十八話「……あったか」

「……じゃあ髪からか」

「うん」

 桜用のシャンプーに手をつけて俺は桜の洗い始めた。

「……目を瞑っているか?」

「瞑っているよ」

 鏡越しで見てみると桜の言う通り目を瞑っていた。

「……洗い方はこれで良いんだっけ」

「うん」

 桜が頷き俺はそのままが桜の髪を優しく洗い、十分に泡立ち俺はシャワーを持った。

「じゃあ流すからそのまま目を瞑っていろよ」

「……うん」

 小さく頷き俺はシャワーからお湯を出し桜の髪を流し桜は自分の髪をタオルで優しく拭いてヘアゴムで髪をまとめていた。

「……よし」

「おぉ……」

 あまり意識してなかったが桜のポニーテールも良かった。

「つ、次はは体洗えばいいんだよな」

「あっうん。お願いします……」

 石鹸でスポンジをあわ立てて、スポンジを桜の体に押し当てた。

「――っ」

 少し当てただけで桜が少しビクッと跳ね上がった。

「わっ悪い!」

「ううん大丈夫……」

 俺は再度、桜の背中にスポンジを押し当てた。

「……ん」

 首筋のうなじからお尻にめがけてゆっくりとなぞるように洗った。

「……」

 小学生で背中を洗いっこしていたけど本当に身長が伸びたんだなって思う。とくに感じるのは背骨と体のライン。

「……大きくなったな」

「なにが?」

「桜の背中。小学生の頃とやっぱり重なるがこうして見ると伸びたなって」

「……えへへ」

 鏡越しに桜が微笑んでいた。

「じゃあ足と洗うから立って」

「うん」

 桜は席から立ち上がると可愛いお尻が現れた。

「――っ」

 意図してなかったが……みた瞬間。心臓が跳ね上がってしまった。

「じゃあ」

 俺はそのまま桜のお尻を当てた。

「……んっ」

 スポンジからはみ出る手の平が桜のお尻に当たっていた。

「……」

 本音を言うと素手で桜のお尻を触りたい……。

「桜、もし嫌だったらいいんだけど桜のお尻を触りたい」

「――えっ。 い、良いよ。仁のお尻も沢山触ったし」

 即答だった。

「それじゃあ」

 俺はスポンジを置いて桜のお尻に手を伸ばした。

「――っ」

 桜のビクッとした反応があり、お尻が少し揺れた。

 そして、柔らかく指で押し手、全体で桜のお尻を触っていた。

「……」

 今更ながら悪いことをしている気分な気がした。

 それでも俺は離すことはなく。桜のお尻を撫で見つめていた。

 いつも桜にされているお尻持ち上げゆっくりと腰にめがけて指先をなぞっていく。

「――んっ」

 桜の我慢している吐息が漏れていた。

「……恥ずかしい」

「これって桜にさっきされていたんだけど」

「なっ! ……今度からやめようか?」

「いやされて欲しい……」

 桜に触られるのは嫌いではない。

「……桜が嫌だったらやめるよ」

「今はちょっと恥ずかしいだけで、仁に触ってくれると思うと……嬉しいからやってくだ、さい」

「了解……」

 桜の了解を得て俺は少しだけ桜のお尻を触っていた。

 満足し俺はスポンジを拾い上げ桜の足を洗っていた。

「……だいたいこのくらいでいいかな」

 足を洗い終え俺はスポンジを桜に手渡した。

「えっ前は?」

「っ!?」

 桜は首を傾げていた。

「……え? いやあの……」

 桜の今、裸で胸を触れるのは心臓が持たない気がしてた。

「ごめん……心臓が死にそう」

「……仁も心臓爆発しそうなの?」

「……」

 桜の胸を見るたびに心臓が物凄くバックンバックン鳴り響いている。

「爆発するかもしれない」

「そっか……。でもお願いがあるかな」

「えっなに?」

「小学生みたいに一緒にお風呂に入ろう。……それで昔みたいにくっつこ?」


「――っ!!」


 小学生の頃はお互いくっつけて湯船に浸かっていたけど、今の桜に抱きついたら爆発してしまうんじゃないだろうか。

「……爆発しろと?」

「……うん。しよ」

 桜が頷いていた。

 正直くっつきたい。そう思うとめちゃくちゃ心音が鳴り響いていた。

「わかった……」

「先に湯船に浸かっていいよ」

「わかった」

 俺はシャワーを手に取り。石鹸がついた体を落とし湯船に浸かった。

「仁のお尻。ぐへへ」

 先に俺を湯船に入れた理由はお尻を見ることだったらしい。

「……」

 お返しとして俺は桜の体を眺めていた。

 可愛い胸元がチラチラと見れるだけで幸せだった……。

「よしっ」

 桜もシャワーで体の汚れを落としてこっちに近づいてきた。

「ちょっと入れて」

 片足から浴槽の中に突っ込んで両足が入って瞬間。どんどんと沈んでいくが桜の可愛いお尻が見れた。

「……あったか」

「なぁ桜、抱きしめてもいいか」

「……うん」

 桜の胸元の方に手を伸ばししがみついた。

「――仁のが当たっているねっ」

 彼女が少し悪戯っぽく言ってきた。

「……こんだけ抱きしめてたらそれはな」

 俺は桜の胸に手を置いた。

 ……触れているだけでこんなにも幸せな気分だった。

「仁。愛しているよ」

「俺も愛している桜」

 桜の顔が微笑んで真っ赤になっているのがわかった。

「……好きだよ桜」

「……うん好き。仁」

 そして俺と桜は浴槽でキスをし、長い間ずっとしがみついたまま長湯をお互いしていた。

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