4-1.弟くんの話
4-1.弟からの手紙
ここからは第四話の解説になります。話タイトルは「ひきこもり薬草医、媚薬を依頼される」、あるいは「心とろけるような、あなたの」。
タイトルの話をするのを忘れてましたが、各話タイトルはもともと短いもの(第四話なら「心とろけるような、あなたの」)をつけてあり、連載時にもうちょっとわかりやすいものをとつけたしたものです。
第四話は、依頼人があらわれスーリに頼みごとをする……という形を踏襲しつつも、依頼の話は半分程度でスーリとジェイデンの関係の進展がメインになっています。さらに後半はふたりのかかえるそれぞれの秘密もあきらかになり……と、もりだくさんの内容。書くのにいちばん苦労した話でもあります。
さて、弟くんからの手紙。
もともとは、4-2が冒頭のエピソードでした。この手紙の話は改稿時につけたしたものです。「弟からの手紙」という単語自体は第一話から出ていて、そこが伏線だったんですが、もう一度出しておいてもいいかなと思ったのです。
スーリのひとりごとのなかではしょっちゅう出てきている「弟」。ここでようやく、肉筆での登場です。じつは、第一部の最終話、さらにいま書いているおまけでも、まだ弟は連絡のみでじっさいに姿をあらわしていません。スーリの回想やこういう手紙なんかでだけ出てくる弟というのが、ちょっとおもしろいな~と思ってます。でも、第二部ではちゃんと(?)姿も出てくるんですけどね。
第四話を最後まで読まれれば、スーリと双子だというのがわかります。
弟くん、スーリのことを心配しているふうなのに、なぜ離れ離れに暮らしているのか。「うちとの国境」「そちらの国」といった単語から、弟がいるのが隣国であることがわかるといいな。
「明るくて弁がたつ美男子はだいたいスパイ」もそうですが、この手紙のなかも伏線がみっちりです。そのまま読んでも、姉を心配する弟の手紙として楽しめますが、あとになって「あーなるほどー」となってもらえればうれしい。
今ちょっと見直して気づいたんですが、ここで彼が「魔女相手のマルチ商法のグループを摘発した」ことが第四話後半で重要な情報になるんでした。弟が指揮をとって摘発した、という文脈でないと、弟の素性を当てた後半のジェイデンのセリフが成り立ちません。加筆します~。
それと、後半はダンスタンとの会話で、彼の過去がすこし出てきますね。なにかとネガティブにおちいりやすいスーリをはげまし、自信を持たせようとしてくれる、いい友人です。このふたりの出会いは第二部で回想として出すつもりです。
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