第5話 再び異世界へ

俺は送られてきたアイテムをテーブルの上に並べて眺めてみた


やっぱり一番気になるのは、このシリンダーだ


取り上げて詳しく調べてみた 上側の一部分が

平になっていてレールのようなものがついている

それから、このシリンダーの付け根の部分が

リボルバー(回転弾倉)のように回ようなっているらしい


ふ~む そのレールを触っていてふっとあることを思い出したんだ


「ひょとするとこれはあの銃と組み合わせて使うアイテムなのかなぁ?」

その時 俺の頭にピコ~ンと閃いた


「あっ! こいつはM203みたいなもんかもしれない 多分そうだ!」


M203というのはそれまで別々だったM76擲弾筒とM16自動小銃の

機能を組み合わせて使うために作られたアタッチメントで

グレネード(擲弾)を投射するための発射筒がM16のバレルの

下に付けられるようになっている


このシリンダーもそういう仕組みなのかもしれない

おれは押し入れに隠してあった例の銃をとりだして調べてみた。


「やっぱりだ バレルの下のところ丁度シリンダーの

レールに合うようなスリットがついているぞ

だから、このシリンダーのレールのでっぱりとバレル側の

スリットを合わせれば・・」


そのスリットに筒のレールを合わせて

グッと押し込むとカチッっという音がして銃と

発射筒はぴったりと一つになった。


「お~ なかなかかっこいいぞ これ!」


グリップに注意して持ってみるとランチャーの

取り付け後は銃全体の全長が20cm程長くなったので、

両手でホールドできるようになり取り回しも良くなった。

またランチャーの付け根の回転弾倉には窪みが9個あるから

10発の小型グレネードが入っているに違いない



「あれ? なんだろう・・」


その時に気づいたんだけど、ランチャーの左側に3つボタンが

並んでいて、その中のひとつのボッチが僅かに白く光っているんだ


そこで、そのボッチを押してみると パカッと

シリンダー横の小さなカバーが開いて2cm程度の幅の

弾を入れる薬室のような部分が現れたんだ

ちょうどあの謎のボタン電池みたいのと同じくらいのサイズだった


「あっ! ひょっとするとあの銀ボタンはバッテリーかな?

この銃にはいろんな機能がついているみたいだから、

そのメカを動かすための電池だろ」


収めてみると、銀ボタンとぴったりと一致した

やはりここに入れて使うんだ


ご丁寧に予備のマガジンにグレネードランチャーまで

送り付けてきた、この銃の製造者の意図は明らかだ。


「俺にどうしてもアッチの世界に行って戦えっていうんだな・・」


誘導されているようで、なんとなく気にくわなかった

だけど、こんなスゴい装備あったってグリップを握れなければ

日常のコッチの世界で乱射することはできないんだ。


それに荷物を持ってきたドローンが俺の手の掌紋で個人認証していた

あれを見てから考えたんだけど、多分この銃も同様の掌紋認証の

ためのシステムを搭載しているはずだよ


つまり、この銃は俺しか認めないってわけなんだ・・よなぁ


「うん よし! もう一度行ってやる! 上等だぜ~!」


そう決心した俺は好物のペペロンチーノを多めに

作ってたっぷりと食べたよ


「なんしろぉ、モグモグ 下手したら食い収めに

なっちゃうかもしれんもんなぁ モグモグ」


それから衣装ケースから、いつもサバゲにもっていく

バックパックを取り出して、中に入れてあった

レプリカのジャングルファティーグスーツを身に着けて

代わりにありったけのレーションやお菓子などを詰めたんだ


バックパックを背負うと魔銃のグリップをしっかりと握りしめた

再び白い閃光に包まれけど、もう気絶まではしなくなっていた

服装の方は、やはり前回と同様の未来的なコンバットスーツに

変わっていた

しかもうれしいことに足元には、持ってきたバックパックも

ちゃんとあったんだよね。


「お~ 良かったぁ ちょっとご都合主義の印象もあるけど

食い物が無くなったら大変だからなぁ」


その時だ 上空からヘリのローターブレードの音がしたかと思うと

ロケット弾が発射される大気を切り裂く爆音が響いたんだ!


HOSTILES INBOUND!


FOCUS ALL YOUR FIRE ON THAT ENEMY CHOPPER!!

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