宇宙にゃんこのゆず

「宇宙にゃんこって知ってるか？」
突然そう訊いてきたのは同僚のミズキ。社内でも噂好きで有名なミズキは、嘘なのか本当なのか分からないような噂話を誰彼構わず聞かせて回るような奴だった。当然彼は、みんなから嫌われていた。小学生の頃からの付き合いの俺は、みんなとは違い彼自身のことが嫌いではなかったが、彼の行き過ぎた噂好きは正直疎ましかった。でも、そんな彼の様子が今日は違った。俺は、彼の噂話を聞いてみることにした――。