第18話面影

私は体調不良を学校に相談した。

通信制で資格もちゃんと取れる

学校に転入する事ができた。


だから短い時間スポーツ事務の受付のバイトをした。


ヒロ?

たまにそう見える似てる背格好の人を見ると

胸が締め付けられた。


アツシは私がナンパされるのが心配らしく

ジムに入会した。

アツシは平日仕事

私は土日バイト

すれ違いの生活になり会う日が減った


ジムは三階で、外がよく見える

夕方になると

高校のサッカーグラウンドを思いだした。

オレンジ色とヒロ


ジムで汗を流す人の姿が夕日に照らされ

シルエットだけになると

ヒロを思い出した。

自分でも、ヒロへの気持ちがなんなのか分からなかった、

青春のかけら?

そんな風に思った。


アツシがジムに来ると

車の中で飲み物を飲んで少し過ごした。

キスをして。

今日の話しをしてさようなら。


ある日アツシが、お前は俺の事もっと好きになれないの?

俺はこんなに好きなのに、と言われ


好きだよアツシの事。


違う、凄い好きなわけじゃない。

不安になるんだ

たまに他の人を考えてるような気がして

だって、花は、ワガママも言わない

会えなくなっても会いたいと言わない。

俺だってモテないわけじゃないんだ、

彼女がいても、それでもいいからって

言って来る子もいるんだ!

待ち伏せしてたり。

お弁当作って来てくれたり

彼女にして下さいと言われてるんだ



私はそれを聞いて


なら

その子を彼女にしたら?


わたしはネックレスと指輪を外すと

アツシに返した。


アツシは次の日もジムにやってきて

たくさん謝って。

ネックレスと指輪を渡してきた

私は受け取ったけど

つけなかった


彼女がいるとわかっててお弁当を作る子か?

私にはそんな健気な事できないな。

可愛く無い女だな私、



だいたい私は

アザといと女子には言われ

かと言って

彼氏に媚びたりしない。

ワガママな女だ。

陰口を女子に言われ

男子はキズつける。


男振り回して楽しんでるんでしょ?と

何度か言われた事がある。


ただ。私はその時そう思ったままに話している

つもりなのだけど。

可愛げの無い彼女で

アザとい女

私は嫌なヤツだ、嫌われてもしかたない。

うんざりされても仕方ない。

それでいいや。

私は私、変えられない。


卒業してヒロの姿を見れなくなってから

ヒロの面影ばかり

見つけてしまうのは

きっと無いものねだりだろうと思った。

購買で待っていてくれるヒロは当たり前で

ただ、それが、無くなったから

対して会ったりもしなかった癖に無くなったら

泣いて探す子どもと同じだ、

私はワガママなだけだ。


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