18話:火の女神

魔獣に襲われてから一月が過ぎ、貯水地の西側に丸い機械の玉を埋めている。


これは自動監視魔法障壁で、入行の許可がない人物・動物・スキルを持つ魔獣・知性のある魔物・魔法生物など、周囲3キロまで侵入を防ぐ事ができ、魔力で発動するスキルなども防ぐ事ができる。


建物は完成していて、コンクリートの構造二階建てに今は住んでいて、一階はリビングと応接間になり、二階は俺とユピテルで各部屋を使っている。


マウとトトで、隣の建物に住んでいて、ローギスが反対側に建物を建てる


貯水地の南側に大浴場を造りだし、誰でも使える様にした。


畑と住宅エリアの合間に、備蓄倉庫を設置して、中には冷凍庫も完備している。


これから来る難民を、貯水地の東側に簡易施設を建て、一時的に住んでもらう予定だ。




アークが、自宅に向かう途中でユピテルに合うのだが、ユピテルの足取りがふらつき、顔の表情が青ざめていた。


 アーク「ユピテルどうしたのだ? 気分が悪そうだけど?」


 ユピテル「えっとね、マウの手伝いに向かったけど、私にはムリ」と言いながら部屋に戻る。


アークは、内容が理解できなかったので、マウがいる備蓄倉庫に向かう。


そこでは、マウがローウルフの精肉処理していた。

その光景は、手際が良くローウルフの皮・首・手足を包丁で裁いてる。


この光景を見て、ユピテルが気分が悪くなったようだ。


 アーク「精肉処理が上手だね」


 マウ「獣人たちは、猟をしてすぐに精肉処理をするの」

「だから獣人のほとんどができるの」


マウが精肉処理を終えると、ローウルフの残処理を、押し車に乗せた。


 マウ「アーク、お願いがあるの」


 アーク「どうした?」


 マウ「これを森の中に置いてきて欲しいの」

「そうすると、動物と魔獣が食べてくれて、感染症を防ぐ事ができるの」


マウがニッコリと笑う。どうやら、断れない状況になった。




俺とトトで、森の中に来た。


 アーク「トトは、いつもこんな事してるのか?」


 トト「こんなに大量に運ぶのは始めてですが、猟に向かう途中で置いてから、猟に向かうのが獣人の決まりでした。」


 アーク「なるほど、なら獣人が戻ってきたら分担を決めよう」


ローウルフの残骸を森の平地に置き始める。


 アーク「・・・これはキツイ。ユピテルの気持ちがわかる」


そう言えばユピテルがローウルフと戦っていた時、ローギスとマウを空中に浮かしてたのを思い出す。


確か磁力の密度を高めて、重力に魔法で変換する。そして、目的に魔法を放つ。


すると、ローウルフの残骸が宙に浮く。


 アーク「これは楽だ」


作業を終えて、帰宅する準備をする。


 アーク「トト、試したい事があるのだが、良いか?」


 トト「良いですけど?」


俺は、風と雷の属性で、意志疏通のスキルをトトに放つ。すると、トトの体を包む。


 アーク「全力て走って見てくれ」


トトが走る。すると、目で追うのが困難なほど早い速度で移動する。


 トト「凄い早さで走れる」

「アークさんは、ヒーリングの職業エンチャントできるのですか?」


 アーク「いや違う、実は攻撃魔法を使った」

「攻撃魔法に、相手の動きを封じるスキルがあるのを、逆に応用してみた」


 トト「普通は、そんな創造思い付かないですよ」感心しながら帰る。


魔法障壁エリアに近付くと、人影が見えた。


その姿は、赤紫のロングヘアーの女性の後ろ姿で、何か言っている。


 女性「何だよこれ、入れないではないか!」言いながらファイヤーの魔法で障壁を、破ろうとしている。


 アーク「おい、何をしている」


すると、女性がこちらに振り向くと、女性の顔から涙目になりながら、鼻血を出していた。


トトが呟く「スティア様、なぜここに?」


女性は、火の女神スティアだった。

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