第26話 知るは悪意のplan

第26話 知るは悪意のplanプラン


 5月22日午前11時45分。ウールブルズに着いたリュール達は極魔獣による被害の有った所へ向かって行った。


「今回は細かい調査じゃなくてそこに残ってある魔力を調べるんだね?」


「魔力ってどうやって調べるの?」


「そのことについてなんだけど・・ここに行ってパラドクスって人に聞けば分かるみたいだよ。」


「OK!じゃあ、そこに行こう!」


(パラドクスがここに居る?なんでだ?計画に何かあったのか?)


ザザの少し悩んだような表情をリューラは見ていた。だが、何も聞くこともなく歩き出した。

------------------------------------------------------------------------------------

 ウールブルズの最北端に位置する、キャンベル区に3人は到着した。ここは極魔獣が出現したエリアだ。そこで道具屋を営んでいる(と言う設定の)パラドクスに話を聞きに行った。


「いらしゃい!クロノス様から話は聞いてるよ。調査?をするんだってね。道具ならここにあるよ。」


「ありがとうございます!早速借りてもいいですか?」


「OK・・・だが、少し話をしよう。貸すのはそれからだ。」


「わかりました。」


リュール達が聞こうとしている話は、2人は聞きたくないことであり、ザザは秘密をバラされたと言うべきものだった。


「君たちに話すのは少し先の未来の話だ。10月31日にエウシュディケにある教会の塔を中心に極魔獣を放つ。そして同時刻に全ての国にも魔獣を放つ。」


「・・・・え?」


「それを企てているのは他でもない・・この俺だ!」


「・・・な・そんなまさか?」


「もし、本当ならば、ここであなたを全力で止める!」


「おっと💦まだ話は終わってないぞ?ちなみにこの計画は俺1人だけでは無い。まだ4人いるのだよ。誰が俺の仲間か当ててごらん?それに今の君たちじゃこの俺を止められない。」


「・・そんな事やってみないとわかんないよ!」


「私たちであなたを止める!」


「はぁ〜面倒だ。殺さない程度に相手してやるよ。」


3人は剣と杖を構え、パラドクスは小ぶりなナイフを構えた。


「ナイフか?手加減してるのか!」


「当たり前だろ?君たちは俺に攻撃を当てることはできない。」


「舐めないでよね!」


リューラは杖を掲げ水魔法を放った。


「アクティウス・バレット!」


無数の水弾すいだんがパラドクス目掛けて放たれたが、一発も当たることは無かった。そしてリュール達の後ろに着弾した。


「うそ!?なんで後ろに・・・」


リューラの背後にパラドクスは立っていた。そしてナイフを刺していたのだった。


「な・・なんで・・」


「リューラ!!!」


「ハハハ!だから言ったろ、俺に攻撃など当てれないと!」


「・・・ない・・許さない!お前を斬る!」


「バ、バカ!よせリュール!」


磁槍剣颯じそうけんはやて2連斬。爽風斬そうふうざん


リュールは今までよりも早い速度で切りかかった。だが、ザザが見た光景はさっきと何も変わらない結末だった。


「リュールまでやられた?マジかよ・・・あのスピードだぞ?」


「はぁ・・少しは楽しませて欲しかったな。」


「・・・お前達を・・絶対に・・止めてや・・・る・・・・」


「ふぅ〜まっいいもの見れたし、少しは退屈しのぎにはなったからいいか。さてと、ザザ。お前に伝言だ。」


「なんだ?伝言って。」


「よく聞けよ。お前はもう。我々を止めたくば勝手にすれば良いさ。と言う事だ。まぁお前はこれから我々の敵だからな。」


ザザは今の言葉を理解することはできず、立ち尽くしていた。

------------------------------------------------------------------------------------

「クロノス様、ザザに伝えましたが・・本当によかったのですか?」


「ん?あぁ、あいつに人殺しはできんからな。居ても足手まといになるだけだからな。それとパラドクスよ。」


「なんでしょう?」


「気づかなかったのか?左腕にに。」


「・・・・は!?マジか・・いつの間に・・・」


「No.4も落ちこぼれた者よ。まぁいい下がれ。」


「・・・はい。」

 

(いつの間に切ってたんだリュールめ!お前はいつか必ず俺が殺す!)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る