第26話バカラのグラス

私はチーズが好きだ、ヒロはすでに冷蔵庫に

数種類のチーズを用意していた。


コンビニではパスタやグラタン

明日の朝用のパンなどなどを買ってきた。

ヒロは用意してあったワインを出して

グラスを二つ出した


   特別な日に使おうと思ってたんだ

   バカラのグラス


私は特にリアクションをしなかった。

ワインを飲んだ、私はいつもより酔った

そして、

前の彼氏のじまん話しをたくさんして

バイトしたキャバの話しをした。

お金持ちの人や私にハマってた人、カッコ良かった人、デートした人の話し

男の話しばかりしたら、ヒロと私は釣り合わないと遠回しに言っているように、話した


ヒロは普通に話しを聞いていた。嫌がるわけでもなく、聞きたく無いとかいうわけでもなく、

むしろとても楽しいそうにしている。

私は出来る限り男の話しばかりした。

2個しか無いバカラのグラス

私は苛立ちで少し強くテーブルにおいた。

グラスは割れワインはこぼれてカーペットにシミが出来た、私は心ないこえで


   あ、ごめん


と言ったけど、全く動かなかった

ヒロは手を切らなかった?と私を心配した

そして片付けグラスを洗いに行った


普通のグラスを持って来てヒロが使い

私にはまたバカラのグラスを置いた


本当は怒ってるんだろうな、と思っていた

だけどニコニコしているヒロにイライラした


私はヒロの知らない男の人との話しをたくさんした。

お金持ちの人にブランド品を買ってもたった話しや、

キャバに毎日通ってくれるイケメンの人

デートに行った話しや、キスをした話し

エッチをした話し。

最低な女な話しをした。


普通なら、うんざりするはず、

だけど変わらない、

私はさらにイライラしていた、テーブルに

グラスを置いた時ヒロのグラスにぶつかって

2個目のバカラのグラスが割れた


   あ、また割れちゃった


私は謝りもしないし片付けもしなかった

テーブルはワインで濡れ、カーペットはまた汚れた、



嫌われただろう。もう、高校生の時の私とは別人すぎて、

いい加減嫌気がさしただろう。


  シャワー浴びたいんだけど、


私はそう言ってシャワーを浴びて

メイクを落とした。

シャワーから出るとテーブルは片付けられていて布団が敷いてあった


   鏡かしてくれる?

私は愛想なく言って鏡を借りて、化粧水やら乳液をつけた


   かわらないね?


   え?


   花、スッピンになると高校の時と

   顔が変わらないよ。


私は何も言わなかった、

そして、

   疲れたから寝る


と言って布団に入った

ヒロはキスをしてきた、私は拒まなかったけど、反応もしなかった、ヒロはずっとキスをひていた。全身、足の指までも、


もう、やれればいいんだろうな?と思った


ヒロは身体中にキスをつづけた、

時折、小さな声で

   

    花、花、、

と呼んだ

私は呼び返さなかった、


寒がりな私、部屋は暖かい

暑がりなヒロ汗をかいている、


なんで?と思うくらい長くずっとキスをつづけた、

私は天上を見ていた。

何時間くらいそうしていただろう、

あまりに長く

私は


  ヒロ?もうやめて


そう言うとヒロは


  ごめん、、、

そう呟きシャワーを浴びた

私は始発の電車を調べた、なぜかわからない

とことんヒロを傷つけたかった、

キズついた様子を見せないヒロに、私はどんどん冷たい態度になった、


始発を調べると寝たふりをした。

あと2時間位で朝だ、

ヒロは布団に入ると

裸の私をそっと抱き寄せ眠りについた、

ヒロが完全に寝ているのを確認して

そっとヒロの腕から抜け出し、着替えた、

ゆっくり歩けばちょうど始発がくる。

私は薄暗い部屋で支度をして、ヒロを起こさないように、ヒロの部屋を出た


なのに。

ヒロが気がついて追いかけてきてくれないかと、思っていた、


始発がきた、ヒロは来ない、私は始発に乗らなかった、ヒロが追いかけてきてくれるのを待った、何時間駅に居ただろう?3時間はとっくに過ぎた、ヒロは来なかった、

連絡もなかった。

私はヒロはもう私が嫌いになったはず、

そう、思いながら、次の電車で帰った


ヒロから連絡は来なかった、

夜になっても連絡は来なかった、


  終わり


私は嫌なワガママな女として、ヒロの記憶に残るだろう。


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