4-11.スーリに魔法を使わせるかどうか

4-11.見るべきではなかったもの


4-10から4-13にかけては、直前のラブからの急転直下。ジェイデンの思わぬ裏切りと、ふたりの一時的な決別を描くエピソードです。


ここでは、防衛のためになにやら魔法を準備しているスーリ。ダンスタンとの会話からは、彼女が前にも男性に裏切られたということと、その男(騎士)がクーデタを起こしたということが語られます。このへんは、本作ではそこまで重要な情報ではないんですが、スーリの根深い不信感を出すために使いました。ちょっとバックストーリー(本編がはじまる前の話)が多いですかね~。


考えてみるとスーリは、英雄や聖女のセカンドライフというテンプレに乗っかっています。強大な力を持つ主人公が、いろいろあって引退して平穏な生活を求めるが、周囲がそうさせてくれない……というやつですね。バックストーリーが多いのはそのせいでしょうね。そのあたりを強調してもおもしろいのかもしれない。


この4-10から4-13にかけて迷ったのは、スーリに魔法を使わせるかどうかという点でした。物語のカタルシスとしては、第五話でだけばーん!と出たほうがすっきりすると思ったんですが、かといってぜんぜん出さないと、唐突に感じてやはりおもしろくなりません。結局、こうやってちょびちょび出す形にしたんですが、スーリがずるずると魔法を使う形になっているのが、ちょっと残念です。ジェイデンのために思いきって最大の魔法を解放する、みたいな流れがいちばんカタルシスがあると思うんですよね。でも、そうできるいい流れを思いつかなかったので。


「読者に魔法の知識を入れてもらいつつ」「スーリ自身はぎりぎりまで魔法を使わない」というといういい方法が思いつけば、改稿までに変えるかもしれません。


うーんでも、スーリの魔法はちょっと特殊なので、このあたりから慣れてもらうほうがいいのか?


第五話の5-8で出したように、スーリは主たる魔法(契約魔法)が強大で、それを補助する魔法として、この土や石をあやつる術を使っています。一見するとそれが主たる魔法に見えるというのが5-8に続く大事なポイントなので、やはり、土や石の術はここで出しておくほうがいいのかな。


かりにも恋愛ジャンルなのに、魔法でバトルが組めそうなほど設定を作りこんでしまいました。こうやってだんだんラブから逸脱していくんですよねえ……反省。

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