冬の川

刺すような冷たさの風

自転車のペダルを踏めば

ぼくに向かって

襲いかかってくる


冬の川は風を静かに受けとめて

冬の川は光を白く跳ね返して

ゆらゆらと表情を

変えるだけ


土手沿いの道を

自転車で進むぼくは

いつも川を見つめている

そして 心の中で独り言をつぶやく


ぼくの不安も恐れも

川はたんたんと受けとめて

川下へ 川下へ

押しやってゆく


ゆらゆら ゆらゆら

相も変わらず


風の冷たさも

水の冷たさも

冬の川は感じさせない

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