第12話 腐女子グリフォン

上空から王都の都市を眺めると

嫌な気を感じる


異界のゲートから出てきた異質の獣

鳥というのが特に気に入らない!


上空から降下して1匹踏み潰し

威嚇したら散り散りに逃げていった!


逃がすわけないだろ


天空の鳥の王者グリフォンの敵ではない

力も非力、速度も大したことがない!


1匹以外は皆殺しにして

1匹はおもちゃとして仕留めず

わざと飛べなくなるまで

追い回し最後には疲れて墜落


私は雑食なのでなんでも食べる

墜落した鳥を食べると

まぁ不味くもないか!


私は誇り高き知恵のある

グリフォン


人間など相手にせず関わり・・・

関わり・・

関わり・・


あー私を呼ぶ魔法の笛の音がする・・・

あやつには恩があるし特別だしなー

育ての親でもあるし・・・


「シテルおいでー」


親でもあり我が主人

親から捨てられて死にかけているところを

此奴に介抱されて育てられている

そして4年は経ち

普段は野生で自由にしているのだが・・・


【テレパシー】で主人と会話する

「何ですか〜」


「ゲートを壊しに行くので運んで欲しい!」

主人とオス1名とメス2名か


「対価は?」

「本を読んでやる、そこの二人が!」


うろんな目でメスを見るが


まぁいいか子供の頃

絵本を読まされて育って人間の書物は好きだ

問題が私ではページを開けない

だが文字は読める!

私は頭の良いグリフォンだからな


手元にBLの薄い本しかたまたま無くて

絵本がそれで純粋培養な腐女子なのだが


グリフォン シテルを呼んだ主人は

クリス、あとは例のごとくギーク

エリーゼ エルザである



「ぎゃー大型の魔物!逃げろ!」


「姉さん私が燃やすわ!

外したら逃げて」


「お前らうるさい!」

慌てふためく仲間をクリスが一喝

「知り合いというか仲間だ!

お前らより頼りになる」



シテルは人間の言葉はわかるが

喋れない!発音が難しい!

テレパシーを受信する能力のある存在以外とは

あまり会話が成り立たない!

オウムの類の鳥なら喋れただろうが


やかましい

攻撃したらぶち殺すぞゴミども


主人が取りなしたから我慢したが・・・


「主人は乗っけて運ぶけど

他は載せたくない!」


「どうしてもなら爪で引っ掛けて運ぶ!」


「運んだら自由にしていいよ!

後でお礼はする!」


クリスに頭を下げた首元を撫でられて

気持ちよさそうにしながら


「了承」


「余計なお世話だけど年頃なんだから

つがいのダンナ探したらどうだ!

それが自然な姿だろ!」


「イマイチパッとしたものが居ない以上だ!」


「移動を早速頼む!」

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