17話:サウザンドセイバー

  [復興1ヶ月目]


クレーターの埋め戻しを、残り100メートルほど残し、そこに巨大なウォーターボールを流す。


その理由は、貯水地にして、畑と飲み水にするために残す事にした。


貯水地の中心から南西に住宅地エリアにして、飲み水の配管通し、浄水場を作った。


そして、俺とトトで貯水地から西北エリアで、畑を作る事にした。


俺の魔法では、ヒーリング系が使えないので、魔法銃で、植物を育てる肥料を、上空から降り注ぎ、その後、風と水の属性魔法で雨を降らせる。


トトが感心してる。「スキルが多彩で凄い」呟く


確かに多様にできて、困ることはない。


普通は、スキル習得に制限があり、覚えられる数は1~5なのだか、俺にはスキルの数に制限がない。


 アーク「これで畑の場所ができた。後は、家の完成を待つだけだ」


俺とトトは、テントに戻る途中で、小さな影がこちらに向かってくる。


それはローウルフの魔獣だった。


 トト「ローウルフは、仲間を呼ぶスキルを持っているので。呼ばれると厄介です」


 アーク「わかった。一気に倒す」


範囲魔法ファイヤーを放つ。だがローウルフは、素早く避ける。


範囲魔法の速度では、避けられて当たらなかった。


アークは魔法を諦めて、マジックガンと格闘で対応する事にした。


風の魔力で素早く、マジックガンで射つ。ローウルフに弾が当たると、周りにウィンドカッターになり、ローウルフを切り裂く。


ローウルフがアークに飛びかかるのを、回し蹴りで蹴り落とす。


トトの方を見ると、短剣で応戦している。


半数になったローウルフに、苦戦する事なく倒していたが、その時にローウルフの攻撃が止み、テントのある方に駆け始めた。


どうやらテントにいるユピテルと、マウの女性の方が良いと判断したみたいだ。


 アーク「マウとローギスが危ない、急ぐぞ」トトがうなずく。


ユピテルなら戦闘スキルがあるから大丈夫だと思うが、慌てると動きが単調になるから不安がある。


テントに着くと、50匹のローウルフが、上空を眺めてる。


その上空には、ユピテルが空中に浮いていた。ユピテル付近に、マウとローギスも浮いている。


どうやらローウルフが集まり始めた時に、上空に避難した様だ。


そしてユピテルが右手を上げたと同時に、無数の光の剣が上空に出てきた。


 ユピテル「千本の剣サウザンドセイバー」右手を振り下げる。


すると光の剣が、ローウルフに剣が突き刺さり全滅する。


 アーク「すごい・・・」圧倒的な力だった。 もし最初に出会った時の戦いで、光の剣で使われたら俺は生きてなかった。


ユピテルがゆっくり降りてきた。 マウとローギスも地面に降ろす。


マウがゆっくり起き上がり、ユピテルの方に近寄る。


 マウ「助けてくれて、あり・・・!」


その表情は、いつもの優しい目つきとは変わって、無表情で、鋭い目つきをしていて、怖い表情をしていた。


 マウが後ずさりしながら、怖がり始める。


その事に気が付いたユピテルは、表情が穏やかに変わる。


 ユピテル「あ・・・ごめんなさい・・・怖かったかな・・・」


 マウ「・・・・」


ユピテルは悲しそうな表情で、テントの中に入る。


今日は、ユピテルと同じテントにマウを使わせるのは気まずいので、トトとマウでテントを使わせる事にした。そして俺とローギスで交代しながら見張りをする事にする。


ローウルフが襲ってきた理由は、ここの貯水地だろう。ここの周辺は気温が高い為、木が無くなった平地では、すぐに地面が乾き、水が蒸発しやすい環境にってしまった。生き物であれば水は生命線である。




見張りをしながら、ユピテルと最初にあった時の事を思い出す。


本当は、俺を殺す気はなかったのかもしれない。それに、魔神の関係をもっている。


色々と聞きたいが、もし話せば、隠し事をしてるユピテルが、いなくなる気がした。

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