【魔界遺産】スタートアップとベンチャー的転生【レグ×プラ】
お役所魔界が無事再建されると、やがてそこに108人の職員が順に復活し、やれアレがないコレが足りないと賑やかに活動を開始した。
「いや、全然足りないっすね」
「人手が?」
「人手は足りてるんすケド、記憶が欠けた職員が多いんす。役所自体の魔力が回復すればもう少しシステムの復旧もあると思うんすけど……」
「まあ最初はこんなもんでしょ。とりあえずお疲れ。アンドリューズ頑張ったよ」
( ──あ、コレもう一生馬車馬の如くコキ使われるヤツっす)
「だがそれも悪くない、男は心の中でそう頷いた」
「あ☆エリザベートちゃん。お久!」
「お久しぶりです、そしてはじめまして。レベル15のエリザベートです」
エリザベートは真面目そうな顔で眼鏡をクイッとあげた。
「そんなに一気にレベルアップするほど頑張らなくていいよ、今度は過労死しちゃうよ」
「ご心配には及びません。本来の仕事で皆様のお役に立てるのであれば、本望です」
さて皆様。エリザベートは改めて仕切り直しをした。
「システムのテストにお付き合い下さい」
「テスト」
「今、復活させたい方がいましたら、お名前を」
「アタシのマスター。名前はレグルスだよ」
エリザベートは慣れた手付きでデータ検索を開始した。
「俺の相棒はオデオン」
「そおね、あたしは、んー。ダークちゃんかしらぁ」
「なんでダークん? あれ。なんか知ってるぞ。ダークんてあのダークんだよね?」
「あら、あたしのことは忘れてもダークちゃんは覚えてるの?」
ル・シリウスは用心深く記憶の糸を手繰り寄せた。
「碧い狼の少年だった、アタシは天狼だから勝手にシンパシーとか」
「ありました」
エリザベートが呟いて全員の視線を集めた。
「ダーク・レッドさんのデータをダウンロードしますか」
「ダークんのデータ、リストにあるの?」
「はい。ファミリーネームのある方は検索にも上がりやすい傾向があります」
「魔界貴族の恩恵ってやつねん」
「なんぞ? ダークんって貴族なの?」
「そおじゃないわ。多くの魔界人はファーストネームしかもたないんだけど、とある魔界貴族にだけ特権があって、任意で他人にファミリーネームを与えることが出来たのよ。ダークちゃんのお父様が小さい頃、大公に授かったレッドがこんな形で役に立つなんて皮肉よ」
「成功する保証はないのですが。ダーク・レッドさんを転生召喚しますか」
「ええ、お願いするわエリザベートのお嬢さん」
アンドリューズは息を飲んだ。成功すれば、役所魔界の復興を堂々と祝える。
(ダークんってどんなだったかな。出会った時はこどもだったけど、成長して確か太陽王と結婚したような?)
太陽王? 結婚?
ル・シリウスの記憶があやふやになる。こどものダークしか思い出せない。
モフモフで尖ってて可愛かったなあ。
✂︎-----------------㋖㋷㋣㋷線-------------------✂︎
【レグ×プラ】
「カワイイは正義!! 魔法使いプラウです」プラウ
「カワイイ枠はル・シリウスで埋まってるだろ。戦士レグルスだ」レグルス
「男子のカワイイと女子のカワイイは同じカワイイでもカテゴリーが違うんです」プラウ
「ふーん」レグルス
「明らかに興味がない反応です」プラウ
「次回、『かれここ』の時間だ。」レグルス
「『華麗な魔王はまだですが、孤高の少年ははじめました』」プラウ
「「『再見』」」レグプラ
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