第9話 あなたと、コンビに…
「歩こおおおお歩こぅぉ〜♫私は元気ぃぃぃ〜♫歩くの大好きぃぃぃぃ〜〜♫……………。なのに、全然痩せないじゃねえかぁぁぁあああああ"あ"あ"あ"あ"!!!!どうなってるんじゃ私の体ぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
『情緒不安定なのっ!?』
「毎日欠かさずウォーキングしてるんだよ。いや、ウォーキングなんて格好良いものじゃないな。散歩だね。そう、毎日欠かさず散歩してるんだよ!なのに痩せないんだよ!」
『そうね、買い食いしてるからじゃない?』
「そうなんだよおおおおあぁぁぁぁぁぁあああ"あ"あ"ーーーー!!!」
『もう怖いわよ。感情の起伏が株式市場並よね。』
「でも、買い食いしちゃうのもこの街が悪いんだよ!」
『理性さんがお仕事しない奈緒の体が悪いでしょ。』
「違うもーん。この相模の町はコンビニがありすぎる。鳥取県とかに分けてあげたい!」
『鳥取県ってそんなにコンビニ無かったっけ?』
「私の散歩コースにコンビニが5個もあるんだよ!」
『散歩コース変えれば良いじゃない。』
「違うんだよ!まず家出てすぐファミリーマートがあるんだよ!」
『我慢するしかないでしょ。』
「無理なんだよ!分からないかなーー!!そこに秘密の抜け道のような道があったらトトロに会えるかもしれないって気持ち湧くでしょ?入ってみたくなるでしょ!?それと同じなんだよ!」
『違うわよ。そんなメイちゃんみたいな好奇心持ち合わせてないわよ。』
「散歩の行きは我慢できる。でも、帰り道は多少の疲れや歩いたことによる空腹で魅惑に勝てないんだよね。あの青と緑色の文字に吸い込まれてるんだよ!知らないうちに店内に居るんだよ!」
『何よその異世界転生しちゃったんだよ!的な被害者感は。意識的にコンビニ来店してるじゃない。』
「だってお店入ると気持ちの良い声で絶対に"いらっしゃいませー!"って暖かく迎えてくれるんだよ!」
『まあ、それが店員のお仕事だから。』
「レジにおにぎり持っていっても、まさかのお弁当やパスタ系じゃないのに"こちら温めますかー?"って聞いてくれたりもするんだよ!」
『良い店員さんね。当たりよ。』
「そしてレジ横にはホットスナック!配置がいやらしいよね。絶対に視界に入る位置にあるんだもん。気づいたらファミチキ頼んでるよ。」
『自制心が長期休暇でも取ってるの?いや、ヤバくない?散歩帰りにファミチキとおにぎり買ってる女子高生って!?』
「ほんともうファミマには家族になってくれよって感じだよね。両親より暖かい愛を受けてるよ。」
『両親が可哀想よ。娘が夕食前にコンビニご飯食べてるなんて知ったら。』
「大丈夫!夕飯もご飯2杯はいってる!」
『そりゃ太るわよ!トトロみたいになるわよ!』
「そうなったらメイちゃんみたいな可愛い女の子にお腹の上に乗ってもらえるんだね〜でへへへへ〜♫」
『うわっ気持ち悪っ。このトトロ解禁された山でハンターに撃ち抜かれれば良いのに。』
「まあ、コーヒーはラテ置き。」
『冗談はさておき、って言いたかったの?』
「私がファミリーマートに吸い込まれないようにするにはどうしたら良いか。」
『散歩しなかったら良いんじゃない?』
「アホかぁぁぁ!それだと痩せれないだろおおおお!ぶっ飛ばすぞおおおおお!!」
『情緒ぶっ飛んでない!?というか散歩で消費するカロリーより、帰りファミマで買い食いする事により摂取したカロリーのほうが高いのよ。本末転倒してるのよ。』
「それでも散歩しないともう落ち着かない体になってしまったの!散歩は必須なんだよ!」
『なら、簡単じゃない。』
「は?寒さと暖かさ??」
『寒暖じゃないわよ。簡単よ。小銭を持ち歩いて外出なきゃ良いのよ。』
「アホかぁぁぁ!!そうしたらファミチキ食べれないでしょうが!!私は帰り道のファミチキが楽しみで毎日散歩してるんだぞゴラァァァ!!!」
『痩せる気最初からゼロなのかよゴラァァァ!』
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