4-3.怒りのジェイデンと西のイケメン観
思わぬケンカとしょんぼりスーリ
「彼女とつきあえば?」とすすめて、ジェイデンをぶちぎれさせてしまったスーリ。恋愛にかんしてニブいことにくわえ、弟からの手紙が気になっていたのもあり、ついそんなことを言ってしまいました。もしかしたら、いつもどおり受け流されると思ったかもしれませんが、思わぬ反撃をくらいます。
私はどうも怒った男性を書くのが好きで、リアナでもヒーローたちをちょくちょく激怒させてますね。理由を考えると、「ラブラブな場面でかっこよさを出すのは簡単だけど、怒ってる場面でどうふるまうかが西のイケメン観には大事」という気がします。怒るべきときには怒ってほしいし、そこにヒーローらしさを出したい。でもヒロインを威圧しようとして怒るのではなく、ちゃんと対話しようとする怒りであってほしい。そういう理想なのかなあ。あ、でも、フィルはリアナを怖がらせるためにわざとモノに当たったりしてるか。あれは愛情と甘えとDVの境界にありますね。ああいうのも、フィクションとしては好きですが、基本は対話のひとつとして書いています。
スーリのセリフは、「きみはおれの特別な人だよ」というジェイデンのこれまでの態度をなかったことにするもので、とても無礼なものです。いくら温厚なジェイデンでも、ここで怒らないわけにはいきません。
「他人の欲望を軽くあつかう者は、おなじあつかいを受けてもしかたがないということだ」というのは「おまえにもそういう扱いをするからな」というジェイデンの宣戦布告でもあります。
ケンカ別れして、出て行ってしまったジェイデン。
スーリはショックで失敗つづき、ボードゲームにも負けてしまいます。
「希少な薬草を乾燥させすぎてこなごなにしてしまったし、本にけつまずいて倒れてアゴをしたたか打った。おまけにそのとき、手に持っていた乳鉢が吹っとんで、ピンポイントにガチョウの頭を直撃した。結果、ダンスタンがターメリックまみれになった。」という負のピタゴラスイッチが、微妙に気に入っていますw
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