第15話 予定と打算

「そんな!いくらなんでも!

子供達を置いて行くなんて!」


☆☆☆



クリスの上位回復魔法

【ハイ・ヒール】により

1人は手遅れだったが

犠牲者3名はすっかり回復している


凄い!上位の司祭が使う魔法を簡単に

3回も!エリーゼは感心する!


憔悴して幽霊の様になってしまった

アリステラにクリスは【質の良い小剣】

【雷属性の宝剣】を貸し出し


「これで切れば相手は痺れる容易に倒せるはず!戻ってくるまで自衛しろ!」


「お前ら3人はゲートの破壊

魔法で吹き飛ばせまだ敵がいるかも知れん」


この村で3人がゴブリンのコボルト合わせて

30匹は倒している


「充分いけるはずこの先の丘にできている

すぐに見えるはずだ!」


「破壊したらこの教会に帰還!

私も用が済んだら帰る!」


「ここを見捨てた司祭に落とし前を

つけにいく!」


アリステラがピクリと反応した!

「私も連れて行け」


「お前はゲートが破壊されるまで

生き残った子供を守れ!

自分の目的を見失うな!」


クリスはブー垂れるシテルを説得する

「あんまり予定変更すると

付き合い切れませんよ!」

「追加報酬希望しますからね」


「仕留めないといけないターゲットが出来た!

【探知の魔法】を使うんで上空から見つけたら

それで終わりだ!】


1キロ以内なら聖職者の反応があれば

脳内に黄色い点でわかる


1時間後

見つけた!あれだ!

必至に逃げようとしてる中に司祭を見つける

方角は合っているが人違いだと


洒落にならないが

憔悴したアリステラから聞き出した情報と

一致する頭は禿げで顔に2本の傷があり

大人にしては背が小さい


問いただしたり話をするのもめんどくさい

言い訳など永遠に聞いてやる筋合いはない!


自分は正義の味方ではなく

悪者と自覚している!


「上空から捕まえろ!」


巨大な鳥から突如捕まれ上空に引き上げられ

「ヒイイイイ!」悲鳴を上げる司祭


「聞きたいことがある、

教会や孤児院の子供を見捨てて逃げて

心が痛まないのか?」



謝罪の言葉を少しでも出すなら

ワンチャン助けようとも思ったが


「平民と司祭では位が違う!当然だ!

それよりも聖書を王国の教会に返す方が大事」


こんな奴らが生き残って偉くなるなど

害悪の極み!

シテルに命令する!「このまま捨てろ!」

シテルが常識的な意見を言う

死にますよ!


「何度も言わせるな!

明確な殺意で殺すんだ!」


上空から落とされ

地面では頭が割れて脳漿垂らして死んでいる!


ついカッとして殺してしまったが

聖書は無事だろうか?

身体をまさぐると、

予想通りに聖書が出てくる


これを奪って報告しても問題になるな!

聖書をアリステラに預けて担ぎ上げるか

後見人の司祭に私がなればいい!



これが教会側にとっても今回天の助けになる!


今頃、教会や王都は

王族貴族優先で防御を敷いて

外の村を下のものとして

格付けして助けようともせず見捨てて

国内や農家や外の商人から非難の嵐を

受けていることだろう


どうしても『見捨てていない実績』が欲しい

お遊びのゴッコ騎士団とか普段では

馬鹿にされている

【第9騎士団の手柄】エリーゼエルザと

【孤児院の子供を守り抜いた15歳の女英雄】

これにバイアスかけて増幅して祝福!

アリステラは教会への不信の目のまま

助祭でも何でもないのに

勝手にアコライト助祭にされる事になる!

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