2-10 ラストのセリフ、ジェイデンの意図

スーリのもとを訪れて、事件の真相について話してくれるジェイデン。内容は、ほぼ、前回書いてしまいました。


最後の会話シーンはわりとよくできたと思って、気に入っているところです。


「あなたたちは魔女をおそれるけど、わたしからしたら……人間がいちばんおそろしいわ」

「だけど、きみだって人間だ」


スーリのセリフは、暗に彼女が魔女であるかのようでもあるし、単に世間知らずなだけかもと思わせるもの。(ですよね?) 対するジェイデンは、さりげなくケープを巻いてあげたりして接触しつつ、「これからも人を避けて、ずっと山のなかで生活していくの? 友人はガチョウだけ?」なんてけっこうぐさっとくることを言ってきます。


なんでさりげなく触るんですかね? 私の書く男たちは。好みですかね、うん、好みです。種々の男どもを書いてますが、タッチ率にあまり差はない気が。みんななにくれとなく触ってきます。いちばん手が早いのはたぶんフィル。


お触りの話は置いておいて……。


完全な隠遁生活を送っているならともかく、スーリみたいに中途半端に下界とかかわれば、ジェイデンが言うように人間の悪意から逃れることはできませんよね。そこは、彼女の世間知らずなところでしょうか。


ジェイデンにはおそらく、かなりスーリが危なっかしく見えているんでしょう。クルムの話でわかるように、貴族たちのえげつない部分をよく知っている男ですから。そこにつけこみたい気持ちもありつつ、でも「そんなことは言わないほうがいい」と注意してあげるあたり、誠実であろうとはしてるんだろうなという感じです。そこが、後半では崩れるのがまた見ものですね!イキイキ


ちょっと後味の悪い第二話のラストでした。ふたりの関係も、一歩進んだかに見えて最後は退却しちゃった気もします。

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