第37話⁂そして現在!⁂



◇一旦時代を現在に戻しましょう。


二〇十八年七月某日章は、愛人の留美と息子の翔を伴って、新しくオープンした長野県のショッピングモ-ルに出掛けたのだが、その時に蓼科の別荘に程近い場所を走行中に、散歩中のカップルに目が釘付けになった。


それはどういう事かと言うと、一際目を引く美しい女性であった事もあるが、

その美しい女性に目を凝らしていると、それは何と……?

妻の鈴子に余りにも、そっくりな女性だったからなのだ。


やがて二人は、お洒落なレストランに消えた。


まさかとは思ったが、心配になった章は、知り合いの探偵に早速妻の素行調査を頼んだ。


すると早速ある男に辿り着いた。

それは、息子の大和が通っている偏差値最高峰、私立徳豊高校の理事長である事が分かったのだ。


そして五年近くも前から月一で、土曜日にお友達の山本茜のマンションで落ち合い、三人で食事をした後別れて、そこから二人は蓼科の別荘やホテルで密会していた事が分かった。


早速その夜、子供達に聞かれては不味いので、誰もいない佐々木公認会計士事務所で章は、鈴子にこの素行調査結果を叩き付け、問いただしたのである。


「グウウウウ( ノД`)シクシク…そんな……そんな……そういう変な関係じゃ~ないのよ~…只?・・大和があんなのだから相談に乗って貰っていただけよ~!」


「…そんな噓が、まかり通ると思っているのか?……男と二人っきりで一晩泊って何もない訳が無いだろう!この阿婆擦れ女め!言ってみろ!」


「グウウウウ(´;ω;`)ウゥゥ」只々泣き伏す鈴子。


余りにも鈴子が泣くので……?チョット間をおいて、今度はその話は置いて、大和の話になった。

「それでも…大和は何故……?何故?家庭内暴力に走ってしまったのだろう?」


「好き勝手やっている、お前らなんか死んじまえ――――――――ッ!」

こんな暴言を吐いて、只々荒れ狂う大和!


「本当に困ったものね!」



暫くの沈黙の後、今度は妻の鈴子が一気に日頃のうっ憤を爆発させる。


「あなた私を責めるけど………?( ノД`)シクシク…あなたに女がいる事は、とっくに気付いていたのよ!酷い!酷過ぎ!ウウウ(´;ω;`)ウゥゥワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」


「フン!百貨店売り場の契約社員のお前を、親が反対したけれど………お前がどうしても一緒になりたいと言うから結婚してやったんだ!それを自分を棚に上げて……そんなものは男の甲斐性だ!…それが我慢出来ないんだったら、不貞を犯したお前なんか、さっさと出ていけ――――ッ!」


「ウウウ(´;ω;`)ウゥゥワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭………分かったわ!私も、あなたとはもうやっていけない!………別れましょう!」


「…お前!まさか、あの理事長の所に行く気か!………ウウゥッ!許せん!」


「私は……大和の事を理事長にお願いしていただけなのよ!それも分かってくれないんだったら別れるしかないわ!………もう私~?あなたの事は我慢が出来ないのよ!」


「……オイ!……ちょっと待て!……じゃ~?大和があんな状態で…どうするんだ^?………俺も言い過ぎた‼冷静に話し合おう!」



◇◇◇◇◇◇◇◇

大和は、愛知県偏差値最高峰、徳豊高校の授業に付いて行けず、グレてしまったらしいのだが………?


最初の内は楽しく学校に通っていたのだが、最近は「学校に行きなさい!」と言っても反対に暴れまくり、その挙句部屋に引き篭もる有り様。


実は学校でとんでもない事が起こっていたのだ。


強引に部屋から押し出そうとすると、暴れまくって家の物を壊し、何でもかんでも投げ付け家の中は荒れ放題、その挙句に父よりも大きくなった身体で襲い掛かって来るので、到底太刀打ち出来ない悲惨な状況。


更にそれだけでは無く、子供は見ていないようでしっかり親の行動を見ているのだ。


「フン!オヤジだって、おふくろだって人に言えた義理か!散々好き勝ってやっておきながら!俺だって好き勝手にやらせて貰う!」


どうしてこんな分からず屋の子供になってしまったのか?


そこで{これは大変!何とかしないと!}

そう思い、困り果てた父章が、学校に赴き担任に問いただしたのだ。


すると先生は、大和が学校を休むようになった経緯を話し出した。


「大和君は頑張れば、特進クラスに行けるだけの実力のあるお子さんですが………実は………?心無い生徒から………大和君の………?お母さまが………我が校の先生と………誰とは言いませんが………?あの~?モーテル街を………歩いているのを見たと……モーテル街の近くから通っている……生徒がおりまして?その男の子が……あんまり綺麗なお母様だったので………大和君のお母様を…覚えていたらしく………その事を……数人の生徒に話したらしいんです……それで……?その話が広がり……」


それでも…担任の先生も流石に相手が理事長であるとは、明かしていないのだ。

当然自分の首が飛ぶのを恐れての事だ。


頭に来た章は家に帰るなり「鈴子!鈴子!どこに居るんだ――――ッ?」


「あなた~?どうしたの~?」


「バカ野郎!お前!やっぱり理事長と!」


そして妻の頬っぺたを思い切り殴った。

””ペシィ―ッ””

「ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」


家庭内暴力の大和、更には章には愛人とその子供が、又鈴子はしつこく密会を強要する理事長と、切りたくても切れない未だ続く愛人関係。


家族は完全に破綻。

完全に崩壊して地獄絵図と化したのだった。!


鈴子、大和、花、三人が焼死したのは、只の火の不始末によるものなのか?

それとも……?


実は恐ろしい真実が・・・






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