第38話⁂大和の家庭内暴力の原因!⁂
二〇十八年七月某日章は、愛人の留美と息子の翔を伴って新しくオープンした長野県のショッピングモ-ルに出掛けたのだが、その時に蓼科の別荘に程近い場所を走行中に、散歩中の鈴子らしき女性と男性がお洒落なレストランに消えていくのを発見。
そんな鈴子らしき女性の浮気現場を目撃した、あの事件の、遡る事一年前
三重県鈴鹿市のモ-テル街での出来事。
家に帰るのに近道をしようと、モーテル街に入った生徒の一人が、そこで肩寄合ってって歩く理事長と美しい女性を発見、よく見ると大和の母ではないか、そこで早速親しい友達数人に話した。
愛知県偏差値最高峰の有名私立高校という事もあって、中には遠距離から通っている生徒さんもいるのだ。
まさかこんな三重県鈴鹿市で、我が校の生徒に会おうなど思っても見なかった事。
気の緩みからうっかり目撃されてしまったのだ。
「モーテル街を理事長と大和のママが歩いていた」
友達の心無い噂話を聞いたクラスの生徒から、散々下世話な事を言われている大和。
「お前の母親、おばさんのクセに理事長と出来てるらしいな~?ウッフフフ~モーテル街を二人で肩を抱き寄せて、歩いていたらしいな~?ウッフフフ!そう言えばお前のママやけに色っぽいよな~?エロおばさん!エロおばさん!俺達にもヤラセロ!」
「そうだ!今度お前の家に行くからな?ウッフフフ~!」
「何をバカな事言ってんだ!そんな事したら先生に言い付けてやる!」
「ああああああ~?やっぱり権力者の愛人は強いわな~?オオオ~怖い怖い!」
「エロおばさん、エロおばさん」
「本当だ!理事長も、あのおばさんと散々お楽しみの事だろう?ウッフフフ~!想像しただけでも興奮する!エロおばさん、エロおばさん」
「もう止めろ!ヤメロ!ヤメロ!」
耳をふさぎしゃがみ込む大和。
◇◇◇◇◇◇◇◇
大和は父に愛人がいる事もとっくに気付いていた。
この母の噂話が公になる一年以上前に大和は、事務所の書類整理を父から頼まれ事務所で書類整理をしていた。
すると……電話が掛かって来て電話を取った大和。
「もしもし佐々木公認会計事務所です」
「章、何故最近マンションに来てくれないの…酷い!子供の妊娠が分かって……急に私を避けるのね!酷い酷すぎる~ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭何とか言いなさいよ~!」
「アッ!ハ! ハイ!僕は息子の大和です」
「アッごめんなさい」
””プ――ップ――ップ――ッ””
慌てて電話が切れた。
実は父の章と息子の大和は声がそっくりなのだ。
最初は何を言っているんだと思ったが、
{子供が出来た?これはただ事ではない?}
等々心配になり、父が出張だと言って泊り掛けで出掛ける日を狙って、タクシ―で何度か後を付けた事が有る。
すると……早速そのマンションを探り当てることが出来たのだ。
そして父が出張だと噓を付いて泊り掛けで出掛ける日を狙って、そのマンションで見張っていると、父章と愛人が出て来た。
そして{子供が出来た}と言っていた事が妙に引っ掛かり、その後も事あるごとに、マンションの脇で見張っていたのだ。
すると……父章と愛人更には赤ちゃんを抱えて駐車場に向かい、車で走り去った。
{この家は一体どうなっているんだ。父と母二人共浮気して子供まで設けているとは、とんでもない親だ!自分達は好き放題して子供には無理難題を押し付けて!}
そうなんです!父は自分が女を作り子供まで設けているのに、息子にはもっともっとと発破をかけるのだ。
{必死に頑張って、勉強もかなり上位に食い込むことが出来たのに・・・それなのに『もっともっと頑張れ!』俺の限界をはるかに超えている}
父章にして見ればまだまだ物足りないのだ。
父章は特進クラスに居るのが当たり前と思っているのに、大和は未だ特進クラスには程遠い状態。
頑張って頑張ってやっとこの成績を維持しているのに……それなのに……
「出来が悪い、こんなんじゃとてもじゃないが一流大学には進めない!」
と言って攻め立てるのだ。
こうして我慢をして言いなりになっていたが、ある日等々爆発してしまった。
そして登校拒否と家庭内暴力に走ったのだ。
一見何故こんな滅茶苦茶な家族になったのか疑問に思うだろうが?
実は付箋は鈴子が理事長と、大和の徳豊中学入学の話し合いで出掛け、強引に親密な関係を持たざる負えなくなった、少し後に起こっていたのだ。
鈴子の友達で、茜は大手企業の専門職に就いているキャリアウーマンで、会社の部長と不倫関係にある。
そこで二人は、お互いのアリバイ工作に協力し合っていたのだが、ある日たまたま娘の花が熱を出したので章が、居ても立っても居られず携帯に電話したのだが、鈴子の携帯に電話したが何回掛けても通じず、等々友達の茜に電話したのだ。
「あのさ~子供が熱出しちゃってさ~?鈴子に電話しても通じないんだ。直ぐに電話するように言ってくれない?」
だが待てど暮らせどその日は連絡無かった。
{あんなに子煩悩な鈴子が、何故電話をよこさないんだろう?}
そんな時に、休日で家でゴロゴロしているとタバコが切れたので、近所に買いに行って来ようと立ったのだが……財布が無い。
{そうだ鈴子の財布から拝借してやれ!}
傍に有った鈴子のバックからお金を取り出そうとしたその時、バッグの中にライターを発見。
それもかなりお洒落な、キラキラ輝くバタフライがデザインされているライター。
よくよく見るとモーテルのライタ―ではないか?
「あんなに大恋愛で結婚したのに、俺も鈴子を命懸けで愛して来たのに、俺を裏切っていたのか?許せない!」
こうして鈴子をチェックし始めた章。
だが、やはり旅行だと言って帰って来た服装がやけにタバコ臭かったり、ポマ-ドの強烈な匂いがする等、チラチラ男の影がチラつくのだ。
こうして正体の分からない男の影を感じた章は、鈴子に不信感を募らせて行った。
夫婦に隙間風が出来始めたその隙間に入り込んで来たのが、章の愛人留美なのだ。
こうして複雑に入り込んだ人間関係の中で、一家三人が焼死体で発見される事になる。
だが・・・
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