第7話 桂花ラーメン(熊本の女)

桂花ラーメンから、歩いて高田馬場に向かう。

彼女はいつも歩いてるんだろうか?

僕はもう抱きしめたくてたまらなくなっていた。


都合よくタクシーが来たのでさっと拾った。

僕がバイト料で払いますよ。

行き先を言ってください。


多分、通学バスで通ってる場所だと思った。

ついてみると綺麗な低層マンションの1階だった。

僕の下宿に連れて行かなくてよかったと思った。


劇場が借りてくれてるのよ。

逃げられたり、ヤクザに囲われたりしないように。

ちょっと待っててね。下着を干したままになってるから。


お邪魔します。

誰もいないよ。

綺麗な部屋だね、

高円寺に連れて行かなくてよかったよ。


お風呂入れるね。二人とも一日中汗かいたからね。

二人で大笑いした。僕は昨日のディスコからそのままだ。


田舎から送ってきた芋焼酎があるけど?飲む。

ロックでお願いします。

お互い歳も名前も知らないのよね。


僕は学生証をテーブルの上に置いた。

彼女はゴソゴソ保険証を出してきた。


本名は「みずき」で21歳だった。

でも武蔵のままでいいよ。

じゃあ僕も「背中」というあだ名で呼んで。


なんで背中なの?

転校した時に背中がデカくて

口を聞かない男だったから、背中って呼ばれたんだよ。


「背中」と「武蔵」か、いいかも知れない。

「おさむ」と「みずき」じゃあ別れても思い出さないよね。


僕はスッと彼女を抱き寄せてキスした。

彼女は私、こう見えて身持ちがいい女だから。

お風呂でちゃんと確認して。


何を確認するというのかわからなかったが、

彼女が可愛くなった。


じゃあ明るいところで、しっかり見せてもらうよ。

彼女はすこし頬を赤く染めた。

ストリッパーというものがちょっとわかった気がした。

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