4-12.ふたりの秘密が明らかになる回

4-12.それでいいのか、友よ?


土人形につつまれたまま、言い訳をはじめるジェイデン。


土人形、土でできた小さめのガンダムみたいなイメージなんですけど、伝わりますかね? もう少し描写をくわえておいたほうがいいかな。スーリの命令を受けて動きますが、命令はごく簡単なものに限りますし、効果は永続しません。ゴーレムですね。スーリが簡単にゴーレムを作れるのは、主たる魔法のほうに関係があるんですが、そこまでは書きませんでした。


ジェイデンを放り出させようとするスーリと、とめるダンスタン。このあたりでスーリがなにを考えているのかちょっとわかりづらく、またラブもぜんぜんないので、ダンスタンに代弁させてみました。キャラの心情がはっきりわかるようなセリフは、よけいに思えてもないよりあったほうがいいんじゃないかと最近は思っています。


ジェイデンが抱えていた秘密が明らかになる回。弟くんが心配していたとおり、権力側からのスパイだったんですね。というか、本人が語っていますが、ジェイデンのコミュ力ならわざわざ探らなくてもみんないろいろ教えてくれるのではと……それがスパイか。


べつに常日頃からスパイばかりしているわけではないのですが、ジェイデンのコミュ力が期待される場面というのは明るいものばかりではなかったということです。そのあたりは、第二話のラストでのセリフにもつながっています。彼がスーリを好きになったのは、第一話のラストにあるように素直で世間なれしていないのも大きな理由なのですが、それは彼が正反対の人間だからということですね。


ここで明らかになるように、ジェイデン側の秘密は、

・国王の命令で、フィリップとスーリが結託していないか調査していた

・スーリに近づいたのも、もともとは「身分違いの娘に熱をあげる軽薄な王子」と思わせることで王位を狙わないアピール

 の二点があったのでした。


スーリの側の秘密も、ジェイデンの追求でほぼすべて明らかになります。

・隣国サロワからの亡命者であること

・サロワの宮廷魔術師の姉で、自身も魔女であること

 です。


言ってしまえば伏線回収回ですが、土人形という小道具や、スーリの良心ともいえるダンスタンのアシストで、わりとおもしろく書けたのではないかと思います。


心配な点をあげるなら、四話冒頭の手紙だけでジェイデンが上記を推測できるのかというところでしょうか。手紙の差出人が弟だというのはいいとして、この弟くんが宮廷魔術師と確信できる必要があります。かといって、「宮廷魔術師としての僕の意見は」みたいな書き方をするわけにもいかないし。このへんだけ、もう一回チェックが必要ですね。


さて、そろそろ物語はクライマックス。次回から最終話の解説です。


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