第4話

その夜はちょっと興奮して寝付かれなかった


というのもこの手の話では、どうも武器とかに

精霊なんかが宿っているケースが多いようだからね


そうなるとPV数の稼げるちょっとエッチな

ラブコメみたいな展開もあり得るなぁ

これは、いい汗かけるかもしれんねぇ・・プフフフ!!


だから銃を枕元に置いて寝てみたんだけど 


次の日の朝


来ねぇ!! 来ないよ 萌えキャラ・・・


それどころか、この部屋から追い出される夢を

見て嫌な汗をかいてしまったじゃないかよ!!


「なんだぁこの銃・・ 製作者はよ死ね。」


なんてことを呟きつつ、時計を見て慌ててしまった。


「おふぅっ! もう起きていかなくっちゃ」


俺は銃を押し入れに隠すと 手早く支度をして

部屋から飛び出した。


一週間後に届いたもの

それから暫くは何事も無かった

業務が始まったら、あっという間に時間が過ぎていく

あの銃に関わると不幸が襲う~ような そんな畏れにも

似た感覚を持ち始めていたからだ。



その訳は正体不明の銃についてサイト検索しまくったら 

ある小国の廃鉱山で発見された強力な銃によって

持ち主の精神が崩壊した!とか しない? とか

という都市伝説的な話を見たこともあったからね 


"これ以上、あの銃に関わるのは止めておけ!" 

そんな声がどこからか聞こえてくるような気さえしたんだ。


そんな中で、新たに事態が動いたのが土曜日だった


「チワ~ チワ~ス!」


布団の中から顔を向けてみると玄関の方から変な声がするぞ

時計を見るとまだ10時ちょいすぎだ。


「チワ~ス オ届ケモノ~ス」


「なんだよ 休みの日なのに~ 

あっでも田舎からリンゴとか送ってきたかもしれんな プフフフ」


俺は布団から這い出すと玄関のほうに向かった。


ただ妙なイントネーションが気になったんで、

ちょっとドアスコープから覗いてみると


「あれ? 変だな 人影が見えないぞ」


ゆっくりとドアを開けると頭の上にローターを回転させた

銀色に輝くドローンがプカプカと浮いていたんだ。


「オ届ケ確認ネガィマ~ス」


「サインかな? 判子もあるよ」


「手ノ平ヲ、カメラ二カザシテクダァサ~イ」


言われたように手の平をドローンに向けると、サッと光が走った

カメラからのスキャンで個人認証確認が終ったようだ 


えっ!? だけどこのドローン 箱とか荷物を持ってないじゃないか??


そう思ったときだった。


「認証OK! コンバット装備転送!!」


そうドローンから声が聞こえた瞬間にまるで手品のように

ポンっと箱が現れたんだ

俺はビックリしてあわてて箱を受け止めた。


「マイドォゥ~~」


受け渡しが終るとドローンはウィーーンとティルトローターの

角度を変えてあっという間に飛び去ってしまった。



さっそく、受け取った箱をリビングのテーブルの上に置いて確認してみた。


見ると宛名も何もない無印のただの段ボール箱だったけど、

やけにズッシリした重みがあるんだよね


箱を開けてみると二重になっていて、中に例のメーカーの

箱が入っているじゃないか

出してみるとやっぱり! 横にarma-Zoneとかかれている


なんで俺の住所を知ってるんだ!?

なんで頼んでもないものが宅配されてくんだ?


まったくわけわからん わからんが現物がここにあるんだから

とにかく調べてみようと、俺は一口チョコを摘みコーヒーを

飲みながらも慎重にテープにカッターナイフで切込みを入れた

ゆっくりと開いてみるとびっしりと詰められたスポンジの中に

なにかのパーツのようなものがはいっている

後は箱状のものが全部で6個あるようだった。



目立つのが例の銃と同じ材質でできている筒状のシリンダーだった


「なんだろ? こいつは・・」


長さは40cmくらいかなぁ 直径が6cm程でまん丸じゃなくて

上の方が平になってる、そして筒の先っぽには穴が開いている


それから別に二種類の四角い箱状のものが収められていたんだけど

その内ひとつはすぐになんだか分かった。


「あ~ こりゃあの銃の予備の弾倉だよ  

5つあるので全部で20×5=100発の予備があることになるな」


普通なら5ヶの予備マガジンはものすごく潤沢とは言えないいだろう

だけど、この弾は文字通り100発100中の自動追尾弾だから

二個小隊くらいは確実にやれちゃうよ 


逆にもうひとつの箱のほうはまったく意味不明だった。


ケースの中身は、薄い銀色の金属の塊だった 

そう ちょうどボタン電池があるけどあれをもうちょっと

厚くした感じ 直径4cmくらいの金属板が10枚もキレイに

並んで入っているんだ


「う~~ん? これをなんに使えっていうんだ?」


俺はますます分けが分からなくなってしまった。

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