4-2.第四話の目的と背景

4-2.うちに媚薬はありません


四人目の依頼人、従騎士に恋する村娘・ヨハンナ。お城に洗濯仕事をしに行ったときに出会った彼のことが忘れられない、媚薬をわけてほしい、といいます。


魔女といえば媚薬ですし、このエピソードはわりと早くできていました。ふたりの恋愛の様子と、主役カップルの進展を重ねられますし、パーティがあればラブも盛り上げられますからね!


媚薬といってただのお酒をわたすが、飲んだふたりはうまくいく――というだけの筋です。スーリとジェイデンの関係を進展させないといけないので、ヨハンナの話はあっさりめ。


この第四話は、ジェットコースターの頂点に達する前の谷みたいなものです。クライマックスにいたる前にずーんと一度、落ちこまないといけません。(すくなくとも私の好みでは) そして落ちこむ前には、最大限ハッピーな瞬間があってほしい。そういう目的から、この第四話を組み立てています。なので第一部のなかでもっともラブが進展する箇所でもあるし、ふたりの関係が最悪になる箇所でもありますね。


さて、では序盤から。


毎回毎回、依頼人が来るさいにジェイデンも居合わせるのはどうかなとも思ったんですが、結局今回もおなじパターンになってしまいました。このほうが話が早いと思って……。第五話だけはちがいますね。


しょっちゅうスーリのもとに来ているジェイデンですが、それ以外にも精力的に社交をこなしている様子。いつもどおり明るくスーリを誘いますが、スーリは冷たく断ります。弟の手紙が尾を引いているんですね。ジェイデンにもっと気をつけないといけなかったのに、ついついずるずるとつきあってしまっているのを反省しています。


そしてついに、「あなたがヨハンナとつきあってあげたら?」と無神経きわまる発言。ジェイデンをキレさせてしまいます……。

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