリスの仕掛けた細工によって再生に失敗して死亡している。

 なお、企業連合における最高権力者であったことから、最高クラスのセキュリティIDを持っており、生命保管システム施設内に残されていたデータをダマルが持ち出し、遺跡の探索に役立っている。



 ・藤堂とうどう

 種族:神代人(古代人間)

 年齢:39歳(新共通歴準拠)

 出身:企業連合

 性別:男性

 【概要】

 雪石製薬地下研究所において、遺伝子科学研究を行っていた男性。プロジェクト・フェアリーではメヌリス・リッゲンバッハの下で副主任として働いていた。メヌリスが不安定な精神状態からポラリスを避けていた時期、彼女の養育と観測を担当していた1人でもある。

 強硬なテクニカ合流派であったため、上司であるメヌリスの意見に対して懐疑的で、その動向に注意を払っていた。しかし、メヌリスが怪しいというだけで何かの確証を掴むことはなく、施設を襲ったマキナの暴走によってラボ内で死亡した。

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